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世界でたった20人!「ルートセッター」に密着 スポーツクライミングW杯「極秘エリア」の“選手を落とす”過酷舞台裏と安楽宙斗の超大技【ニュースキャスター】

スポーツ
2026-08-15 19:00

スペイン・マドリードで開催されたスポーツクライミングW杯。密着したのは、“選手たちが登る課題”を設計する『ルートセット』の現場だ。選手は本番まで壁を見ることができないため、ルート情報は重要機密。今回、特別な許可を得て、その舞台裏の撮影が実現した。


【写真で見る】撮影許可がおりた“完全非公開”の現場


課題づくりを任されたのは、世界に20人しかいない最高資格を持つ日本人ルートセッター・堀創氏。誰も登れない課題では意味がない。しかし、簡単すぎても世界一は決まらない…わずかなホールドの配置が世界トップ選手の運命を左右する、知られざる世界が見えてきた。


日本人選手が大活躍!スペイン大熱狂のW杯

5月末、スペインで行われたスポーツクライミングW杯で観客が大熱狂!


実況
「登り切った!なんてクレイジーなんだ!」


制限時間内に、壁に設置された課題を“どこまで登れたか”で得点を争う、スポーツクライミングの″ボルダー”競技
指の力を駆使してぶら下がったり、ありえない体勢で体を移動させたり、時にジャンプしたりと、まさに超人的!


ある課題では、同じポイントで選手が次々落ちていくが…実はこれ、偶然ではなく “狙ったもの”!


選手が登る“試合の課題”(壁)をつくる!世界でたった20人の「ルートセッター」

ルートセッターの堀創(ほり・つくる)さん。
彼らは、大小様々な『ホールド』を組み合わせて、“試合の課題”を設計するプロ。 堀さん自身もワールドカップを制した元選手で、ルートセッターとしては、オリンピックも任される世界にわずか20人の最高資格を持つ。
7人のチームをまとめ、大会前から準備を進めてきた。


実は選手たちは 本番で初めて壁を目にするため、ルート情報は最高機密!試合前は警察が厳重に警備するほどだが、そんな中で…。


完全非公開の現場の撮影許可がおりた!

Nキャスは“完全シークレット”の取材に成功。
競技が盛り上がるならと、絶対に立ち入れない裏側の取材がOKに!見えたのは ルート次第で大会の良し悪しが決まるシビアな闘い。


堀創氏
「一番ヤバイのは、誰も登れない課題を作っちゃったりとか。ちょうどいい所(難易度)を突かないといけないのでそれが一番ルートセットの難しいところ」


ホールドが1500個!?クライミング競技の“コース作り”

大会開幕前。堀さんが見せてくれたのは、クライミング競技の“コース作り”のキモ。


堀創氏
「これが今回の大会で使う全部のホールド。1200~1500個くらいある」


重さ20キロ近い大きいものから、指くらいの小さなものまで、さまざま。どれを選び、どう配置するかは難易度に大きく影響する。堀さんと同じく大会のルートセットを担当する水口僚(つかさ)氏は、ホールドの微妙な“厚み”もポイントだと言う。


水口僚氏
「こうやって遠くから見ると、同じようなホールドに見えるが、よく見ると厚みがまず違う。このちょっとの違いで、難易度に差が出てくる」


身長で不公平にならない“絶妙なバランス”

さらにこちら。ホールドの間隔が、2メートル9センチの女子用の課題だが、5センチ縮める微調整をしていた。


堀創氏
「2メートル4センチ」


水口僚氏
「おっ、縮んだ!」


堀創氏
「(縮める前だと)身長の小さい選手はジャンプしないといけないが大きな選手は(ジャンプせず)そのまま届いちゃう」


ーーそれはダメなんですか?


堀創氏
「ちょっと不公平。身長が低いのはどうしようもない。トレーニングのしようがない」


身長や体重で、有利・不利にならないよう考慮した絶妙なバランスで、課題づくりを行うという。


試合中も!選手の状態を見て課題を変更

大会が始まると 堀さんは予選の試合に目を光らせる


堀創氏
「選手の動きだったりとか、どれくらい余裕で登っているか苦戦しているかを見て、準決勝の課題(の難易度)をどれくらい締めるか緩めるかとかを考えている」


深夜2時まで…選手を“落とす”ルートを作る

そして夜9時。翌日の準決勝・決勝に向けた課題の最終調整が進められていた。


堀創氏
「Too Hard(難しすぎる)」


難しいのは、適度に選手をふるい落とさなければならないこと


作ってはテストを繰り返し、ルートセッター達の体力も限界に…!


堀創氏
「選手がやり切れるように。勝っても負けても満足できるような課題を(作りたい)。だから最後まで結構詰めに詰めてやる」


課題の調整が終わった頃には、深夜2時を回っていた。


「片足の親指だけで立つ」課題!堀さんの挑戦にトップ選手たちは…

迎えた翌日! 悩みに悩んだ、選手の命運を左右するポイントを近くで見せてもらった。


堀創氏
「これ大きく見えるが、乗れるのってこの小さいやつだけ」
「本当に片足の親指だけで立つ。それは地面でやるのも難しい。(突破できるのは)3から5人くらい」


そんな堀さんの挑戦を受けて立つのは、24人のトップ選手たち!同じポイントで次々と選手が沈んでいくが、日本の安楽選手は、堀さんの想像を超える動きでこれを突破!


実況
「イチかバチかの勝負に出る!ソラトが行ったー!」


堀創氏
「スペインの選手がゆっくりとバランスを取りながら、僕たちが想定した動きでやっていたが、安楽選手は厚さ1センチもないところに飛んでいる。このリスキーな動きを決め切ったのは、相当すごい!」


結果、ゴールまで辿り着けたのは、見事堀さんの狙い通り『4人』!そして、この大会を制したのは…


実況
「ソラト・アンラク」


堀さんを唸らせた安楽選手が優勝!女子は関川選手が準優勝を飾るなど、日本勢大活躍で幕を閉じた。


堀創氏
「終わりました!プレッシャーから解放された!僕らの想像を超えて、すごいムーブを出してくる選手もいるので、そういうのを見ると凄く嬉しい。ありがとうございます!」


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