内閣支持率が低迷しています。苦境に立たされている石破総理ですが、「石破おろし」の声はあまり聞こえてきません。参議院選挙を控えた中で、与党・野党の思惑はどこにあるのでしょうか。
石破政権“三大失態”も絶妙なバランスで運営
井上貴博キャスター:
“石破おろし”の動きについて、“三大失態”とも言える出来事がありました。
▼10万円相当の商品券配布
お金にクリーンなイメージがあった石破氏ですが、10万円相当の商品券を配布していたことへのダメージは大きかったでしょう。
▼方針転換した高額療養費制度
医療費が大変な状況だったりしますが、高額療養費制度に手をつけるのはおかしいのでは、など失望が広がりました。
▼予算審議中に「強力な物価高対策」
審議中に言うのはルール違反ではないかということもあり、内閣支持率は低迷しています。
野党は、夏の参院選で弱体化した石破政権と戦いたいということで、あまり表だった動きが見られません。
本来であれば、内閣が弱体化すると野党は倒しにいくものですが、絶妙なバランスで、そうではいかないという状況です。
肉乃小路ニクヨさん:
アメリカがトランプ大統領に変わってから、大変な交渉などをしなければいけない状況で、弱体化した(石破)政権でいいものなのか、すごく考えますよね。
党利党略ばかり考えているのでは、と思って心配になります。皆さん、物価高や関税などで困っていますよね。
出水麻衣キャスター:
流れがきかけたようにも見えましたが、いまは様子見ムードが漂っているように見えます。
自民党内では「誰もやりたくない」“石破おろし”しないワケ
井上キャスター:
これまでと何か違う絶妙なバランスで石破政権が成り立っているのは、どういうことなのでしょうか。一時、自民党内で“石破おろし”の声が聞こえてきたような気もします。
TBS政治部デスク 室井祐作 記者:
しばらく取材していますが、商品券問題が出てきたとき「これはまずい」「石破おろしが起きるのではないか」「この政権、危ないのではないか」と思い、相当なダメージだったとみられます。
ただ、“石破おろし”が表だって出てきていない、広がりに欠いているというのが正しい見方なのかもしれませんが、そういう状況です。
自民党内で“石破おろし”をしない理由は、大きく二つあると思います。
一つ目ですが、「誰もやりたくない」ということです。
少数与党のため、非常に政権が不安定な状況です。このまま新しい総理になったとしても、支持率が上がるかどうかわからない、参院選も勝てるかどうかわからない。そうすると短命に終わるかもしれません。
石破氏と総裁選を戦った人たちは、今は様子見で、及び腰の状況です。
井上キャスター:
火中の栗をとりに行く人がいなさそうだという感じがします。
前回の総裁選に出た人たちの発言は、石破氏の批判をしても、何か一歩踏み込んだ発言はしないという感じです。
経済評論家 加谷珪一さん:
明らかに腰が引けています。永田町というのは不思議なところで、岸田政権のときもそうでしたが、なる人がいないと政権が持ってしまうところがあります。
石破氏は、いま、すごい元気だとも聞きましたが、本当なのでしょうか。
TBS政治部デスク 室井祐作 記者:
石破氏は貴重なきっかけで、総理になれました。なので、そう簡単におりそうもないというのが正直なところです。
井上キャスター:
(前回の総裁選では)高市氏、小泉氏、小林氏などがいて、かなり得票率も高かった人たちもいましたよね。
肉乃小路ニクヨさん:
2024年9月の総裁選で人材が豊富にいることを示したのに、そういう人たちが出てきていません。
リスクを取りたくないのはわかりますが、このままだと小泉進次郎氏のお父さんではありませんが、自民党がぶっ壊れるのではないかという感じになっていますよね。
“核となる人”がいない 問題が歴代政権にも飛び火?
TBS政治部デスク 室井祐作 記者:
自民党内で“石破おろし”をしない二つ目の理由は、「中核人物の不在」です。
参院選の改選組、つまり次の選挙に出ようとしている人から、特に参院議員側から、総理を変えるべきではないかという声は一部で上がりましたが、広がりには欠けているような状況です。
“石破おろし”をするには、ある程度まとまった“核となる人”が必要だからです。その核になり得たのが、安倍派の元幹部たちです。
もともと安倍晋三氏と石破茂氏は、折り合いが悪かったこともあり、安倍派の中には石破氏を嫌う傾向にある人たちが比較的多いこともあります。
しかし、その安倍派の人たちは、裏金問題で表だって動きづらいという状況です。
さらに、中核になり得たのは、岸田前総理、茂木前幹事長、麻生最高顧問のような前政権の幹部の人たちです。「三頭政治」とも呼ばれ、非常に結束が強く、いまも夜の会食などを定期的にやっているくらいです。
ところが、商品券問題が岸田氏にまで飛び火をしてしまいました。
歴代政権も商品券問題を慣習的にやっているのでは、という疑惑が持たれる中で、石破氏をなかなか攻められなかったと言えると思います。
よって、“石破おろし”の中核になり得る人たちの不在ということも、今回、起きなかった理由の一つではないかと思います。
井上キャスター:
自民党の参院議員からすると、夏に選挙があるので、そんなことを言っていられない、自分たちが当選できるかというところでしょう。
経済評論家 加谷珪一さん:
参院選を抱えている人からすると、何とかしてくれ、となると思います。
一方、選挙結果がどうなるのかで、今後の政局も変わるので様子見したいという気持ちもあって、国民は置いてけぼりかなという感じはします。
出水キャスター:
野党も、夏の選挙に向けて次の公約ばかりに注力しているように見えます。
「政治とカネ」の問題で、いろいろ不信感があるのに、追及しようとしない姿勢に少し不安があると思います。追及すべきところは、このタイミングでやってほしいですね。
肉乃小路ニクヨさん:
トランプ氏と直接交渉したくないというか、矢面に立ちたくない気持ちもあるのではないかと思いました。
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<プロフィール>
室井祐作
TBS報道局政治部デスク 元官邸キャップ
過去、石破氏の番記者を担当
加谷珪一さん
経済評論家 元日経BP記者 著書に「貧乏国ニッポン」
中央省庁などへのコンサルティング業務も
肉乃小路ニクヨさん
ニューレディー
銀行・保険会社など金融業界でキャリアを積む
独自の視点で経済・お金・人生観を語る
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