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バレー女子日本代表・北窓絢音 “エースへの挑戦状”「1秒先の未来」のために【実況席から見える世界】

スポーツ
2026-05-21 15:18

バレーボールの世界三大大会のひとつ、ネーションズリーグが6月4日に開幕。予選ラウンド第3週(7月8日~)は男女ともに大阪で開催される。24年大会では主要国際大会で10年ぶりとなる銀メダルを獲得した女子日本代表も、前回は4位と涙を呑んだ。再び表彰台を狙う選手たちの素顔を、自身も中高でバレー部に所属(セッター)し、入社直後の98年から現場取材を重ねてきた、実況のTBS新タ悦男アナウンサーがリポートする(第2回)。


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「チームを勝たせる選手になる」

「今年は石川真佑さんや佐藤淑乃さんと肩を並べられるくらいの選手になりたい。去年は『交代で出られたら』という感じだったが、今年は『私が試合に出て、チームを勝たせる選手になる』というこだわりを持って頑張ります!」


北窓絢音(21、SAGA久光)は、代表エースに向けて、迷いなく言い切る。 挑戦状を叩きつけるようなその言葉は、清々しいほど強かった。


誠英高(山口)時代は春高バレー準優勝。ミドルブロッカーで出場した試合もあれば、U21世界選手権ではリベロも1試合経験。昨年デビューした代表ではライトでもプレー。久光ではアウトサイドヒッター。そのポテンシャルは誰もが認めるところ。ただ自らの殻を破らなければ次の景色は見えない、強い決意がこの1年にはあった。


「25-26シーズンは、まさに私にとって『挑戦の年』でした。自分の課題を見つけること。そして見つけた時にどう解決するか、ミスを怖がらずに上手くいくまでやり抜くこと。そこまでが全部セットで『挑戦』でした」


昨季の代表では出場機会が限られた。北窓はその理由を誰よりも自分で理解していた。そのために立ち向かう壁は高ければ高いほうがいい。逃げずに向き合った時間が彼女を強くした。


SAGA久光・栄が語る北窓「責任感を手放さなかった」

その変化を、最も近くで見てきた選手がいる。 SAGA久光のキャプテン・栄絵里香(35)だ。


「代表で出られなかった悔しさを、久光では“自分が引っ張る”という覚悟に変えていた。代表に戻って試合に出るために、自分がリーグで成長しなきゃいけないんだ!と明確にしてプレーしていた。 苦しい時期もあったけれど、責任感を手放さなかった。 どんな時も全力で『持ってきて!』と呼ぶ“声の強さ”はリーグで一番だった」


“簡単に崩れない力”。 それは北窓が自分と真正面から向き合った証だった。「以前の私は自信がなくて、試合中にも逃げる思考が強かった」。北窓はそう自身を振り返る。しかし今は違う。その変化の背景には、彼女独自の“時間の哲学”がある。


「私は“毎秒毎秒、すべてが後悔”だと思っている。 でも、その後悔を“次はこうしよう”と未来に繋げるのが反省。 そして反省を“どう動くか”に落とし込むのが準備。1秒先は全部未来。良くするのも悪くするのも自分次第。後悔と反省と準備をどう使うのか。自分次第でいくらでも凄くいいものに変えられる。そこが本当に面白い」


未来を恐れない。 むしろ「楽しみしかない」と言い切るその姿勢が、北窓絢音の強さだ。その中で北窓に問うてみる。“北窓絢音”とは?


「『成長を楽しむ人間』。課題も含めて、自分の成長や未来をすごく楽しみにしている。それに向かって、どんなに高い目標を達成しても、『まだまだ足りない』と本当に貪欲にバレーに没頭するのが北窓絢音です」


その言葉には、飾り気がない。 ただ、未来を見据えるまっすぐな眼差しだけがあった。北窓にはどうしても譲れない場所がある。


「アウトサイドヒッターが一番、自分の性格に合っている気がするんです。小さいころから一番輝ける場所だなって。憧れの木村沙織さんも同じ場所で輝いていましたし、そこは絶対に譲りたくない場所。監督にはアウトサイドヒッターとして評価してほしいし、アウトサイドヒッターで『北窓を使いたい』って思ってもらえるようにならなければいけない」
 
積み重ねた1秒の努力を自信に変え、 代表2年目のシーズンへと向かう。まだやるべきことはある。 だが、北窓絢音はその未来を恐れない。1秒先の未来を、自分の手で変えていくために。 その先に広がる景色を、彼女は自分の力でつかみにいく。


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