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「金利は低いから気にしなくていい」ハズが…金利上昇で「奨学金」の返済が困難に?【Nスタ解説】

国内
2026-06-23 22:01

日本銀行が政策金利を31年ぶりの高水準とする決定をする中、学生が借りる「奨学金」の金利も急激に上昇しています。


【写真を見る】3種類の奨学金制度の違い


大学生の2人に1人が奨学金を利用 3種類の奨学金制度の違いとは?

高柳光希キャスター:
学生を経済的にサポートする奨学金。日本学生支援機構によると、大学の学部生の約2人に1人が奨学金を利用しているそうです。

奨学金の貸与額は平均で323万円、返還年数は平均15年で、大学卒業後に返済していくことになります。


一言で「奨学金」と言っても、様々な種類がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?


TBS報道局 社会部 河野雪乃 記者:
日本学生支援機構の場合、奨学金は大きく分けて3種類あります。


【返済不要】
▼給付奨学金

【返済が必要(卒業後)】
▼第一種奨学金:無利子
▼第二種奨学金:有利子
→市場の金利に伴い返済の利率も変動


高柳キャスター:
こう見ると、返済が不要な「給付奨学金」や無利子の「第一種奨学金」がいいなと思いますが、借りるハードルは高いのでしょうか?


TBS報道局 社会部 河野雪乃 記者:
「給付奨学金」や「第一種奨学金」は、「第二種奨学金」よりも親の収入や成績などの条件が厳しくなっています。

また、利子がある「第二種奨学金」は借りられる額が多いので、利用している人が最も多いのが現状です。


寺田明日香さん:
私は「第一種」と「第二種」を併用していました。

私は返済が始まった数年間、実家にいたので、早めに繰り上げ返済ができましたが、一人暮らしだった場合はかなり厳しかったと思います。


見直し方式で利率は325倍に…金利上昇がもたらす“負担”

高柳キャスター:
政策金利の上昇が奨学金の返済にも大きな影響を及ぼしています。


30代の高梨さん(仮名)は、利子がある第二種奨学金で360万円を借りました。利率は見直し方式と固定方式があり、高梨さんは見直し方式(5年で見直し)を選択しました。


返済を開始した2021年4月時点では、利率は0.004%でした。しかし、利率の見直しがあり、2026年9月から利率は1.3%と、325倍にまで増加しています。


1.3%で払い続けると仮定すると、支払う総額が約30万円も増える計算になるといいます。


河野雪乃 記者:
高梨さんは「奨学金を借りるかどうかは自分で判断すること」と話したうえで、「借りる際、返済については『金利は低いから気にしなくていい』と聞いた。こんなに金利が上がるとは想像できなかった」と話していました。


高柳キャスター:
奨学金に詳しい鴨田譲弁護士は「奨学金が返せない学生からの相談は増えている。金利が高い事で進学を諦めてしまう人、奨学金を借りずアルバイト優先で学業に専念できない学生も出てくる可能性もある」と指摘しています。


返済の負担を減らす救済策は? “全額肩代わり”する企業も

高柳キャスター:
金利上昇で負担が増えていますが、負担を軽くしたりする制度もあるのでしょうか。


河野雪乃 記者:
企業などが代理で返済する「代理返還制度」があります。これは、企業や自治体が奨学金を代わりに返済する制度です。

例えば、私が取材した都内の企業では、2026年度以降の新入社員の奨学金を全額肩代わりするといった取り組みも行われているようです。


また、病気や災害などで返済が難しくなった場合は、▼返済期間を延ばす代わりに月々の返還を減らす「減額返還制度」や、▼一定期間返還を先送りにする「返還期限猶予」などの制度があります。


高柳キャスター:
金利が上昇しているという局面の中で、返済の制度を変えていくのか、奨学金自体の制度を変えていくのかといった色々な問題があります。


井上貴博キャスター:
自治体も支援に乗り出しているところが増えているので、それは心強いなと思います。

日本の奨学金制度は、どちらかというと“個人の借金”という立て付けで制度がスタートしています。

一方で、海外は“国の経費”として、基本的には給付で賄うという国や、無利子にするという国もあり、制度のスタートが違っていると思います。

日本も高校授業料の無償化など進めていることもあるので、その延長線上に給付を増やすなどといった未来への投資を、政府だけではなく自治体や企業も行っていってほしいと思います。


寺田明日香さん:
子どもたちが金銭的な理由から、なりたい自分になれないというのはすごく苦しい世の中だと思います。なので、制度をどう変えていくのか、子どもたちをどう守っていくのか、夢にどう進んでいくのかということを、大人たちがまず考えていきたいです。


井上貴博キャスター:
今回取材した高梨さんも、奨学金を理由に「子どもを授かることをためらってしまう」とおっしゃっていたので、回り回って少子化対策にもつながるかもしれません。


河野雪乃 記者:
文科省の担当者は、今すぐできる対策として「日本学生支援機構のページにある返還のシミュレーションなどを使い、保護者と相談して、返済まで考えて借りることが大事」と話しています。


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<プロフィール>

河野雪乃
TBS報道局 社会部
教育行政・社会保障を取材
大学時代はアラビア語の難しさに頭を抱える

寺田明日香さん
陸上100mハードル 元日本記録保持者
東京五輪で準決勝進出
“ママアスリート”の先駆者


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