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訪日客の困りごと1位は“ゴミ箱不足”、喫煙者の96%は“喫煙所不足”にも不満「ルールを遵守するための設備が欠如している」

国内
2026-02-20 09:10
訪日客の困りごと1位は“ゴミ箱不足”、喫煙者の96%は“喫煙所不足”にも不満「ルールを遵守するための設備が欠如している」
訪日観光客の困りごととは?(写真はイメージ)
 春節期に入り、中国からの団体客は減少傾向にある一方、個人旅行者は依然として街を訪れ、また多様な国々から来日する人も増加傾向だ。そんな中、『地球の歩き方』が運営する多言語サイト『GOOD LUCK TRIP』が「訪日旅行中に困ったこと」を調査。1位が「ゴミ箱不足」となったほか、Wi-Fi環境、喫煙環境にも課題が残ることが明らかに。今こそ改善が求められる、街に潜む諸問題を検証する。

【調査】日本人も困るよね…訪日観光客の困りごと

■観光スポットや移動、街歩き…あらゆる動線で明らかになったゴミ問題

 『地球の歩き方』が運営する多言語サイト『GOOD LUCK TRIP』は、直近10年以内に日本を訪れたことのある海外在住者1,163人を対象に、「訪日旅行中に困ったこと」を調査した。その結果、1位は「ゴミ箱の少なさ・場所のわかりにくさ」(86.4%)。前回調査(2023年6月)では2位だったが、今回は行動途中の“処理できない不便”が際立つ形になった。

 困った場所として最も多かったのは、「屋内がメインの観光スポット」(81.8%)、次いで「屋外がメインの観光スポット」(81.4%)。城や寺、レジャー施設など観光の中核となる屋内外のスポットで困るケースが多く、買い物施設内も70%を超えた。また、駅・空港(64.9%)、街中(60.8%)など、街歩きや移動の動線上でも捨て場所に困る実態が見えてきた。

 『GOOD LUCK TRIP』担当ディレクターの山崎宏之氏は、ゴミ箱不足が訪日客に重くのしかかる理由について、「持ち帰る家がない旅行者にとって、捨てる場所がないことは“解決策のない詰み”の状態です。日本人は自宅へ持ち帰るなど対処ができますが、旅行者にはそれができません」と語る。購入・飲食・移動を繰り返す訪日旅行者にとって、街のあらゆる地点で“ゴミを片づけられない”ことはストレスとなり、回避策も見つけられない。山崎氏は、訪日客数の回復によりこうした不便が再び表面化していると見る。

 一方、「Wi-Fi環境」(80.1%)は依然として上位ではあるものの、前回の1位からは順位を下げた。「モバイルWi-FiやeSIMの活用で、“自己解決できる時代”に。困る人はいますが、訪日客の多くにとって想定内の不便になっています」(山崎氏)。

 そして、今回あらためて注目されたのが喫煙環境の不足である。全体では41.1%が「喫煙できる場所の少なさ・わかりにくさ」を挙げたが、喫煙者に限れば96.0%と突出して高い。山崎氏はこれに、「喫煙者の96.0%が不満を感じているという数字は、個人の嗜好の問題を超えている」と指摘する。

 困った場面としては、「屋外がメインの観光スポット」95.3%、「屋内がメインの観光スポット」93.3%、「移動時に利用する施設内」(駅・空港など)92.5%と、旅行動線の中心で軒並み9割を超えた。ほかに、駅周辺や公園などの公共スペース、街中、買い物施設内を挙げる人もそれぞれ7割を超えている。

 さらに、注目すべきは、喫煙所が見つからないときの行動傾向。56.6%が、「喫煙所外で吸ってしまいそう」と回答していることだ。

 「マナーを守る意思があっても、環境がそれに追いついていない“構造的な課題”と言えます。これは、旅行者のモラル低下というよりも、ルールを遵守するための設備が欠如しており、結果として望まないマナー違反を誘発しかねない現状をデータが示しています」(山崎氏)

 喫煙をめぐる環境は、訪日客の出身地域によっても影響を受ける。とくに春節期には、中国を含む喫煙率が相対的に高い国・地域からの旅行者も訪日する。中国人団体客は落ち着いている一方、個人旅行者は一定数おり、その中で「吸う場所がない、わからない」ことが禁止エリアでの喫煙につながるリスクがある。

■「旅行者の不便の解消は、地域住民との摩擦を防ぐための“環境整備”そのもの」

 今回の調査で、あらためて可視化された訪日観光客の困りごと。これらを改善することは単に、外国人向けだけではなく、街全体を守ることに繋がるだろう。

 「旅行者の不便の解消は、地域住民との摩擦を防ぐための“環境整備”そのものです。ゴミ箱・Wi-Fi・喫煙所の不足は、ポイ捨てや路上喫煙、道迷いといったトラブルの直接要因になります。これらを適切に配置・案内することは、単なるサービス向上にとどまらず、地域の景観や公衆衛生を保ち、住民と旅行者がストレスなく共存するための実利的なメリットになります」。

 様々な国や地域から観光客が訪れるシーズンの今こそ、訪日客と地域が互いに快適に過ごすための“街の受け入れ能力”を再点検する必要がありそうだ。

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