小泉進次郎議員の陣営による“称賛やらせ投稿”問題。週末を挟んで火消しどころか、問題点を指摘する声が広がっています。権力側から世論誘導が行われることの危険性を考えます。
“やらせ投稿”問題 各候補、表立った批判せず…
29日朝、自民党本部を訪れた林氏。党職員らに自らの支持を訴えました。
各陣営とも「党員票」の積み上げに向けて精力的にあいさつ回りや視察を実施。
茂木氏は沖縄県那覇市の自衛隊基地へ。
茂木敏充 前自民党幹事長(69)
「日本の平和、これはですね、自衛隊の皆さんのたゆまざる努力によって保たれていると実感した」
また、小林氏は理学療法士協会を訪問したほか、高市氏は都内の医療機関に、小泉氏も老人ホームを視察し、職員らと意見を交わしました。
また、週末には揃ってネットの討論会に臨み議論を交わしました。司会者からは、こんな質問も。
ひろゆき氏
「自分以外で、自分に投票しないでくださいね。この人が総理大臣になってほしいと思う人を指さしてもらいたい」
戸惑いが広がるなか、林氏から“ある提案”が。
林芳正 官房長官(64)
「目をつむってやりませんか」
考え込むこと約1分。林氏だけが左隣の茂木氏を1回、そして2回指さします。これに茂木氏は笑顔。
こうしたなか、前半戦は国会議員票でリードしていた小泉氏の陣営による、動画配信サイトへのコメント投稿要請問題が尾を引いています。
小泉進次郎 農水大臣(44)
「最後の責任は私にあります。しっかりとこれからも説明責任を尽くしていきたいと思います」
候補者たちは…
小林鷹之 元経済安保担当大臣(50)
「(小泉氏も)謝罪をされていますし、再発防止に努めると言っていますので、私自身はこの総裁選自身は『One自民』ということで 、より建設的な議論を交わす場にできたらなと」
茂木敏充 前自民党幹事長(69)
「ご自身がやったわけじゃないですけど、きちんと『責任を感じる』という話もされていますので、それはそれでみんなフェアにですね、この『One自民』でやっていきたい」
林芳正 官房長官(64)
「おそらく放っておいても、そういう(好意的な)コメントは出ていたと思って、ちょっともったいない感じだった。責任をとって謝罪すると、これリーダーとしては、あるべき姿だと私は思いました」
高市早苗 前経済安保担当大臣(64)
「もう、左(林氏)に同じということで、同じ意見でございます。(Q.当事者として隣〔小泉氏〕にちょっと…)…見つめ合ってどうする」
揃って、表立った批判はせず、やり過ごそうとの姿勢が見え隠れするなか、翌日の討論会では、高校生からこんな厳しい質問がありました。
高校生
「この件は『言論の自由』や『選挙の公正さ』に関わり、民主主義を揺るがしかねない事態だと考えます」
小泉進次郎 農水大臣(44)
「再発防止に努め、最後まで緊張感を持って臨みたいと思います。『表現の自由』、これは尊重されるべきだと思いますので、その規制については、最小限であるべきだという立場です」
突如浮上した“ステマ”疑惑に、街の人は…
70代
「(他候補も)あるんじゃないかなと思います。取り上げられてないだけで」
40代
「『ごめんなさい』と言うことに終始して、何でそれをやったかとか、何でそれをやっていいと思ったのかについて全然触れないし。自民党の中の同じ候補者の中でも、そこに突っ込まないみたいなところが、すごく気持ち悪く感じています」
この問題が後半戦にどう影響するのか、党内からはさまざまな見方が漏れてきます。
他陣営の議員
「今のところ、そこまで影響を感じないが、後から効いてくるかもしれないな」
中堅議員
「心なしか、他の候補者にも勢いが出てきた感じがある。潮目が変わる可能性が出てきた」
投開票まであと5日、神経戦が続きます。
専門家「政治活動での『ステマ行為』は世論操作が起きかねない」
井上貴博キャスター:
総裁公選規程(選挙運動等)第十二条2には「何人も、選挙の清潔、明朗及び公正を害する行為を行ってはならない」と書かれています。
今回のステマ問題は、公正さを欠いているということは間違いありません。
TBSスペシャルコメンテーターの星浩氏は「依頼したのが元デジタル担当大臣だった事が深刻。“小泉人気は作られたものなのでは?”という疑惑すら生まれる。この手法が“自民党全体でも使われていたのでは”という疑いも出てくる」と指摘します。
出水麻衣キャスター:
野党はどのように考えているのでしょうか。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「何となく無かったことにしようという空気が、今出てきていますね。自民党全体にマイナスだから。『解党的出直し』と言っているんだったら、ネットの活用についておかしな点、不適切な点があるんだったら、それをきちんと改革するようにしていかなければいけないのではないか」
立憲民主党の野田代表は28日、この問題の扱いについて、小泉陣営に限定するのではなく、自民党に実態を調査するよう求めました。
また、国民民主党の玉木代表も自身のXで、「国政選挙でも自民党はステマを行っているのではないかと疑わざるを得なくなる。他党や他党の候補にも同様の工作を行っていても不思議ではない」と指摘しています。
出水キャスター:
実際、どのような工作が依頼されていたのでしょうか。
“やらせ投稿”を書き込むよう要請していた牧島事務所が送ったメールの冒頭には、「ネガティブコメント一色になると、ネガティブで埋もれてしまいますので、ポジティブなご意見を【早い段階から】コメントしていただけると幸いです!」と書かれています。
小泉陣営にプラスになるように働きかけたかったということだと思いますが、リスク管理に詳しい桜美林大学の西山守准教授は、「政治活動における『ステマ行為』は世論操作が起きかねない。世論誘導は有権者の権利にマイナスで民意を損なう問題行為だ」としています。
井上キャスター:
テレビももちろん民間企業が、ステルスマーケティングに大変厳しい中で、「自民党はこういう認識なんだ」と本当に愕然としました。
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