
熊本地震の発生から1か月が過ぎました。今回の震災で浮き上がった大きな課題。それは被災地において、水をどう確保するかということです。
「外なら風が時々来る」避難所のエアコン設置率0%の自治体も
熊本地震から1か月。
八代市内の小学校では、早くも2学期が開始。体育館には今も避難している人が約40人いるため、始業式は教室と校長室を、オンラインでつないで行われました。
6年生
「夏休みに地震があったから、(2学期は)夏休みより楽しみたい」
7月28日、熊本県を再び襲った最大震度7の地震。真夏の地震ということで、被災者を苦しめたのは、過酷な猛暑でした。
ところが、被災者の中には避難所の外で過ごす人も。電気が止まったため、暑さをしのごうと、外にいたのです。
避難者
「冷房が入らないので。外なら風が時々来る」
――体調はいかがですか?
「体調は気が張っているので...」
文科省によると地震発生当時、八代市では、指定避難所となっている公立小中学校の体育館などへのエアコン設置率は39.1%。宇城市や氷川町ではまったく設置されていませんでした。
水道管破損 断水復旧まで1か月 頼りになったのは「井戸水」
さらに被災者に追い打ちをかけたのが、欠かせない「水」の問題です。
地震により、至るところで起きた水道管の破損。八代市では、上水道を利用する約2万8000戸のうち、9割で断水が起き、解消までに1か月近くを要しました。
多くの住民が給水支援を受けるなど、改めて浮き彫りになった水道という基幹インフラの脆さ。
水をもらいに来た人
「なかなか両親もこういう水をもらいに回ることができない状況なので、すごく助かっている」
断水の復旧に時間がかかった一方、頼りになったのが井戸水です。
この水は、普段使っていない井戸からくみあげたもの。井戸水を提供した人は...
井戸水を提供 吉田志穂さん
「お母さんと子どもが『お水がない、顔がまっかっかで熱中症が心配』という声を聞いて、何かお役に立てればなと思って」
地下水が豊富な熊本では、井戸という昔ながらのインフラが今回、被災地の人々の暮らしを支えたのです。
その一方で...
記者
「被災した井戸からこのように泥が混じった水が出ています」
今回の大きな地震では、一部の井戸が被害を受けました。
理容店「理容もりもと」も、日頃から井戸水を使っていますが...
理容もりもと 森本由美子さん
「ここで出てくるんですよ、水が。出ないから」
井戸が壊れ、水を使ったシャンプーが出来ない状態。八代市金剛地区では、国と県などが井戸の洗浄作業を行っています。
それでも今回、被害を免れた多くの井戸が、被災者の暮らしを支えたのです。
防災対策 日頃から対策が必要「一つの水源に頼らない」
被災地の井戸の現状を調査した、立教大学の遠藤教授は...
立教大学 環境学部 遠藤崇浩 教授(水管理政策)
「井戸は持ち主が、その場で提供を即決できるという点で非常に早い。新しく掘る必要がないという点で安い。各地に点在しているので、カバーするエリアが非常に広範囲になる。熊本市は地震の翌年の2017年に災害用井戸(登録)の仕組みを作った。市民に向けて、この井戸が使えるという情報を素早く流すことができる」
遠藤教授は、熊本市が2016年の地震後に、災害用井戸の登録を行ったことで、自治体が利用可能な井戸を、地震翌日には公表することができたといいます。
一方で現在、基幹インフラである水道管の耐震適合率(2024年)は、熊本県では36.5%。全国平均の44.6%でも半分に達していません。
こうした状況を踏まえて、いざという時には雨水、プールの水など多様な水資源を利用できるよう、日頃から対策を立てる必要を訴えます。
立教大学 環境学部 遠藤崇浩 教授(水管理政策)
「災害時の井戸の利用の有効性は、全国に当てはまる。では井戸だけで十分かというと、そうとは言い切れない。やはり複数の水源が重要。地域地域に合わせて色々な水資源を組み合わせて災難を乗り切る。一つの水源に頼らないということだと思う」
水に限らず、電気や道路など欠かせない重要インフラをどう支えるのか。地震大国・日本ならではの防災対策が求められています。
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