10月1日から東京都が「無痛分娩」をした都民に最大10万円を助成します。東京都から、ほかの自治体へ広がるのでしょうか。
東京都では約6割が「無痛分娩を希望」も…
出水麻衣キャスター:
10月1日から東京都が「無痛分娩」をした都民に最大10万円を助成します。
助成の対象となるのは、
▼東京都が公表している「対象医療機関」で10月1日以降に出産した都民
▼都内の自治体で妊娠の届け出をしている
▼母子健康手帳の交付を受けている
などの要件を満たす人です。
東京都福祉局の調査によると、「無痛分娩」を、▼希望しない人が36%、▼無痛分娩をした人が35.8%、▼希望があったが断念した人が28.1%と、6割以上は無痛分娩を希望しているということです。
無痛分娩の割合をみると、日本は13.8%(※2024年 日本産婦人科医会)となるなか、アメリカは7割以上、フランスは8割以上(※日本産科麻酔学会)となっています。
さまざまな議論はありますが、助成金は助かるという人も多いかもしれません。
「選択肢を広げていくべき」背景にある地域差や固定概念
なぜ日本では無痛分娩が普及しないのでしょうか。以下のような見方があります。
▼「痛くて当たり前」など日本に根付いている“固定概念”
(※しもむら産婦人科 下村修医師によると)
▼専任の麻酔科医、施設不足
東京都122か所
青森・香川など1か所
▼自己負担額が多い
都内の“ある病院”では自然分娩よりも費用が約20万円高い
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
選択肢が広がるという意味では大賛成です。妊娠・出産、どのように出産するかというのは、男女ともに大事な人生の選択です。
金銭的な面で選択肢が狭められないようになるのはとてもいいと思います。
井上貴博キャスター:
無痛分娩を選択したい人が多い一方、「本当に無痛でいいのか」と言う人もいます。
また、東京都は財政的にできますが、地域差がすごくあるので、どうギャップを埋めていくのか。麻酔科医が少ないなど課題を一つひとつクリアして、選択肢を広げていくべきだと思います。
高柳光希キャスター:
人生の選択・決断をするときに、パートナーが決断する選択肢が増えることは大事です。
社会に「お腹を痛めて産んだ子だから」という考えがあることが「良し」とされていることに違和感を覚えなければいけないと思いました。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
無痛分娩も自然分娩もリスクがありますから、それをきちんと考えるという選択肢だと思います。
自然分娩と違う処置・薬剤 リスクも
出水キャスター:
15年前から無痛分娩を行っている「杉山産婦人科」に、リスクなどを聞きました。
杉山産婦人科 世田谷の笠原慶充院長は「今まで費用面で(無痛分娩を)考えてこられなかった方が、無痛分娩を選択することができる。分娩方法を選ぶことができる。
自然分娩では行ってこなかった処置や薬剤が入ってくる形にはなるので、そういったところのトラブルをしっかり検知できること。適切な対応ができることという意味では、医療機関側の負担も増えてくるかなとは思います」としています。
▼担当医と相談すること、▼施設が整っているか調べることも大事だということです。
茨城・取手市も最大10万円の助成
出水キャスター:
東京都から始まった助成金、広がりを見せています。
茨城・取手市でも10月1日から、対象者を4月1日以降に誕生の子まで遡って、10万円を支給するという助成金の取り組みが始まります。
取手市こども政策課担当者は「今年度の事業なので公平性を保つため、今年度に誕生した子は全て対象になる」としています。
東京都から全国に広がり、いろいろな選択肢を提示してほしいと思います。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶応義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMia(イミア)」主宰
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