
球団初のワールドシリーズ連覇を果たし、世界一に輝いたドジャース。今季二刀流復帰を果たした大谷翔平(31)は3年連続4度目のシーズンMVPを受賞、山本由伸(27)は松井秀喜氏以来、日本人2人目となるワールドシリーズMVPに輝いた。
しかしメジャー1年目の佐々木朗希(24)は、シーズン序盤から右肩を痛め、負傷者リスト入りし苦しいシーズンに。それでもリハビリを重ね、終盤のプレーオフにはリリーフとして復帰し、3セーブをおさめるなど再起を遂げた。その復活の裏話や、連覇の裏側、日本人トリオの今季の活躍などをロバーツ監督(53)に聞いた。
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石井大裕TBSアナウンサー:デーブ、おめでとうございます。昨年あなたは、「2年連続(ワールドシリーズ優勝)は非常に難しい」と言っていました。でも成し遂げましたね。
デーブ・ロバーツ監督:私たちはやったよ。長いシーズンだったね。厳しいシーズンでもあった。今年のドジャースを見てみると、スタートは良かったが、けが人が出て、8月や9月はいい状態ではなかった。そして、けが人が戻り、良い形で終えることができた。なので、本当にたくさんの選手の貢献が必要だった。ベテランの選手、若い選手、投手、打者、みんなが一つになった。
石井アナ:(佐々木)朗希投手も大きな力となりましたよね。ポストシーズンの前は彼も苦しんでいましたが、彼をどのようにマネジメントしたんですか?
ロバーツ監督:一番成長した選手を一人か二人選ぶとしたら、朗希とジャスティン・ロブレスキー(25、投手)だね。朗希は今年の序盤、いい投球をしていなかった。メジャーの野球は厳しい。朗希はそれまで苦しんだことがなく、彼は常に一番の投手だったんだ。それで彼は苦しみ、肩の調子も良くなかった(5月13日に負傷者リスト入り)。彼が自信を失っていたのがわかったよ。私としては、彼が調子の悪い時であれ、サポートしなくてはならなかった。それでドジャー・スタジアムでの試合中、朗希がダグアウトの隅で一人でいたときに、私は朗希のところへ行き、肩に腕を回して、「そのままでいい。ポジティブに。試合を見続けて、学ぶんだ。君は必ず力になる。ポジティブであれ」と言った。そして9月になっても、彼は努力をし続けた。朗希が成し遂げたことを見てくれ。プレーオフに活躍できたことで、来年先発復帰することに自信が持てたと思う。
ドジャース連覇の裏側は“オフでも練習”
石井アナ:日本でもワールドシリーズはフィーバーしてたんですよ。2000万人以上が見ていました。
ロバーツ監督:第3戦の(延長)18回になった試合、すみませんでしたね。ほぼ7時間の試合で、長い一日だったね。
石井アナ:私トイレにも行けなかったですもん。でもその試合には勝ったけど、次の2試合(第4戦と第5戦)は負けてしまいましたね。
ロバーツ監督:試合の後、良い感じだったんだけど、とにかく疲れていたんだよね。あの試合で翔平は9度出塁した。彼は翌日登板することになっていたが、疲労困憊だった。キャッチャーのウィル・スミスは18イニングで捕手を務め、翌日もプレーした。彼も疲労困憊だったと思う。それでその後の2試合に敗れた。覚えてるのが、トロントへの飛行機で私は「もし練習したくなければ大丈夫。選択制だ」と言ったことだ。でも全ての選手が、「その選択肢はない。練習したい」って言ってきたんだ。みんな練習したかったんだ。
石井アナ:みんな来たんですか?
ロバーツ監督:みんな来たよ。オフの日にみんなで練習して一つになり、第6戦の準備ができたんだ。
石井アナ:それがドジャース?
ロバーツ監督:それがドジャース。彼らは休みもいらない。練習して努力したかったんだ。それで第6戦で勝てたんだと思うよ。そして第7戦もね。だから、3-0で負けていても私たちはあきらめなかった。戦い続けたんだ。ブレイク・スネル、山本、タイラー・グラスノーなど先発投手をブルペンから出し、ロブレスキーという若手投手さえも使った。出てきた全ての投手が素晴らしい働きをしてくれたよ。
石井アナ:山本投手がワールドシリーズMVPを取り、大谷選手がシーズンMVPを取りました。
ロバーツ監督:私は再び優勝してくれたチームにとても感謝している。ワールドシリーズの後、ムーキー・ベッツが私のところに来て、「3人の日本人選手が私たちのチームに特別なものを加えてくれた」と言った。「彼らは規律を加え、タフさを加え、個性を加え、チームスピリットを加えた」。翔平、山本、朗希の3人すべてがこのチームに大きく貢献した。
石井アナ:今ドジャースは素晴らしいチームですが、来年はすぐですよね。
ロバーツ監督:うん。すぐだね、野球って止まることがないんだ。少しだけのバケーションはあるけど。でもこれは栄誉なんですよ。なぜなら全てのチームが毎年ワールドシリーズ優勝を期待できるわけじゃないですからね。でもドジャースは毎年優勝することが期待されている。なので、プレッシャーではあるけど、最高の組織にいるというのはそういうものだ。
日本人トリオのWBC出場は「私たちはサポートする」
石井アナ:そして3月にはWBCがありますね。
ロバーツ監督:世界にとって楽しみだよね。アメリカとか日本だけでなく、どこにとっても。私たちにはプレーしたいという選手がたくさんいる。なので彼らはタフな決断をしなくてはならない。
石井アナ:全ての国々がドジャースの選手にオファーを出してますよね。どのように思いますか?
ロバーツ監督:素晴らしい経験だね。ドジャースのために自分勝手になると、朗希が投げて負傷して戻ってきたり、山本が前年どれだけ投げたか考え、次のシーズンがあることを考えると、翔平は投手もやるから、選手たちには休んでほしい。しかし、彼ら個人にとって、国にとってWBCがどれだけ大事かということを私たちは理解している。なので、彼らがどんな決断を下しても、私たちはサポートする。
大谷翔平は「来年もMVPを取る」
石井アナ:素晴らしい。日本にとっていいことですね。来年は大谷選手はシーズン頭から二刀流?
ロバーツ監督:翔平の計画では、彼は通常の投手となり、通常の調整を行って2026年に入って行くよ。
石井アナ:大谷選手は常に、よくなろうとしていると思いますが、彼は何をしなくちゃいけないんですか?
ロバーツ監督:私にはわからない。翔平は来年もMVPを取ると思うよ。彼は過去最高の選手になりたいんだ。私は数字の目標は与えないようにしている。彼は自分のパフォーマンスに制限は設けないと思う。彼は常に自分自身と競争しようとしている。彼はただ過去最高の選手になりたいんだ。
石井アナ:大谷選手に聞くと常に「私は数字のことは考えない」って言います。
ロバーツ監督:彼はただプレーしている。「翔平は50本打つだろう」なんて言えないよ。60本打つかもしれないし。彼は上限をつけられることも嫌だと思っている。彼は常に良くなろうとしている。もし私が「150三振奪ってほしい」って言ったら、彼は、「じゃあ200だな」って考える。なので、常に彼にプレーさせていればいいんですよ。
石井アナ:今シーズンの彼の投球をどう感じていますか?エンゼルスの時より良かったですか?
ロバーツ監督:2度目のトミージョン手術からの復帰1年目で、あれだけいい投球を見せたことに私は感銘を受けたよ。来年はさらによくなると思うよ。
石井アナ:球速ですか?
ロバーツ監督:いいえ、コントロール。球速は97、98、100(マイル)とかそのあたりだと思うけど、変化球やスプリット、スライダーのコントロール。次の年はもうリハビリじゃないんだ。彼はルーティンをこなす通常の投手となる。なので来年のパフォーマンスはさらによくなると思う。
石井アナ:素晴らしいです。そして山本投手。彼は今シーズンやってくれましたね。どのように感じましたか?
ロバーツ監督:私には活躍するとわかっていたよ。彼の「眼」を見ていたからね。去年は由伸に関して、非常に注意を払っていた。時に5回、時には6回でマウンドから降ろしていた。しかし、今年は彼をより後押しする必要があった。そして彼の「眼」が私に語りかけてきたんだ。
石井アナ:それで彼ならできると感じたんですね。素晴らしいです。最後に、来年に向けてメッセージをください。ワールドシリーズ3連覇へ、何が必要ですか?
ロバーツ監督:目標はまた努力すること。準備をする。ロサンゼルスという街、日本という国に、またドジャース優勝を届けたい。しかし、全てのチームが私たちの後を追うことになる。でも私たちは準備していくよ。
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