AIで1枚の写真を映画のワンシーンのような動画に生成することができます。精巧に作られた生成AIは、フェイクと気づかずに拡散してしまうおそれも。こうしたAI動画の制作現場を取材しました。
進化する生成AI「フェイク動画」で改変やねつ造も
SNSに投稿された、この動画。実は、完全な「フェイク動画」です。
よく見ると、野田氏の頭が動いているのに、後ろの影は動いていません。
さらに、斉藤氏の頭がテロップに重なっているなど、不自然な点がいくつも。
今、こうした生成AIを活用した改変やねつ造がSNSに溢れかえっています。「生成AI動画」はどのように作られているのでしょうか?
『We Are the World』を歌うのはアメリカのトランプ大統領。その次には…
ロシアのプーチン大統領も熱唱。この動画も生成AIで作られたものです。
作成したのは、AI動画クリエイターの青山大翔さん。人気のある政治家などをテーマに生成AIで動画を作成し、YouTubeで配信しています。
AI動画クリエイター 青山大翔さん
「今はちょっと勉強すれば、誰でもフェイク画像も作れてしまうのが現実」
配信を始めたのは、去年7月。参議院選挙のネットでの盛り上がりを機に、政治家の動画に着目したといいます。
青山さん
「政治家ってある程度パブリシティ権がある。貶めるようなことはよくないと思っているんですけど、意思とか意見とか逆にわかりやすく解説してみたり、そういった活用であればいいんじゃないかなと」
作成方法はネットで調べて独学したという青山さん。どのように作っているのでしょうか。
写真1枚で動画を 制作現場を取材
撮影したのは、取材した室谷記者の写真。この写真が1枚あれば、動画が作れてしまうといいます。
青山さん
「『侍っぽい映画で活躍していて、まるで戦国で戦をしているかのような写真を作ってください』と、プロンプトという指示文を打ってあげる」
こうしてできた「侍」をイメージした4枚の画像。この画像に、先ほどの記者の写真を読み込ませると…
30秒ほどで新しい画像が完成。イメージ通りの画像ができるまで繰り返し、次はその画像をもとに、1カットずつ動画にするよう指示していきます。
こうした作業を繰り返し、音楽も全てAIで作成。約4時間かけてできあがりました。
政治家を事前にリサーチした上で、見た人が現実と混同しないよう、明らかなフェイク動画しか作らないという青山さん。AI動画の危険性も感じているといいます。
青山さん
「倫理観を持っていない人が少し勉強して、嘘のフェイクニュースをどんどん流そうという目的を持てば、いくらでも流していけるので、本当に視聴者は気をつけないといけない」
AIによるフェイク動画をどう見抜けばよいのでしょうか。
フェイク動画をAIが見破る時代 私たちにできることは?
2つ並んだ映像。一方が実際の映像で、もう一方が生成AIで作成したフェイク動画です。一見、見分けがつきませんが…
国立情報学研究所 越前功教授
「生成AI製であれば、赤い枠がつくようになっています。自動的に、これはリアルな顔ですよ、これはフェイクの生成AI製の顔ですよ、と識別してくれる」
一体、どうやって判別しているのか?
実は、AIに「リアルな画像」と「生成AIで作った画像」を大量に学習させることで、AIが「リアルな画像」か「生成AIが作った画像」かを判別しているのです。
AIがフェイク動画をつくり、AIがそれを見破る、そんな時代。一方で、越前教授は最終的には、人間の判断が大切だと話します。
越前 教授
「ソーシャルメディア以外の、きちんと新聞やテレビとかファクトチェック団体のファクトチェックの結果を見ながら、真偽をユーザー自身が検証していくというのが極めて大事」
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