
臨時国会がきょう召集され、高市早苗総理が所信表明演説を行いました。演説の内容を掲載します。
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「日本成長戦略実行計画」を年内に策定
「危機管理投資」、「成長投資」については、17の戦略分野、62の製品などのうち、足元の収益源、今後の稼ぎ頭、経済安全保障の強化、それぞれの重点分野を中心に、「官民投資ロードマップ」を磨き上げ、今後5年間の国内投資の道筋を明らかにする「日本成長戦略実行計画」を年内に策定します。
この計画では、官民投資促進の前提となる成長分野への人材や資金の円滑な供給の実現、人材育成の強化や高校・高等教育の改革、スタートアップが有する技術の社会実装の加速、中小企業・小規模事業者の省力化・生産性向上支援や価格転嫁・取引適正化の徹底、M&A・事業承継の推進による賃上げ環境整備などを含む8つの横断的課題に対する総合支援策を織り込みます。
あわせて、国内投資と技術革新を促進していくため、改革マインドをもって、思い切った規制改革を実現していきます。
また、計画では、複数年度での、達成すべき目標、内容と時期、国の支援の内容、必要な予算額、国と民間の役割、期待する成果や、支援対象の投資・販売・技術開発戦略などに基づく「勝ち筋」を切り拓いていく方策などについても明らかにします。
必要な投資は先送りしませんが、同時に、費用対効果を継続的に検証し、見直しを行い、効果の乏しい事業を漫然と続けることも致しません。
エネルギー調達基盤の抜本的強化を
中東情勢の緊迫、激甚化する自然災害、AIをはじめとする技術革新の急速な進展など、我が国が、かつてない変化とリスクの時代に直面する中、エネルギー・資源安全保障、食料安全保障、健康医療安全保障、サイバーセキュリティ、防災、海洋、宇宙など、あらゆる分野で「危機管理投資」を進めます。
そして、その国内投資から生まれる製品・サービス・インフラを、世界の新たな成長市場へと結び付けます。
例えば、世界に先駆けて進めてきたGXは、化石燃料の調達先多角化とリスク低減によるエネルギー安全保障の強化、そして、エネルギー転換・供給力増強・効率向上に向けた投資拡大、この2つの柱で更に加速させます。
こうした取り組みを通じ、AIの社会実装の進展に伴うデータセンター向け電力需要の増加にも対応できる、十分かつ安定的な電力の供給を確保します。
そして、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の枠組みなどを活用し、世界の共通課題である脱炭素化とエネルギー安全保障の強化に貢献する日本の製品・サービス・インフラを国際市場に展開していきます。
これを「エネルギー需給構造強靭化総合パッケージ(POWERR GX)」として強力に推進し、年内に、制度・予算を一体的に盛り込んだ新たな戦略を取りまとめます。
まずは、原油等の特定経路への依存の低減など、調達先の多角化とリスク低減を徹底することにより、我が国のエネルギー調達基盤を抜本的に強化するための制度を整備します。
「技術で勝って、ビジネスでも勝つ」
国家間の産業政策の競争が激化するAI、半導体、量子技術や、コンテンツ、フュージョンエネルギーなどの分野の「成長投資」については、大胆な投資促進策で国内投資と人材を呼び込み、日本の国際競争力を更に高めてまいります。
日本には、世界に誇る「技術」があります。
「技術で勝って、ビジネスでも勝つ」
研究開発から社会実装までを一体で進め、日本の技術を世界市場で花開かせます。
技術で「自律性」を高め、技術で「不可欠性」を構築する。これは、「成長戦略」であると同時に、「安全保障戦略」でもあります。
熊本では、TSMCの進出を契機として、半導体関連企業の集積が進み、新たな雇用や所得、研究開発投資が次々と生まれています。
世界をリードするメモリー半導体企業のトップからは、日本政府による累積支援額を大きく上回る納税額が期待できる、との報告もいただきました。
官民連携による投資促進策が実を結び、未来への投資は、税収増ももたらす成果を生みつつあります。
日本の大きな伸び代「地方にある」
高市内閣の成長戦略は、一部の都市や大企業だけのものではありません。日本の大きな伸び代は、地方にあります。
農林水産をはじめとする地域の特色ある強みを活かした産業クラスター形成を応援します。戦略17分野に関連する企業の大規模投資を起点に、広域の産業クラスター計画を策定する「戦略産業クラスター計画」、都道府県や基礎自治体が地域資源を活用・発展させる計画を策定し、クラスターを形成する「地域産業クラスター計画」、「地場産業成長プラン」の三類型で推進する「地域未来戦略」の下、既に50を超える計画が動き出しました。
水面下では、全国各地で数百もの構想が進んでおり、年末までに、策定・公表される計画を倍増させます。
従来の枠組みでは、地方自治体が思い描く産業クラスターの実現に必要なインフラ整備や投資促進策などに対する国の支援が十分得られないとの声も踏まえ、地域発の「産業クラスター計画」の実現に向け、国によるインフラ整備や投資支援などの措置を上乗せすることも含め、今後5年間の支援方針を明らかにした「地域未来戦略実現フレーム」を策定します。
本フレームを踏まえ、来年以降も、更に意欲的な計画が取りまとめられるよう、後押しします。
「地域未来戦略」により新たに引き出されるものも含めて、来年春までに、国の支援によって日本列島各地で実現するプロジェクトをまとめた「国内投資マップ」を公表します。
「地方の景色を一変させよう」という地方自治体のあふれんばかりの「情熱」と「挑戦」を、国が二人三脚で支え、日本列島の隅々まで産業クラスターの花を咲かせようではありませんか。
消費税減税の財源確保「御心配には及びません」
国内投資を引き出し、日本の潜在成長率を引き上げ、物価高に負けない賃上げを継続することが不可欠です。しかし、実質賃金の継続的上昇が定着するまでには、一定の期間を要します。
このため、高市内閣発足当初から、物価高への対応を最優先課題として取り組んできました。
ガソリン・軽油の暫定税率廃止、中東情勢を受けた燃料油補助や電気・ガス料金支援など、切れ目のない物価高対策に取り組んできました。
重点支援地方交付金に基づく措置は、これから地方自治体により執行されるものもあり、また、今年の年末調整では、国民の皆様に所得税の負担軽減もお届けします。
こうした政策の効果もあり、物価上昇率は、現在、G7の中で最も低い水準に落ち着いています。賃金の伸びは、物価の伸びを上回っています。実質賃金上昇率は、8か月連続してプラスで推移し、G7の中で最も高い水準にあります。
さらに、切れ目ない物価高対策として、かつ、中低所得者の皆様の負担を直接軽減するため、「消費税・支援金法案」の準備を進めています。
暮らしに最も近い飲食料品の税負担を軽くし、あわせて、所得に応じた支援金を措置し、家計に少しでも「ゆとり」を生み出したい。そのための法案です。
税・社会保険料負担と現金給付を総合的に捉え、所得等に応じたきめ細かな支援を可能とし、早期に負担軽減を図るべきとの方向性については、「社会保障国民会議」の参加各党の皆様と共有できる部分が多くありました。
そもそも消費税減税は、野党の皆様のこれまでの御主張の中にも多くみられたと承知しております。
財源確保に関しては、市場の信認を得られるよう、特例公債に頼らずに確保することとしており、御心配には及びません。全ては「世を経め、民を済う」ため、共に前に進んでいこうではありませんか。
人口減少「静かに進む国難」新たな国のかたちを
2027年国際園芸博覧会は、日本の魅力を世界に届ける絶好の機会です。花や緑、食と農の魅力はもちろんのこと、脱炭素など地球環境の課題解決に資する優れた国内技術も、世界に発信していきます。
人口減少は、静かに進む国難です。少子化の流れを反転させるとともに、人口減少社会に適応した新たな国のかたちを築かなければなりません。
年末を目途に「人口総合戦略」を策定し、人口動態の将来シミュレーションと対応策の全体像をお示しし、その後、分野横断的に施策の検討を進めてまいります。
「外国人の受入れの基本的な在り方」についても、検討を進めてまいります。人手不足は、人口減少社会の最大の課題です。医療・介護、物流・公共交通などのエッセンシャルサービスを守り、国内投資拡大にも対応するため、AX(AIトランスフォーメーション)の社会実装を大胆に進めます。
AX・DXの恩恵が行き渡る社会を構築するため、政府の司令塔機能を強化することで、行政の縦割りを打破し、安全、安心で、信頼できるAIの開発促進や徹底活用を通じたデジタル社会の形成に向けた官民の施策や取り組みを、強力に進めます。
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