エンタメ
2026-04-22 08:40
ネットやSNSで、「マイメロ泣き」や「マイメロを心に宿す」というミームが誕生するほど、“かわいらしさ”や“癒やし”の象徴として浸透しているマイメロディ。1975年のデビュー以来、幅広い世代に愛されてきた彼女が、デビュー50周年を経て、ひとつの転換点を迎えている。パブリックイメージと、現代の意識変化を踏まえたリブランディングの舞台裏を、サンリオのマイメロディ担当プロデューサー・須佐奈央子さんに聞いた。
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■ネットミームに感謝の一方で、“イメージ一人歩き”への懸念も
マイメロディとは、2025年に50周年を迎えたサンリオキャラクター。すなおで明るく、弟思いの女のコで、宝物はかわいいずきん。趣味はお母さんとクッキーを焼くこと――という、いわゆる「伝統的な女のコらしさ」を体現したようなプロフィールを持つ。実際、公式Xでも、おっとりとした言葉選びやふわふわとしたイラストを発信してきた。
ネット上では、顔を覆って泣く様子を「マイメロ泣き」と呼んだり、理不尽な状況を「わかんな〜い」と受け流す思考法を「心にマイメロを宿す」と表現したりと、独自の解釈で親しまれている。言い換えれば、そこまでマイメロディのパブリックイメージが浸透しているということだろう。
こうした現象について、サンリオでマイメロディのプロデューサーである須佐奈央子さんは、「時代に合った解釈をしていただき、注目いただけているのは大変ありがたい」と思いを明かす。だが一方で、気になることもあるという。
「マイメロディは本来、時代に関わらず、いろいろな解釈ができるキャラクター。私自身、改めてキャラクターに向き合ったとき、表層的なかわいさの奥にある非常に魅力的な一面に気づきました。そのため、特定のイメージが一人歩きしてしまい、愛してくださる方を限定的にしてしまうのはもったいない、という思いもありました」(須佐さん、以下同)
そこで行われたのが、マイメロディの「再定義」だった。50周年を経た今年1月、東京・表参道で『好きにすなおに生きてみる展 WITH MY MELODY』を開催し、同時期に書籍も発表。これまでの、単純に「かわいい」だけではない、新たな“マイメロな生き方”を提示した。
「マイメロディは一時期、量産型ブームで盛り上がったものの、それ以降はあまり世の中で大々的に注目される機会がありませんでした。50周年のアニバーサリーでファンの方と向き合った今こそ、多くの方にマイメロディを知っていただくチャンスだと思い、今の時代に合った魅力を打ち出すことにしたのです」
打ち出したのは、「受動的なかわいさ」から「しなやかなかわいさ」へのアップデート。
「純真無垢な本質は変わりませんが、マイメロディの良さは『自分の生きたいように生きている』ところにもあります。その姿勢を『好きにすなおに』という言葉で言語化しました」
しかし、「生きたいように生きる」ことは、一歩間違えれば「わがまま」と捉えられかねない。
「マイメロディの生き方は、『相手に喜んでほしい』という気持ちにも素直であること。わがままとは一線を画す“しなやかさ”があります。この芯のある生き方は、今の時代を生きる方々のヒントになるのではないかと考えました」
このメッセージは『好きにすなおに生きてみる展 WITH MY MELODY』来場者からも、「かわいさやデザインだけでなく、性格や考え方に共感した」と、大きな反響を呼んでいる。
■「誰もがしんどさを抱える」現代、自分に“すなお”に生きる姿が共感を呼ぶ
「かわいい」「癒される」と50年愛されてきたマイメロディ。そこに、新たに織り込まれたメッセージが好意的に受け入れられた背景には、現代社会における人々の意識変化もあると考える。
「マイメロディはもともと、“寄り添う”スタイルのキャラクターです。ただ今は、誰もがしんどさを抱えていて、『周りの環境に惑わされずすなおに生きたい』と願っている時代。マイメロディのように自分を大切にする姿を自然に感じてもらうことこそが、共感への最短ルートではないかと考えました。これは、日々自分に正直に生きるのが難しいOL層などの方々にも言えることです」
こうした変化は、Xでの発信スタイルにも表れている。かつてはユーザーに直接「寄り添う」メッセージが主だったが、最近はマイメロディが「自分らしく過ごしている様子」を第三者視点で見せる投稿が増えた。それも、「『あなたのために』という提案よりも、メロディ自身が『好きにすなおに』生きている様子を見ていただくほうが魅力が伝わりやすいのかもしれない」という考えから。
実は、多くのコンテンツを見てきた昔からのマイメロディファンにとって、彼女の自己肯定感の高さ、自分を大切にする考え方は周知の事実。一方で、これまでのXの発信では寄り添い・おっとり系の投稿が多かった。今回のリブランディングは、SNS上のイメージと本来のキャラクター性の距離をさらに近づけていく作業でもあったといえる。
ひとつ気になるのは、自称マイメロディのライバルであり親友でもあるクロミとの違いだ。クロミも「なりたい自分になっちゃおう」という自分らしさを掲げている。須佐さんによれば、そこには明確な違いがあるという。
「これは私なりの解釈ですが、前向きな変化を求め、アグレッシブに突き進む“現状不満足”型なアプローチがクロミ。対して、今の自分を愛する“現状満足”型な内省的アプローチがマイメロディではないかと思っていて。昨年はマイメロディの50周年とクロミの20周年が重なり、“メロクロな関係”というプロモーションを行ったことで、ふたりの違いを捉え直す良い機会になりました」
この対照的な「自分らしさ」の提示も含めて、サンリオは「これまでのイメージで『自分とは違う』と遠ざかっていた方にこそ、今回の解釈を提案したい」と、ファン層の拡大を目指している。とはいえ、長い歴史を持つ人気キャラクターだからこそ、リブランディングの難しさもある。
「長く愛してくださっている方々にも共感していただけて、新たに好きになってくださる方も増やす…というのはなかなか難しいことです。どちらにも受け入れていただけるよう、バランス感覚は大事にしていけたらと考えています」
■若年層で「ジャーナリング」「ウィッシュリスト」が流行、新年度に自分を見つめ直す機会に
今回のリブランディングを通じ、マイメロディの魅力を伝え、好きになってもらうことがゴールなのは間違いないが、それだけではない。
「マイメロディに触れたことにより、心境が変化したり、感情が動いたりすることが深い体験となってくるのではないかと思います。そのため、1月の展示会や書籍ではマイメロディと一緒に自己探索してもらえるようなコンテンツを組み込んでみたのですが、これがとても好評でした」
1月の東京開催に続き、4月24日からは大阪で『好きにすなおに生きてみる展 WITH MY MELODY』を開催する(4月29日まで/グランフロント大阪)。
「今回は新年度という節目のタイミング。ウィッシュリスト作りなどの体験コンテンツを通じ、ご自身の好きなことや、やりたいことを見つめ直すきっかけにしていただければと思います」
「自分らしく生きる」――近年よく耳にするワードだが、多忙な日常の中でそれを探し続けるのは容易ではない。特に新年度や新入社といった環境の変化が大きいこの時期、つい周囲の期待に応えようと自分を後回しにしてしまいがちだ。
そんな今だからこそ、若い世代を中心に流行している「ジャーナリング(書く瞑想)」や「ウィッシュリスト」のように、自分の内面を可視化する作業が意味を持つ。マイメロディのように自らの感情に「すなお」になり、心の声を書き出してみること。そこから見つかる「好き」という小さな種こそが、新生活を自分らしく歩むための確かな指針となるはずだ。この春、マイメロディと共に自らの「好きにすなおに生きてみる」を模索するひととき。そんな贅沢な体験を、自分へのエールにしてみるのもいいだろう。
(文:於ありさ)
(C)2026 SANRIO CO., LTD. 著作 株式会社サンリオ
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ネット上では、顔を覆って泣く様子を「マイメロ泣き」と呼んだり、理不尽な状況を「わかんな〜い」と受け流す思考法を「心にマイメロを宿す」と表現したりと、独自の解釈で親しまれている。言い換えれば、そこまでマイメロディのパブリックイメージが浸透しているということだろう。
こうした現象について、サンリオでマイメロディのプロデューサーである須佐奈央子さんは、「時代に合った解釈をしていただき、注目いただけているのは大変ありがたい」と思いを明かす。だが一方で、気になることもあるという。
「マイメロディは本来、時代に関わらず、いろいろな解釈ができるキャラクター。私自身、改めてキャラクターに向き合ったとき、表層的なかわいさの奥にある非常に魅力的な一面に気づきました。そのため、特定のイメージが一人歩きしてしまい、愛してくださる方を限定的にしてしまうのはもったいない、という思いもありました」(須佐さん、以下同)
そこで行われたのが、マイメロディの「再定義」だった。50周年を経た今年1月、東京・表参道で『好きにすなおに生きてみる展 WITH MY MELODY』を開催し、同時期に書籍も発表。これまでの、単純に「かわいい」だけではない、新たな“マイメロな生き方”を提示した。
「マイメロディは一時期、量産型ブームで盛り上がったものの、それ以降はあまり世の中で大々的に注目される機会がありませんでした。50周年のアニバーサリーでファンの方と向き合った今こそ、多くの方にマイメロディを知っていただくチャンスだと思い、今の時代に合った魅力を打ち出すことにしたのです」
打ち出したのは、「受動的なかわいさ」から「しなやかなかわいさ」へのアップデート。
「純真無垢な本質は変わりませんが、マイメロディの良さは『自分の生きたいように生きている』ところにもあります。その姿勢を『好きにすなおに』という言葉で言語化しました」
しかし、「生きたいように生きる」ことは、一歩間違えれば「わがまま」と捉えられかねない。
「マイメロディの生き方は、『相手に喜んでほしい』という気持ちにも素直であること。わがままとは一線を画す“しなやかさ”があります。この芯のある生き方は、今の時代を生きる方々のヒントになるのではないかと考えました」
このメッセージは『好きにすなおに生きてみる展 WITH MY MELODY』来場者からも、「かわいさやデザインだけでなく、性格や考え方に共感した」と、大きな反響を呼んでいる。
■「誰もがしんどさを抱える」現代、自分に“すなお”に生きる姿が共感を呼ぶ
「かわいい」「癒される」と50年愛されてきたマイメロディ。そこに、新たに織り込まれたメッセージが好意的に受け入れられた背景には、現代社会における人々の意識変化もあると考える。
「マイメロディはもともと、“寄り添う”スタイルのキャラクターです。ただ今は、誰もがしんどさを抱えていて、『周りの環境に惑わされずすなおに生きたい』と願っている時代。マイメロディのように自分を大切にする姿を自然に感じてもらうことこそが、共感への最短ルートではないかと考えました。これは、日々自分に正直に生きるのが難しいOL層などの方々にも言えることです」
こうした変化は、Xでの発信スタイルにも表れている。かつてはユーザーに直接「寄り添う」メッセージが主だったが、最近はマイメロディが「自分らしく過ごしている様子」を第三者視点で見せる投稿が増えた。それも、「『あなたのために』という提案よりも、メロディ自身が『好きにすなおに』生きている様子を見ていただくほうが魅力が伝わりやすいのかもしれない」という考えから。
実は、多くのコンテンツを見てきた昔からのマイメロディファンにとって、彼女の自己肯定感の高さ、自分を大切にする考え方は周知の事実。一方で、これまでのXの発信では寄り添い・おっとり系の投稿が多かった。今回のリブランディングは、SNS上のイメージと本来のキャラクター性の距離をさらに近づけていく作業でもあったといえる。
ひとつ気になるのは、自称マイメロディのライバルであり親友でもあるクロミとの違いだ。クロミも「なりたい自分になっちゃおう」という自分らしさを掲げている。須佐さんによれば、そこには明確な違いがあるという。
「これは私なりの解釈ですが、前向きな変化を求め、アグレッシブに突き進む“現状不満足”型なアプローチがクロミ。対して、今の自分を愛する“現状満足”型な内省的アプローチがマイメロディではないかと思っていて。昨年はマイメロディの50周年とクロミの20周年が重なり、“メロクロな関係”というプロモーションを行ったことで、ふたりの違いを捉え直す良い機会になりました」
この対照的な「自分らしさ」の提示も含めて、サンリオは「これまでのイメージで『自分とは違う』と遠ざかっていた方にこそ、今回の解釈を提案したい」と、ファン層の拡大を目指している。とはいえ、長い歴史を持つ人気キャラクターだからこそ、リブランディングの難しさもある。
「長く愛してくださっている方々にも共感していただけて、新たに好きになってくださる方も増やす…というのはなかなか難しいことです。どちらにも受け入れていただけるよう、バランス感覚は大事にしていけたらと考えています」
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「マイメロディに触れたことにより、心境が変化したり、感情が動いたりすることが深い体験となってくるのではないかと思います。そのため、1月の展示会や書籍ではマイメロディと一緒に自己探索してもらえるようなコンテンツを組み込んでみたのですが、これがとても好評でした」
1月の東京開催に続き、4月24日からは大阪で『好きにすなおに生きてみる展 WITH MY MELODY』を開催する(4月29日まで/グランフロント大阪)。
「今回は新年度という節目のタイミング。ウィッシュリスト作りなどの体験コンテンツを通じ、ご自身の好きなことや、やりたいことを見つめ直すきっかけにしていただければと思います」
「自分らしく生きる」――近年よく耳にするワードだが、多忙な日常の中でそれを探し続けるのは容易ではない。特に新年度や新入社といった環境の変化が大きいこの時期、つい周囲の期待に応えようと自分を後回しにしてしまいがちだ。
そんな今だからこそ、若い世代を中心に流行している「ジャーナリング(書く瞑想)」や「ウィッシュリスト」のように、自分の内面を可視化する作業が意味を持つ。マイメロディのように自らの感情に「すなお」になり、心の声を書き出してみること。そこから見つかる「好き」という小さな種こそが、新生活を自分らしく歩むための確かな指針となるはずだ。この春、マイメロディと共に自らの「好きにすなおに生きてみる」を模索するひととき。そんな贅沢な体験を、自分へのエールにしてみるのもいいだろう。
(文:於ありさ)
(C)2026 SANRIO CO., LTD. 著作 株式会社サンリオ
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