2024年の子どもの出生数は、明治時代の1899年以降で過去最少になっています。
今回の衆議院選挙での争点のひとつである、「子育て支援」についての各党の訴えを比較しました。
親の就労の有無を問わない「こども誰でも通園制度」に期待
高柳光希キャスター:
取材をしてみると、子育て世帯からは経済面の対策を期待する声や、住む自治体によって子育て支援策に差がある状態を指摘する声が多かったようです。
そこで、子育て支援で期待されているのが「こども誰でも通園制度」というものです。
【こども誰でも通園制度】
▼親の就労有無を問わず保育園など利用可能
▼対象:0歳6か月~満3歳未満の未就園児
▼利用可能時間:子ども1人あたり原則10時間/月
▼利用料:1時間あたり300円程度
国が保育施設側に支払う補助金は、1人につき1時間あたり、▼0歳児は1700円、▼1・2歳児 1400円(2026年度)となっています。
お笑い芸人 令和ロマン 松井ケムリさん:
就労有無にかかわらず、「子どもに社会性を持たせてあげたい」ということで、早いうちから保育園に入れたいと思う親もいると思うので、こういった制度はすごく助かるだろうと思います。ただ、月10時間という利用可能時間は少し短いかもしれませんね。
“財源”一人当たり平均200~550円 医療保険料に上乗せして徴収
高柳キャスター:
こうした対策にも財源が必要になりますが、「こども誰でも通園制度」はどのようになっているのでしょうか。
「こども誰でも通園制度」は、2026年度の予算案として349億円が組まれています。
こども家庭庁の資料によると、その内訳は、▼子ども・子育て支援金が全体の半分、▼国が全体の4分の1、▼都道府県と市町村が全体の8分の1となっています。
全体の半分をまかなう「子ども・子育て支援金」とは、どういうものなのですか。
TBS社会部・長谷川美波 記者:
「子ども・子育て支援金」は、“社会全体で子どもを支える”という考え方から、医療保険料に上乗せして少子化対策の財源を徴収するものです。
この制度は2026年4月に始まる予定で、5月以降に平均で月200円~550円を徴収されることになっています。ただ、金額は一人ひとり異なり、200円以下の人がいたり、550円を超える人がいたりします。
【子ども・子育て支援金】
・少子化対策の財源として医療保険料に上乗せして徴収
・2026年5月以降 平均200~550円/月(加入保険と所得による)
「子ども・子育て支援金」使い道に“独身税”の声も
高柳キャスター:
「子ども・子育て支援金」は、「こども誰でも通園制度」以外では以下のようなものに使われるといいます。
【子ども・子育て支援金の使い道】
<児童手当の拡充>
●所得制限の撤廃
●高校生まで延長など
<妊婦10万円給付>
●妊娠・出産時に合計10万円給付
<育休手取り10割>
●両親が育休取得で手取りを10割相当支給 など
TBS社会部・長谷川美波 記者:
さまざまな支援がありますが、恩恵が子育て世代に集中し、独身は恩恵が受けられないということで、SNSを中心に“独身税”と揶揄する声も出ています。
しかし、独身の人だけが払うというわけではありません。
衆院選「子育て支援」各党の主張は?
高柳キャスター:
各党の子育て支援に関する主な政策は、以下のようになっています。
【主な子育て支援】※衆院選公約などより
●自民「『こども誰でも通園制度』本格実施」
●維新「18歳まで医療費無償化」
●中道「18歳までの児童手当増額・児童扶養控除創設など検討」
●国民「高校まで教育費完全無償化」
●共産「高校卒業まで医療費無償化」
●れいわ「子ども手当一律 月3万円」
●参政「15歳まで月10万円の教育給付金」
●ゆうこく「教育資源の倍増を目指す」
●保守「出産育児一時金の引き上げ」
●社民「大学まで教育無償化」
●みらい「子どもの数に応じ所得税率引き下げ」
井上貴博キャスター:
これまでシルバー民主主義といわれていた部分を、次の世代に向けて変えていくことは重要だと思います。
一方で、単なる“バラマキ”だけでは解決しない問題で、働きやすさの確保や非正規雇用の不安定さの解消、保育士の待遇改善など、やることはたくさんあるので、ひとつの支援では解決が難しいように思います。
お笑い芸人 令和ロマン 松井ケムリさん:
若い世代が子どもを作りづらいと感じる背景には、もちろんお金の面もあると思います。
一方で、子育てにリソースを割くことで、収入が下がってしまうというようなジレンマの中にもいると思います。
「こども誰でも通園制度」は他の制度とは違い、“時間を作る”という部分に重きを置いた支援だと思うので注目したいです。
“支え合いの循環”には課題も多々
高柳キャスター:
こども家庭庁は、「現役世代が将来、高齢者となった時に社会を支える若い世代を育むという循環を維持するという点から、支援金制度は全ての人にメリットがある」と、支え合いの循環として、すべての人にメリットがあるとしています。
また、「社会保険料の伸びを抑えた範囲で徴収するため、実質的な負担は生じない」とも説明しています。
TBS社会部・長谷川美波 記者:
こうした仕組みを続けていくには、今後も社会保険料の伸びを抑え続けていく必要があります。
そのためには、例えば高齢者の医療費の窓口負担や介護サービスを利用するときの自己負担の見直しなど、難しい議論が続くことになります。
ただ、すでに高額になっている社会保険料に上乗せして徴収することに反対の声も出ていて、国民民主党などは今回の選挙で廃止を主張しています。
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<プロフィール>
長谷川美波
TBS社会部 厚生労働省担当
医療や介護の分野などを取材
令和ロマン 松井ケムリさん
お笑い芸人 1993年生まれ 慶應義塾大学法学部卒業
M-1グランプリ2023・2024 史上初の連覇達成
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