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2026-10-29 11:05
KAWAII LAB.発のアイドルグループ・MORE STARが、新曲「KAKUMEI」を9月25日にリリースした。楽曲を手がけたのは、グループの代表曲「ハグ!」に続き、3人組バンド・YU'S(ex.YUTORI-SEDAI)の金原遼希。ここでは、KAWAII LAB.の総合プロデューサー・木村ミサ、YU'S・金原、MORE STAR・森田あみ、遠藤まりんによる座談会を実施し、制作秘話のほか、アイドルソングならではの魅力、SNS時代におけるヒットとの向き合い方、それぞれが考える「KAWAII」の本質にも迫った。
【写真】KAWAII LAB.プロデューサー・木村ミサの撮り下ろしショット
■「これしかない!」木村ミサが感じた可能性
――まず、木村さんに伺います。金原さんの音楽のどんなところに魅力を感じて、MORE STARへの楽曲提供をお願いしようと思ったのでしょうか?
木村ミサ(以下、木村):MORE STARを作るときに、KAWAII LAB.の中でも年齢がすごく若いグループになる想定だったので、楽曲を作ってくださる方も、若い世代に刺さっていて、今注目されている方にお願いしたいなと思っていました。そんな中で、当時のYUTORI-SEDAIの楽曲を聴かせていただいて、「MORE STARに合いそう」と思ったのがきっかけです。
――具体的には、どんなところが合うと思ったのでしょうか?
木村:最初にデモをいくつかいただいていて、その中で「ハグ!」のデモを聴いたときに「これしかない!」と思いました。ちょっとリズムゲームっぽい面白さがあったり、自由度の高さがあったり、少しゆるいポップスっぽい雰囲気もあったり。それがMORE STARにすごく合うんじゃないかなって。感覚的にビビッときたのが最初でした。
――金原さん自身は、もともとアイドルソングを作るという発想や引き出しはあったのでしょうか?
金原遼希(以下、金原):もともとあったわけではないです。ただ、AKB48さんなどアイドルの方々の楽曲はすごく好きで、学生時代からずっと聴いていました。「ハグ!」も最初から「アイドルの方に作ろう」と思って作ったデモでもなくて、自分の作っている曲の中で「もうちょっと振り切ったものを作ってみよう」とやった結果、「さすがにちょっと俺はこれ歌えないな」というものができて(笑)。せっかくだから誰かに、ということで送ったのが最初のきっかけでした。もともとKAWAII LAB.の曲も全グループ聴かせてもらっていたので、アイドルの方に楽曲を作るというのは、一つの夢でもありました。なので、すごく幸せです。
木村:私は、アーティストの方に楽曲をお願いするときに、「アイドルソングだからアイドルのトンマナに寄せてください」というよりは、そのアーティスト側のテイストに乗っかりたいと思っているんです。そのバランスが、すごくYU'S(ex.YUTORI-SEDAI)っぽくもあり、ちゃんとアイドルソングにもなっていて。「面白いな」と思いました。
――「ハグ!」も「KAKUMEI」も、打ち込みの要素と生バンドっぽさが共存していて、音の質感が絶妙だと感じました。そのあたりはこだわりだったのでしょうか?
金原:そうですね。もちろん、全然バンドっぽくない曲も作りたいですし、作れると思うんですけど、せっかく一緒にやるなら、このバンド感みたいな部分を残せたら、よりいいんじゃないかなと思って。結構、自我を出したところでもあります。
木村:そこがいいと思っています。
■「ハグ!」から「KAKUMEI」へ バンドサウンドで広がったMORE STARの個性
――改めて、新曲「KAKUMEI」はどんな曲に仕上がったと実感されていますか?
木村:「KAKUMEI」は、MORE STARのイメージがだんだん定まり始めていたタイミングで、さらにそのイメージを確立させるものになったと思っています。もう少しで活動1年を迎えるタイミングでもあり、ここからさらに加速していく、次の未来に進んでいくという思いを見せられたらいいなと思っていました。「KAKUMEI」というタイトルのとおり、MORE STARなりの革命を起こせるような楽曲になったらいいなと思っています。
――森田さん、遠藤さんは、「KAKUMEI」を初めて聴いたとき、どんな印象でしたか?
森田あみ(以下、森田):デモをいただいたときから、「これ、金原さんだ」ってすぐわかりました。アイドルの曲で、こういうバンドサウンドが使われることって、そこまで多くないと思うんですけど、それがMORE STARにすごくハマっているのが、個人的にもすごく好きです。歌詞も、「誰かと比べてまた下を向く日もある」というような、今のMORE STARだからこそ刺さる言葉がすごく多くて。曲調はポップだけど、中身がすごく濃い曲だと思いました。
遠藤まりん(以下、遠藤):楽曲をいただいたときに、金原さんが長文のメッセージをくださったのですが、それがすごくうれしくて。「革命」という言葉はすごく大きいけど、小さな一つひとつの積み重ねが革命につながっていくとか、失敗も成功への道しるべでしかないから大丈夫、というようなことを書いてくださっていて。それがすごく刺さりました。そういう気持ちが込められた「KAKUMEI」だから、これから一つひとつ積み重ねて、失敗も含めて革命を起こしていける曲だなと思いました。
金原:学生時代にアイドルの方にハマっていたときも、ビジュアルだけじゃなくて、その人たちが向き合う姿勢や、裏にあるストーリーを知ったときに、グッとつかまれるものがあったんです。MORE STARにも、それと同じように感じる部分があって。「ハグ!」のときもメッセージは送ったんですけど、その頃より活動を見る機会も増えて、自分の中でMORE STARへの解像度も上がっていたからこそのメッセージだったのかなと思います。
――「ハグ!」と「KAKUMEI」で、制作の進め方に変化はありましたか?
木村:「ハグ!」のときは、まだグループができる前だったので、「こういう子たちがいて、こういうグループにしていきたい」という思いを伝えていました。あとは、リズムゲームっぽい遊びの部分があったので、「こういう見せ方をしたいです」という話もして。でも「KAKUMEI」は、そこまでたくさん会話をしたわけではないんです。それでも、金原さんがMORE STARのことをすごく理解してくださっていて、その解釈が私の解釈とも一致していた。ずっと見てくださっているからこそ、すごくスムーズだったなと思います。
金原:「KAKUMEI」って、すごく大風呂敷を広げたようなタイトルではあるんですけど、「でっかいことを成し遂げよう」ということだけを言いたい曲ではないんです。目の前の幸せをもっと見つめて、ポジティブに生きていこうという気持ちがあって。大きなことを成し遂げるためにも、小さな幸せや成功の積み重ねが必要だと思うんです。それこそ「WITH KAWAII」というコンセプトがある以上、自分たちだけで完結するのではなくて、目の前にいる人と一緒に、ということをすごく考えながら作った曲でした。
――レコーディングでは、どんなコミュニケーションを取っていたのでしょうか?
金原:僕自身も歌に関する悩みで苦しんできたこともあって。精神的なものって歌にすごく出ると思うんです。だから、一個一個細かく言うよりも、まずは思うようにやってほしいし、楽しんでほしいという気持ちが強かったです。その場を楽しくすることがまず一番。その中で、「ここをもうちょっとこうしたら良くない?」ということを少し言うぐらいですね。
――MORE STARのおふたりは、レコーディングを振り返っていかがですか?
森田:久しぶりにお会いしたら、金原さんが私たちの活動のことをすごく知ってくださっていて。それぞれのキャラクターも知ってくださっていました。私の「モリタミ」というハッシュタグも知っていて、「モリタミ節をもっと出していいよ」と言ってくださったり。個性をすごく大事にしながらレコーディングしてくださった印象があります。
遠藤:とにかく、めっちゃ楽しかった記憶があります。私も少し緊張していたんですけど、金原さんがずっと楽しい雰囲気でいてくださったので、緊張もほどけました。「やってみて」と言われてやってみたら、「それもいいかも」と言ってくださったり。すごくやりやすかったです。
――「ハグ!」と「KAKUMEI」をパフォーマンスするうえで、どんなことを意識していますか?
森田:「ハグ!」はすごく明るい曲なので、お客さんを巻き込みたいという気持ちがあります。TikTokなどでもいろいろな方に知っていただいている曲でもあるので、「MORE STARってこういうグループだよ」ということを広めたい気持ちでパフォーマンスしています。
遠藤:私も同じような気持ちです。お客さんを巻き込みたいですし、自分たちが楽しんでいる姿を見てもらって、一緒に楽しんでもらえたらいいなと思っています。「KAKUMEI」は、歌詞の意味を思いながら歌っています。一つひとつの言葉が伝わればいいな、伝えたいなという熱量を込めて、みんなでパフォーマンスしています。
■「押し付けのかわいいはやりたくない」それぞれが考える“KAWAII”
――「ハグ!」と「KAKUMEI」はタイプの違う楽曲ですが、どちらもアイドルソングです。木村さんが考える、アイドルソングならではの魅力とは何でしょうか?
木村:どんなテイストの楽曲でもそうなんですけど、アイドルが届けることによって、その楽曲の魅力が伝わるということがすごく大事だと思っています。その楽曲を、アイドルではない人が歌うよりも、「このアイドルが歌ったほうがいい」と思える楽曲。それがアイドルソングのいいところだと思います。
――アイドル自身がその楽曲を理解して、自分たちのものとして表現することも大切そうですね。
木村:KAWAII LAB.では、そこを大事にしています。「これは私たちの曲だ」と思ってもらえるようにしたい。「ハグ!」や「KAKUMEI」もそうですけど、MORE STARの要素がちゃんと入っていて、自分たちの曲として、自分事として発信してくれるのが一番いいなと思っています。MORE STARは特に、「この楽曲をどう表現するか」をメンバー同士で話しているイメージがあります。私から「ここはこう表現したらいいんじゃない?」と言うこともありますけど、メンバー間でしっかり話している。それはすごくいいなと思います。
――金原さんが考えるアイドルソングの魅力はいかがですか?
金原:たくさんありますけど、やっぱり「誰が歌うか」は、僕自身が曲を作るときにもすごく考えています。「この人たちが歌うからいいんだよな」というものが、それぞれの曲にあると思うんです。あとは掛け声のような、アイドル独特の文化もありますよね。自分がアイドル以外のライブを見たときでも、観客として「自分も当事者としてライブに参加している」と思える瞬間ってすごく楽しいので、そういう遊びが多いところも魅力の一つだと思います。
――「KAWAII」というテーマも重要ですよね。
金原:KAWAII LAB.の世界観に関して言えば、「かわいい」という言葉自体がすごく抽象的で、人によって捉え方が違うものだと思うんです。でも、KAWAII LAB.が「かわいい」の概念を広げてくれているような気がしていて。「これがかわいいでしょ」と押し付けるものではなくて、ポジティブに聴けるし、聴いている自分も元気になる。自己肯定感が上がるような、「あなたにとってこれがかわいいなら、それでいいんだよ」と言ってくれているような楽曲が多いと思っています。それは自分自身が体現したいことでもあるので、KAWAII LAB.の楽曲のそういう部分は、すごく魅力だと思います。
木村:うれしいですね。「押し付けのかわいい」は、あまりやりたくないと思っています。「かわいい」という概念の拡張じゃないですけど、そういうことを楽曲を通してKAWAII LAB.ではやっていきたいと思っているので、それがちゃんと伝わっていてうれしいです。
■SNSで何がバズるかわからない時代「いい曲を作ったほうがいい」
――今はSNSをきっかけに、少し前の楽曲が改めてフィーチャーされるなど、ヒットするタイミングも予測しづらくなっています。木村さんは、流行を意識することと、長く愛される楽曲を作ることのバランスをどう考えていますか?
木村:大前提として、愛される楽曲を作るというのが、一番最初に考えなきゃいけないことだと思っています。SNSで回っている楽曲もたくさんあるので、もちろんSNSを意識する部分はあります。でも、それ以上に、曲自体がずっと愛されないとSNSでも回らないと思っていて。まずはいい曲を作る。その中の一つのスパイスとして、「SNSで遊べる箇所を作ってみよう」とか、「ここは楽しそうに見えるな」と考えるぐらいが、自分としてはいいバランスだと思っています。SNSでの見え方は、流行がものすごいスピードで変わっていくので、意識しつつも、意識しすぎない。それよりも、メンバーがSNSでやっているミームなどを見ながら、「このメンバーにはこういう楽しみ方が合うんだ」という相性を見ています。
――特にここ1、2年で変化を感じますか?
木村:全然違うと思います。以前だったら、画角いっぱいに顔をアップにして、手元だけで踊るようなコンテンツが流行っていた時期もありましたけど、全身を使うものがヒットしたり、1年違うだけでも全然違う。画角の使い方一つを取っても、そのときどきで流行が変わっているので、もうその子たちにフィットしたものをやるしかないと思っています。
――金原さんも、そうしたSNSの流行の変化は感じますか?
金原:めちゃくちゃ感じます。ここ1、2年で、縦型のコンテンツもかなり変わったと思いますし、逆に考えれば考えるほど難しくなっているなと思います。もちろん、その瞬間に最大火力でバズってくれたら、そんなにうれしいことはないです。でも、曲として良くないと、その子たちが歌う説得力もなくなるし、結局消費されるだけになってしまうと思うんです。僕は自分の曲を作るときも、どのパートも抜かりなく、絶対に最高のメロディーにしたいと思っています。もともとJ-POPばかり聴いてきたこともあって、歌詞もそうですけど、まずメロディーでつかむということはすごく意識しています。商業的にバズを狙うことと、ちゃんと曲として良くて、この子たちが歌う意味がある曲にすること。そのバランスは、アイドルに限らず自分の曲でもあります。「KAKUMEI」に関しては、「ハグ!」のときよりもMORE STARのことをより知ったうえで作れたので、「この子たちが歌うことで意味がある」という部分の比重がより増した気がしています。
木村:何がバズるかは本当にわからないですよね。狙ってもバズらないし、狙わなかったものがバズったりする。それをここ1、2年ですごく実感したので、「もうわからないなら、いい曲を作ったほうがいい」という考え方になっています。
――「KAKUMEI」まで2曲を一緒に作ってきましたが、今後、MORE STARとどんなことをやってみたいですか?
金原:お願いされる、されないに関係なく、僕はもう作りたいと思っているので、思うがままにデモは送り続けようと思っています(笑)。いろいろなMORE STARを見てみたいんです。バラードまではいかなくても、少ししんみり歌えるような曲があってもいいなと思いますし、作りたい曲は山ほどあります。
木村:ほかのグループにはないMORE STARらしさを、金原さんが作り上げてくださっていると思っていますし、メンバーも金原さんの楽曲がすごく大好きなので、コンスタントにお願いしたい気持ちはあります。ただ、「こういう楽曲じゃなきゃ」という縛りはあまり作りたくなくて、YU'S、金原さんがやりたいことに乗っかっていきたい。逆に、バンドの方だからこそ、すごくポップで、あえてアイドルっぽく振り切った曲を作ったらどうなるんだろうという興味もありますし、しっとりした楽曲もきっとお得意だと思うので、MORE STARがまだやっていないタイプの曲もやってみたいです。これからも自由度高くご一緒したいですね。
――森田さん、遠藤さんは、今後やってみたい楽曲はありますか?
森田:私は本当にバンドサウンドが大好きなので、それをふんだんに入れた、アイドルだけどアイドルっぽくない、ちょっとガールズバンドみたいな曲調もやってみたいです。
遠藤:私は「こういうものがやりたい」というのはあまりわからないんですけど、金原さんがくださるものは絶対にいいものだと思っているので、本当になんでもうれしいです。金原さんが「こういうMORE STARを見たい」と思うものがあるなら、それをやりたいなと思います。
金原:「ガールズバンドっぽい」とか、そういう新鮮さって、めちゃくちゃ大事だと思うんです。今はいろいろなアイドルソングが出ているからこそ、「これっぽい」と言われることも以前より増えた気がしていて。だからこそ、違う形で新鮮に出したいという気持ちはすごくあります。「KAKUMEI」も、ちょっと見たことのないMORE STARを見たいと思って作ったので。これからも、そういう新鮮味を少しでも入れていけたらいいなと思っています。
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■「これしかない!」木村ミサが感じた可能性
――まず、木村さんに伺います。金原さんの音楽のどんなところに魅力を感じて、MORE STARへの楽曲提供をお願いしようと思ったのでしょうか?
木村ミサ(以下、木村):MORE STARを作るときに、KAWAII LAB.の中でも年齢がすごく若いグループになる想定だったので、楽曲を作ってくださる方も、若い世代に刺さっていて、今注目されている方にお願いしたいなと思っていました。そんな中で、当時のYUTORI-SEDAIの楽曲を聴かせていただいて、「MORE STARに合いそう」と思ったのがきっかけです。
――具体的には、どんなところが合うと思ったのでしょうか?
木村:最初にデモをいくつかいただいていて、その中で「ハグ!」のデモを聴いたときに「これしかない!」と思いました。ちょっとリズムゲームっぽい面白さがあったり、自由度の高さがあったり、少しゆるいポップスっぽい雰囲気もあったり。それがMORE STARにすごく合うんじゃないかなって。感覚的にビビッときたのが最初でした。
――金原さん自身は、もともとアイドルソングを作るという発想や引き出しはあったのでしょうか?
金原遼希(以下、金原):もともとあったわけではないです。ただ、AKB48さんなどアイドルの方々の楽曲はすごく好きで、学生時代からずっと聴いていました。「ハグ!」も最初から「アイドルの方に作ろう」と思って作ったデモでもなくて、自分の作っている曲の中で「もうちょっと振り切ったものを作ってみよう」とやった結果、「さすがにちょっと俺はこれ歌えないな」というものができて(笑)。せっかくだから誰かに、ということで送ったのが最初のきっかけでした。もともとKAWAII LAB.の曲も全グループ聴かせてもらっていたので、アイドルの方に楽曲を作るというのは、一つの夢でもありました。なので、すごく幸せです。
木村:私は、アーティストの方に楽曲をお願いするときに、「アイドルソングだからアイドルのトンマナに寄せてください」というよりは、そのアーティスト側のテイストに乗っかりたいと思っているんです。そのバランスが、すごくYU'S(ex.YUTORI-SEDAI)っぽくもあり、ちゃんとアイドルソングにもなっていて。「面白いな」と思いました。
――「ハグ!」も「KAKUMEI」も、打ち込みの要素と生バンドっぽさが共存していて、音の質感が絶妙だと感じました。そのあたりはこだわりだったのでしょうか?
金原:そうですね。もちろん、全然バンドっぽくない曲も作りたいですし、作れると思うんですけど、せっかく一緒にやるなら、このバンド感みたいな部分を残せたら、よりいいんじゃないかなと思って。結構、自我を出したところでもあります。
木村:そこがいいと思っています。
■「ハグ!」から「KAKUMEI」へ バンドサウンドで広がったMORE STARの個性
――改めて、新曲「KAKUMEI」はどんな曲に仕上がったと実感されていますか?
木村:「KAKUMEI」は、MORE STARのイメージがだんだん定まり始めていたタイミングで、さらにそのイメージを確立させるものになったと思っています。もう少しで活動1年を迎えるタイミングでもあり、ここからさらに加速していく、次の未来に進んでいくという思いを見せられたらいいなと思っていました。「KAKUMEI」というタイトルのとおり、MORE STARなりの革命を起こせるような楽曲になったらいいなと思っています。
――森田さん、遠藤さんは、「KAKUMEI」を初めて聴いたとき、どんな印象でしたか?
森田あみ(以下、森田):デモをいただいたときから、「これ、金原さんだ」ってすぐわかりました。アイドルの曲で、こういうバンドサウンドが使われることって、そこまで多くないと思うんですけど、それがMORE STARにすごくハマっているのが、個人的にもすごく好きです。歌詞も、「誰かと比べてまた下を向く日もある」というような、今のMORE STARだからこそ刺さる言葉がすごく多くて。曲調はポップだけど、中身がすごく濃い曲だと思いました。
遠藤まりん(以下、遠藤):楽曲をいただいたときに、金原さんが長文のメッセージをくださったのですが、それがすごくうれしくて。「革命」という言葉はすごく大きいけど、小さな一つひとつの積み重ねが革命につながっていくとか、失敗も成功への道しるべでしかないから大丈夫、というようなことを書いてくださっていて。それがすごく刺さりました。そういう気持ちが込められた「KAKUMEI」だから、これから一つひとつ積み重ねて、失敗も含めて革命を起こしていける曲だなと思いました。
金原:学生時代にアイドルの方にハマっていたときも、ビジュアルだけじゃなくて、その人たちが向き合う姿勢や、裏にあるストーリーを知ったときに、グッとつかまれるものがあったんです。MORE STARにも、それと同じように感じる部分があって。「ハグ!」のときもメッセージは送ったんですけど、その頃より活動を見る機会も増えて、自分の中でMORE STARへの解像度も上がっていたからこそのメッセージだったのかなと思います。
――「ハグ!」と「KAKUMEI」で、制作の進め方に変化はありましたか?
木村:「ハグ!」のときは、まだグループができる前だったので、「こういう子たちがいて、こういうグループにしていきたい」という思いを伝えていました。あとは、リズムゲームっぽい遊びの部分があったので、「こういう見せ方をしたいです」という話もして。でも「KAKUMEI」は、そこまでたくさん会話をしたわけではないんです。それでも、金原さんがMORE STARのことをすごく理解してくださっていて、その解釈が私の解釈とも一致していた。ずっと見てくださっているからこそ、すごくスムーズだったなと思います。
金原:「KAKUMEI」って、すごく大風呂敷を広げたようなタイトルではあるんですけど、「でっかいことを成し遂げよう」ということだけを言いたい曲ではないんです。目の前の幸せをもっと見つめて、ポジティブに生きていこうという気持ちがあって。大きなことを成し遂げるためにも、小さな幸せや成功の積み重ねが必要だと思うんです。それこそ「WITH KAWAII」というコンセプトがある以上、自分たちだけで完結するのではなくて、目の前にいる人と一緒に、ということをすごく考えながら作った曲でした。
――レコーディングでは、どんなコミュニケーションを取っていたのでしょうか?
金原:僕自身も歌に関する悩みで苦しんできたこともあって。精神的なものって歌にすごく出ると思うんです。だから、一個一個細かく言うよりも、まずは思うようにやってほしいし、楽しんでほしいという気持ちが強かったです。その場を楽しくすることがまず一番。その中で、「ここをもうちょっとこうしたら良くない?」ということを少し言うぐらいですね。
――MORE STARのおふたりは、レコーディングを振り返っていかがですか?
森田:久しぶりにお会いしたら、金原さんが私たちの活動のことをすごく知ってくださっていて。それぞれのキャラクターも知ってくださっていました。私の「モリタミ」というハッシュタグも知っていて、「モリタミ節をもっと出していいよ」と言ってくださったり。個性をすごく大事にしながらレコーディングしてくださった印象があります。
遠藤:とにかく、めっちゃ楽しかった記憶があります。私も少し緊張していたんですけど、金原さんがずっと楽しい雰囲気でいてくださったので、緊張もほどけました。「やってみて」と言われてやってみたら、「それもいいかも」と言ってくださったり。すごくやりやすかったです。
――「ハグ!」と「KAKUMEI」をパフォーマンスするうえで、どんなことを意識していますか?
森田:「ハグ!」はすごく明るい曲なので、お客さんを巻き込みたいという気持ちがあります。TikTokなどでもいろいろな方に知っていただいている曲でもあるので、「MORE STARってこういうグループだよ」ということを広めたい気持ちでパフォーマンスしています。
遠藤:私も同じような気持ちです。お客さんを巻き込みたいですし、自分たちが楽しんでいる姿を見てもらって、一緒に楽しんでもらえたらいいなと思っています。「KAKUMEI」は、歌詞の意味を思いながら歌っています。一つひとつの言葉が伝わればいいな、伝えたいなという熱量を込めて、みんなでパフォーマンスしています。
■「押し付けのかわいいはやりたくない」それぞれが考える“KAWAII”
――「ハグ!」と「KAKUMEI」はタイプの違う楽曲ですが、どちらもアイドルソングです。木村さんが考える、アイドルソングならではの魅力とは何でしょうか?
木村:どんなテイストの楽曲でもそうなんですけど、アイドルが届けることによって、その楽曲の魅力が伝わるということがすごく大事だと思っています。その楽曲を、アイドルではない人が歌うよりも、「このアイドルが歌ったほうがいい」と思える楽曲。それがアイドルソングのいいところだと思います。
――アイドル自身がその楽曲を理解して、自分たちのものとして表現することも大切そうですね。
木村:KAWAII LAB.では、そこを大事にしています。「これは私たちの曲だ」と思ってもらえるようにしたい。「ハグ!」や「KAKUMEI」もそうですけど、MORE STARの要素がちゃんと入っていて、自分たちの曲として、自分事として発信してくれるのが一番いいなと思っています。MORE STARは特に、「この楽曲をどう表現するか」をメンバー同士で話しているイメージがあります。私から「ここはこう表現したらいいんじゃない?」と言うこともありますけど、メンバー間でしっかり話している。それはすごくいいなと思います。
――金原さんが考えるアイドルソングの魅力はいかがですか?
金原:たくさんありますけど、やっぱり「誰が歌うか」は、僕自身が曲を作るときにもすごく考えています。「この人たちが歌うからいいんだよな」というものが、それぞれの曲にあると思うんです。あとは掛け声のような、アイドル独特の文化もありますよね。自分がアイドル以外のライブを見たときでも、観客として「自分も当事者としてライブに参加している」と思える瞬間ってすごく楽しいので、そういう遊びが多いところも魅力の一つだと思います。
――「KAWAII」というテーマも重要ですよね。
金原:KAWAII LAB.の世界観に関して言えば、「かわいい」という言葉自体がすごく抽象的で、人によって捉え方が違うものだと思うんです。でも、KAWAII LAB.が「かわいい」の概念を広げてくれているような気がしていて。「これがかわいいでしょ」と押し付けるものではなくて、ポジティブに聴けるし、聴いている自分も元気になる。自己肯定感が上がるような、「あなたにとってこれがかわいいなら、それでいいんだよ」と言ってくれているような楽曲が多いと思っています。それは自分自身が体現したいことでもあるので、KAWAII LAB.の楽曲のそういう部分は、すごく魅力だと思います。
木村:うれしいですね。「押し付けのかわいい」は、あまりやりたくないと思っています。「かわいい」という概念の拡張じゃないですけど、そういうことを楽曲を通してKAWAII LAB.ではやっていきたいと思っているので、それがちゃんと伝わっていてうれしいです。
■SNSで何がバズるかわからない時代「いい曲を作ったほうがいい」
――今はSNSをきっかけに、少し前の楽曲が改めてフィーチャーされるなど、ヒットするタイミングも予測しづらくなっています。木村さんは、流行を意識することと、長く愛される楽曲を作ることのバランスをどう考えていますか?
木村:大前提として、愛される楽曲を作るというのが、一番最初に考えなきゃいけないことだと思っています。SNSで回っている楽曲もたくさんあるので、もちろんSNSを意識する部分はあります。でも、それ以上に、曲自体がずっと愛されないとSNSでも回らないと思っていて。まずはいい曲を作る。その中の一つのスパイスとして、「SNSで遊べる箇所を作ってみよう」とか、「ここは楽しそうに見えるな」と考えるぐらいが、自分としてはいいバランスだと思っています。SNSでの見え方は、流行がものすごいスピードで変わっていくので、意識しつつも、意識しすぎない。それよりも、メンバーがSNSでやっているミームなどを見ながら、「このメンバーにはこういう楽しみ方が合うんだ」という相性を見ています。
――特にここ1、2年で変化を感じますか?
木村:全然違うと思います。以前だったら、画角いっぱいに顔をアップにして、手元だけで踊るようなコンテンツが流行っていた時期もありましたけど、全身を使うものがヒットしたり、1年違うだけでも全然違う。画角の使い方一つを取っても、そのときどきで流行が変わっているので、もうその子たちにフィットしたものをやるしかないと思っています。
――金原さんも、そうしたSNSの流行の変化は感じますか?
金原:めちゃくちゃ感じます。ここ1、2年で、縦型のコンテンツもかなり変わったと思いますし、逆に考えれば考えるほど難しくなっているなと思います。もちろん、その瞬間に最大火力でバズってくれたら、そんなにうれしいことはないです。でも、曲として良くないと、その子たちが歌う説得力もなくなるし、結局消費されるだけになってしまうと思うんです。僕は自分の曲を作るときも、どのパートも抜かりなく、絶対に最高のメロディーにしたいと思っています。もともとJ-POPばかり聴いてきたこともあって、歌詞もそうですけど、まずメロディーでつかむということはすごく意識しています。商業的にバズを狙うことと、ちゃんと曲として良くて、この子たちが歌う意味がある曲にすること。そのバランスは、アイドルに限らず自分の曲でもあります。「KAKUMEI」に関しては、「ハグ!」のときよりもMORE STARのことをより知ったうえで作れたので、「この子たちが歌うことで意味がある」という部分の比重がより増した気がしています。
木村:何がバズるかは本当にわからないですよね。狙ってもバズらないし、狙わなかったものがバズったりする。それをここ1、2年ですごく実感したので、「もうわからないなら、いい曲を作ったほうがいい」という考え方になっています。
――「KAKUMEI」まで2曲を一緒に作ってきましたが、今後、MORE STARとどんなことをやってみたいですか?
金原:お願いされる、されないに関係なく、僕はもう作りたいと思っているので、思うがままにデモは送り続けようと思っています(笑)。いろいろなMORE STARを見てみたいんです。バラードまではいかなくても、少ししんみり歌えるような曲があってもいいなと思いますし、作りたい曲は山ほどあります。
木村:ほかのグループにはないMORE STARらしさを、金原さんが作り上げてくださっていると思っていますし、メンバーも金原さんの楽曲がすごく大好きなので、コンスタントにお願いしたい気持ちはあります。ただ、「こういう楽曲じゃなきゃ」という縛りはあまり作りたくなくて、YU'S、金原さんがやりたいことに乗っかっていきたい。逆に、バンドの方だからこそ、すごくポップで、あえてアイドルっぽく振り切った曲を作ったらどうなるんだろうという興味もありますし、しっとりした楽曲もきっとお得意だと思うので、MORE STARがまだやっていないタイプの曲もやってみたいです。これからも自由度高くご一緒したいですね。
――森田さん、遠藤さんは、今後やってみたい楽曲はありますか?
森田:私は本当にバンドサウンドが大好きなので、それをふんだんに入れた、アイドルだけどアイドルっぽくない、ちょっとガールズバンドみたいな曲調もやってみたいです。
遠藤:私は「こういうものがやりたい」というのはあまりわからないんですけど、金原さんがくださるものは絶対にいいものだと思っているので、本当になんでもうれしいです。金原さんが「こういうMORE STARを見たい」と思うものがあるなら、それをやりたいなと思います。
金原:「ガールズバンドっぽい」とか、そういう新鮮さって、めちゃくちゃ大事だと思うんです。今はいろいろなアイドルソングが出ているからこそ、「これっぽい」と言われることも以前より増えた気がしていて。だからこそ、違う形で新鮮に出したいという気持ちはすごくあります。「KAKUMEI」も、ちょっと見たことのないMORE STARを見たいと思って作ったので。これからも、そういう新鮮味を少しでも入れていけたらいいなと思っています。
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