神奈川県大和市の保育園について「逆さ吊りや足蹴りなどの暴力や暴言を園長が園児に行っていた」との報告を受けながら、市が立ち入り調査を行わず、虐待に該当するかの判断すらしていなかったことがわかりました。
保育園の関係者Aさん
「足を引っかけて転ばせて、その子が泣いて立ち上がると、また足を引っかけて転ばせて。(逆さ吊りは)その子が泣いていても構わず、長い時は何十秒かやっていた。『ぶっとばす』とか『殴るぞ』とか」
こう話すのは、大和市にある0歳児から2歳児までが通う認可施設「スクルドエンジェル保育園 大和代官園」の関係者です。
これはJNNが独自に入手した内部資料。去年11月、園が市に提出したものです。そこには40代の当時の女性園長が複数の園児に対して暴行や暴言を繰り返していたという職員の証言が…
「園児がお茶をこぼした際、『ぶっとばす』と発言」
「園児を逆さ吊りにして床に置いた後、その上に座り…」
神奈川県大和市の保育園で、園長が複数の園児に暴力や暴言を行っていたという証言。
保育園の関係者Bさん
「(園児が)ご飯を食べているときに羽交い絞めにして、食にあまり興味がない子がいると無理やり手で組んで、スプーンで無理やりやっていた」
JNNが独自に入手した内部資料には、こんな内容も記されています。
「おもちゃを取り上げたうえで、泣きながら取り返そうとする園児を足蹴にし、突き飛ばした」
「園児を事務所の奥に閉じ込め、担任の介入を拒否」
さらに…
「園児を逆さ吊りにして床に置いた後、その上に座りスマートフォンを操作」
関係者に取材すると、園長は逆さ吊りにした後、泣いている子どもを床に置き、「うるせえ」などと言いながら子どもの上に座り、笑いながらスマホを操作していた。子どもは泣きながらもがいていたということです。
関係者は園の中だけでは園長を止められず、葛藤していたと打ち明けます。
保育園の関係者Bさん
「『口を出さないでください』と言ってきた。そういうふうに言いくるめられたら、私が悪いのかと思った」
園の調査に対し、園長は「虐待や不適切保育にはあたらない」と主張したものの、直後に自主退職しました。
大和市はこうした報告を受けながら立ち入り調査に入らず、虐待に該当するかの判断すら行っていませんでした。公表もしていません。また、園も保護者への説明を行っていません。
園児の保護者
「園長(当時)が辞めたのも急だった。理由もなく、理由も聞かされずという感じだった」
取材に対し、市の担当者は「園長がすぐに辞め、再発防止策も示されたことなどから、虐待かどうかの判断もせず事案を終結した。他の案件もあり、手が回らない現状もある」などと答えました。
大和市長はきょうの定例会見で…
大和市 古谷田力 市長
「今回、このような不適切保育があったことは、あってはならないこと。大変重く受け止めている。しっかり公表していくべきだと思う。むしろ積極的に大和市が園に関して指導して、必要であれば市も公表していきたい」
専門家は市の対応をこう批判します。
『保育園を考える親の会』顧問 普光院亜紀さん
「このレベルになるともう虐待なので、監督責任を負っているわけですから、大和市は。大和市が監督しないと、誰もする人はいないので。もっと強く介入していただきたい」
園側とフランチャイズ契約を結んでいる会社は「あってはならない行為で、加盟園で不適切保育が起きたことは非常に遺憾です」などとコメントしています。
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