地震から10日、熊本県では今も一部の地域で断水が続いています。こうしたなか、最大震度7を観測した宇城市の歯科医院では治療に欠かせない水を確保し、診察を続けています。その理由とは。
熊本県宇城市で100年以上続く歯科医院の西山正之院長(59)。きょうも患者がひっきりなしに治療に訪れていました。
患者
「こちらは被災しているからダメかなと思ったが、化膿するから来たほうがいいよと言われてきょう来た」
地震の影響で一時、休診を余儀なくされましたが、電気が復旧したことなどから今月3日に診療を再開しました。しかし、「断水」は続いたままです。
西山歯科医院 西山正之 院長
「これが歯を削る機械『タービン』。通常、水が通っているときはここの小さい穴から水が出て(機械が)加熱するのを冷却する役割をしている。注射器で歯科助手に水を入れてもらって、タービンを冷やしながら削っています。必ず神経が生きている歯は水を出して削らないと」
こうしたなか、西山院長は販売されている飲料水を注射器に入れて、何とか治療を続けています。不可欠な水は近所の人からの差し入れでした。
「あとどれぐらい欲しいですか。まだいっぱいありますけど」
西山歯科医院 西山正之 院長
「こんな中、持ってきていただいて言葉がないです」
西山院長は災害時に歯を磨けない状況が続くと口の中の細菌が器官や肺に入って誤嚥性肺炎になるリスクが高まり、最悪の場合は死に至るケースがあると懸念します。断水の解消は先が見えないものの、西山院長はできるかぎり治療を続けたいとしています。
西山院長は歯磨きシートを指にまいて歯を拭いたり、ガムを食べて唾液を分泌し、汚い細菌を流したりするだけでも歯の健康を保つ効果があるとしています。
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