
「病院探しが大変」「10軒以上断られた」そんな動物たちが集まる“最後の砦”!横浜市にある日本では数少ない『エキゾチックアニマル専門動物病院』。そこで診察を行うのは、500種以上の動物の生態を知り尽くした獣医師、関根大樹氏(33)だ。少量の出血も命取り…ファンシーラットの腫瘍切除手術から、甲羅をのこぎりで切断!?ケヅメリクガメの巨大“膀胱結石”の摘出手術まで。独自技術と最新医療を駆使し、命の最前線で闘う若き獣医師の奮闘を追った。
【写真を見る】【衝撃手術】カメの甲羅を切る…巨大“尿路結石”400gを摘出!「10軒断られた」行き場のない動物たちの“最後の砦” エキゾチックアニマル専門獣医師に密着!
人気の『エキゾチックアニマル』 抱える深刻な問題は“病院探し”
カワウソやアリクイなど、犬や猫以外のペットジャンル、『エキゾチックアニマル』は、昨今のSNSの人気者。愛らしさや珍しさに魅せられ飼育数が増える一方、深刻な問題もある。
エキゾチックアニマルの飼い主
「病院探しが大変。診てもらえなくて断られたのは10軒」
研究が進む犬や猫と違い、大きさや生態がバラバラのエキゾチックアニマルたちは、診てもらえる動物病院が極めて少ないのだ。
“行き場のない患者”を一手に引き受ける専門病院
年間約1万匹が来院する『エキゾチックアニマル専門病院』が横浜にある。
「横浜エキゾチック動物病院」の獣医師、関根大樹院長だ。
自ら飼育しながら海外文献などでも研究してきた関根院長は哺乳類・爬虫類・猛禽類など500種以上の生態を知り尽くす。
関根大樹 獣医師
「エキゾチックアニマルがすごく好き。だから自分がやるなら供給が間に合ってない専門としてやった方がいいかなと」
訪れる患者は、2本足で立つミーアキャットに、世界最大級のフクロウ、さらにはヤギまで来るなど、動物園レベル。
エキゾチック共通の悩み…『不調を隠す習性』
実は、やってくる飼い主たちには、エキゾチックアニマル共通の悩みがあった。
エキゾチックアニマルの飼い主
「なんか隠すみたいで、具合悪いのを。急に来る、いつも」
「元気なフリがうまくて。飼い主が見てないと遅くなる」
そう、不調を隠す習性を持つのだ。実はエキゾチックアニマルは、野生では“捕食される側”の小動物も多く、弱っている事を外敵に気づかれないようにするためだという。
関根大樹 獣医師
「野生だと群れで過ごし、調子が悪いのが出てしまうと群れから置いていかれる。隠して元気に見せるが、気づいた頃には遅かったというのはある」
動物たちの“ウソを見抜く”!NASAが開発した『最新医療技術』
関根院長は、体重変化や食欲減退など僅かなサインも頼りにし、動物たちのウソを見抜く。その強力な助っ人となるのが、一般的な動物病院にはないテクノロジー。
関根大樹 獣医師
「少ない血液量でも肝臓の数値や腎臓の数値を見れる機械。小動物からとれる血液量は限られているので」
もとはNASAが、輸血が難しい宇宙空間で少量の血液で検査を行うべく開発した技術。身体が小さく、僅かな出血が命取りなエキゾチックアニマルの血液検査が可能になる。
食欲不振が見られる、チンチラ・九郎くんの血液検査の結果は、人間の健康診断レベルに詳細だ。
関根大樹 獣医師
「白血球数 47という値で基準値は問題ない。赤血球数も問題ない。腎臓の値になるが、『BUN』というのが結構高い52。脱水によって上がっちゃってるのかな」
レントゲン検査などを経て、九郎くんは胃が胸に飛び出す『横隔膜ヘルニア』という珍しい病気だと判明。手術をするか、経過観察か。関根院長の判断は…
関根大樹 獣医師
「ヘルニアは正直治すとなると、外科的に穴を塞がなきゃいけないが、なかなか(手術は)大変。チンチラさんでは一般的な病気ではないので、結構リスクも高い」
選んだ道は、命を落とすリスクのある手術を無理に行わず、薬でお腹の調子を整えながら“病気と付き合っていく”ことだった。
緊急!わずかな出血が命取り…ラットの“ガン腫瘍”摘出手術
一方、急な手術を要する場合もある。ファンシーラットのおはぎちゃんは、命に関わる大きな腫瘍をお腹に抱えていた。
関根大樹 獣医師
「ちょっと(血管に)ピってあたっただけでも血がとまらなかったり。丁寧かつスピーディーに」
わずかな出血が命取りの小動物だけに、タイムリミットは1時間以内。全血管の位置を頭に叩き込んでいるという関根院長は、出血リスクの高い血管や神経を避け、ほとんど血を流さずに手術を進める。
看護師
「心拍250(正常)です」
手術時間、わずか40分。腫瘍は無事に取り除かれた。
最難関の手術!甲羅を開き…超巨大!“尿路結石”を取り出す
そして、この日一番の“難関手術”が控えていた。ケヅメリクガメのかめきちちゃん。数日前から苦しそうな様子が顕著になり、レントゲンを撮ると…。
関根大樹 獣医師
「結石がある、2つ。リクガメは慢性的な脱水でなることが多い」
野球ボールよりも大きい、直径10センチの膀胱結石が下腹部を圧迫。排便もできない状態だという。
手術開始。まず おなか側の甲羅に線を引くと、医療用のこぎりを使い、線に沿って甲羅に切り込みを入れていく。だが甲羅は硬く、かなりの体力勝負だ。
関根大樹 獣医師
「切り方も(コツが)ある。このまま直角に切ってしまうと、甲羅パカッてはめる時に(体内に)ズボッていっちゃう。なのでちょっと斜め45度くらいに切らないと、(戻す時)ハマらない」
40分をかけようやくお腹が開くと、すぐにペアンなど鉗子を使って、結石の摘出を試みるが…
関根大樹 獣医師
「でかいんですよね」「うーん、手の方が良いか」
開始から1時間。命のタイムリミットが刻々と近づく中、先生は自らの手で結石を掴み取ることに。しかしその大きさが、手術を阻む。
関根大樹 獣医師
「ふう…大変です、これは…」
そして手術開始から1時間半。ついに、“巨大な尿酸の塊”結石が2つ出てきた。重さは合わせて、400グラム。
関根大樹 獣医師
「じゃあ閉めます」
お腹側の甲羅は、パテを使ってとめておけばいずれくっつくそうだ。
手術後。麻酔から目がさめるまで無事か分からないため、先生はかめきちの側から離れず、ずっと寄り添い続ける。
関根大樹獣医師
「…起きてきた。頑張った」
時刻は、まもなく夜の12時。先生の長い1日が終わった。
関根大樹 獣医師
「体力的には消耗しますし疲れますけど、つらいと思ったことはないですね」
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