
車の排ガスでぜんそくなどを発症したとして、患者およそ160人が国と自動車メーカーに賠償を求めた申し立てについて、国の「公害等調整委員会」は申し立てを退けました。
この申し立ては、ぜんそくなどの患者およそ160人が1970年代後半からの車の排ガスによる大気汚染によってぜんそくなどを発症したにもかかわらず、「救済措置が不十分だ」として、国と自動車メーカー7社に対し、1人あたり100万円の賠償を求めたものです。
申し立てを受けて、双方の意見を聞く「審問」などを行ってきた国の「公害等調整委員会」は、今月2日の「裁定」で患者の申し立てを退けました。
「裁定」によりますと、1975年以降の大気汚染の状況については「患者らがいた地域では病気を発症したり、悪化させる危険な状況にあったとは認められない」と指摘。
さらに、国の排ガス規制についても、「著しく合理性に欠けたとまでは言えず、メーカーの製造・販売は不法行為に該当しない」として、国と自動車メーカーの賠償責任を認めませんでした。
この日、記者会見を開いた患者らは「ぜんそくを発病した患者は、発作が起きるたびに死を覚悟するようなつらい思いをしてきた」と話し、今後、民事裁判を起こすと明らかにしました。
「公害等調整委員会」は大気汚染や土壌汚染などの公害に関する紛争を処理する国の機関で、賠償責任や因果関係について、法的な判断をする「裁定」で紛争の解決にあたっています。
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