なかなか理解がされにくい、子どもの「生理の悩み」。
医療や学校など様々な現場で、解決に向けて動き出した人たちを取材しました。
【写真を見る】女子中高生たちが男子校で行った「生理の授業」の様子
女子中高生が“先生”に 「生理の授業」で伝えたいコト
山形純菜キャスター:
生理についての“出前授業”を行ったのは「先生」ではなく、「女子中高生」でした。
実体験を自分たちの言葉で伝えることによって、教科書で学ぶものとはまた違った生理への向き合い方が男子生徒もできたようです。
「お姉ちゃんにホットミルクを作ってあげられたらなと」「放っておいてほしい人もいるかと思うので、そういう所も気を付けたい」と、知識だけではなく、相手への思いやりも学んだということです。
“出前授業”を行っている、品川女子学院の有志団体の代表は、「生理についてだけでなく、周りに思いやりを持てる、一緒に歩めるような社会になってほしい」と話しています。
井上貴博キャスター:
私は中高6年間男子校だったのですが、しっかりとした性教育を受けた記憶はあまりないので、このような取り組みは本当に素晴らしいことだなと思います。
昔からずっと思っていたのですが、女性の問題こそ、男性がもっと知るべきだと思います。
中学生~高校生くらいになると、どうしても触れることができないようなものになってしまって、「触れちゃいけないんだよな」などといった意識にどうしてもなってしまいます。幼少期にこういうことを学んでいれば、そういうような壁がなくなると思います。
これはきっと女性の問題だけではなくて、男性の問題やLGBTQに関しても、そういうことをみんなで知っていかないと、世の中は本当の意味で変わらないですよね。
タレント・プロゴルファー 東尾理子さん:
今、小学校で男女を分けて月経教育をするのがスタンダードになっているので、最初から「男子は知らなくていいものだ」というメッセージも伝えてしまっていると思います。
出水麻衣キャスター:
心に壁が作られる前に、こういう情報に出会うということがいかに大切かということですよね。
「学校で困った経験」8割超 生理への理解をどう進める?
山形キャスター:
生理についての理解を深めようという取り組みは行われていますが、小中学生を対象に行った調査によると、「生理中、学校で困った経験がある」と答えた人が83.5%、「ない」と答えた人が16.5%でした。(「ニフティキッズ」小中学生を中心とした調査 有効回答数:3341件)
では、どう対処したのかと言いますと…
【学校で“困った”をどう対処した?】(複数選択)
1位:我慢した(51.5%)
2位:友達に相談(36.2%)
3位:保健室へ(27.9%)
こういった学校での生理への不安解消や理解のために、東尾理子さんも取り組みを行っています。
東尾さんが代表を務めるNPO法人「TGP」では、学校に無料の生理用ナプキンを設置しています。緊急用のためだけではなく、「健康・人生設計に重要な“月経教育”を、できるだけ早い段階で子どもたちへ届けたい」という思いがあるそうです。
生理に関する“豆知識”もナプキンを設置している箱に書かれており、例えば、「最初の生理は毎月来なくても大丈夫。何年もかけて整うから心配ないよ」といった一言も添えられているということです。
東尾理子さん:
正しい知識を伝えることも大切だと思っています。今、全国の小学校・中学校・高校・大学の女子トイレに設置することを目指して行っていますが、やはり子どもにとって、いざというときにナプキンがないのが本当に不安で、何かあったら我慢するとか、交換しないということで、それが「月経困難症」という感染症に繋がっていったり、何か体のサインがあるかもしれないのを見過ごしたりすることもあります。いざというときに安心して学校生活を過ごせるように、女子トイレの個室の中に置いています。
保健室には置いてありますが、お手洗いに行ったときに、毎回学年に合わせた月経教育のメッセージを目にすることで、自分の体を大切にして、周りにも優しくなってほしいなと思って届けています。
出水キャスター:
学生からはどんなフィードバックがありますか?
東尾理子さん:
「本当に助かります」「本当にありがとうございます」と言ってくれるので嬉しいです。
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<プロフィール>
東尾理子さん
タレント・プロゴルファー
フロリダ大学卒業
3児の母
不妊治療の経験を積極的に発信
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