栃木県の東武日光線・新鹿沼駅で、作業員4人が特急列車と接触し、死亡した事故。警察は列車の接近を知らせる「見張り員」などを聴取。業務上過失致死事件として特別捜査班を設置し、捜査を始めました。
記者
「運輸安全委員会の調査官とみられる人々が東武鉄道の施設に入っていきます」
国の運輸安全委員会の調査は、きょうも行われました。
きのう午前、鹿沼市の東武日光線・新鹿沼駅の線路上で、除草作業をしていた男性4人がホームに入ってきた特急列車「スペーシアX」と接触し、死亡しました。
記者
「国の運輸安全委員会のメンバーが東武の事故車両を調査するということで、いま車庫のほうに入りました」
運輸安全委員会の鉄道事故調査官によると、午前中に運転士と車掌のあわせて2人から話を聴いたということです。
東武鉄道はきのうの会見で、事故の原因を「調査中」としたうえで、こう説明していました。
東武鉄道 佐藤晃一 施設部部長
「中継見張り員は(駅近くの)374号踏切に着いてはいたけれども、列車見張り員との意思疎通ができる状況ではなかった」
事故当時、亡くなった4人はホーム下の線路上にいました。その近くには列車見張り員が1人。さらに、300メートルほど手前の踏切に「中継見張り員」がいました。
記者
「踏切近くにいた中継見張り員が300メートル先の『列車見張り員』に向かって旗で合図をして伝える予定でしたが、何らかの理由で伝えることができなかったということです」
本来、行われるべき安全確認の手順はこうです。まず、「中継見張り員」が「列車見張り員」に待避を合図。作業員らは線路から離れ、全員の待避を確認したあと、見張り員が列車に「接近了解」の合図をだします。
ただ、実際には、線路上に作業員が残っている中で「列車見張り員」が「安全だ」と列車に合図していたのです。
3年前にスペーシアXの先頭車両で撮影された映像。左手に見えるのは、「中継見張り員」がいたと思われる踏切。その後、ゆるやかなカーブを抜けると、新鹿沼駅に近づきます。このあたりで作業員と接触したとみられています。
きのう、「スペーシアX」は時速52キロで駅のホームに進入。事故直前に作業員を発見し、非常ブレーキをかけていたということです。
事故はなぜ防げなかったのでしょうか。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳さん
「人為的なミスがどこかであったのかなと。意思疎通ができないってことは、この先が安全だとも、待避が完了しているとも、何ともわからない。安全が確認できないんだったら、すぐ止めた方がいい、なぜ止めなかったのか」
現場の作業員が列車と接触して死亡する事故は相次いでいて、2009年以降、10件発生しています。
3年前には、富山市の富山地方鉄道で保線作業をしていた作業員1人が列車と接触し、死亡。見張り業務に専念する人が配置されていなかったことが原因とみられています。
亡くなった4人のうちの一人、佐藤和也さんを知る人は…
亡くなった佐藤和也さんの近隣住民
「話し方とかも優しい感じの方だったので、穏やかそうな感じの方だなという印象。びっくりですね」
午前から行われていた運輸安全委員会の調査は、午後3時ごろに終了。
運輸安全委員会 横飛雅俊 鉄道事故調査官
「(午後は)当該列車の車両の痕跡について確認しておりました」
また、警察は「見張り員」や現場の責任者などから聴取を始めていて、特別捜査班を設置し、業務上過失致死事件として捜査しています。
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