E START

E START トップページ > ニュース > 海外 > 米初閣議でイーロン・マスク氏「自分は地味な技術サポート」と発言の意図は? 混乱広がる“返信なければクビ”メール 受け取った米政府職員は「詐欺かと思った」【news23】

米初閣議でイーロン・マスク氏「自分は地味な技術サポート」と発言の意図は? 混乱広がる“返信なければクビ”メール 受け取った米政府職員は「詐欺かと思った」【news23】

海外
2025-02-28 12:43

第2次トランプ政権の初閣議に出席したイーロン・マスク氏。閣議では自身のことを「地味な技術サポートだ」と謙遜したような発言する場面もありました。マスク氏をめぐっては、政府職員に送られたあるメールが混乱を招いています。


【写真を見る】米・政府職員「詐欺かと思った」“脈拍チェック”メール


ガザをAIで“リゾート化” 黄金の像も

巨大な黄金のトランプ像に、紙幣が舞う中を歩くイーロン・マスク氏。 プールサイドでトランプ氏とくつろぐのは 、イスラエルのネタニヤフ首相とみられ、2人の間には「TRUMP GAZA」の文字が。


また、生成AIで作られたとみられるリゾート化したパレスチナ自治区ガザの未来予想図も。これらはトランプ氏が自身のSNSに投稿した動画です。


イスラエルとの戦闘で破壊し尽くされたガザ。トランプ氏は停戦後にアメリカがガザを所有して再開発し、住民は移住させると主張しています。


動画を見たガザの住民は…


ガザの住民
なぜ住民を追い出す必要があるのか、トランプがガザに来るなら歓迎する。私たちとともに復興すればよい」


ガザの住民
「ガザを今のひどい状況から素晴らしい状況に変えるという考えには賛成だ。ただし言っておきたいのは、ガザは私たちがいるからこそ素晴らしいのだ」


マスク氏は「地味な技術サポート」?

トランプ大統領(26日)
「私たちは素晴らしい内閣を編成し大きな成功を収めた。最初の1か月が非常に成功したことで多くの評価を受けている」


大統領就任から約1か月。 第2次政権で初めて開かれた閣議には、 閣僚ではないイーロン・マスク氏の姿も。


トランプ大統領
「ではイーロン・マスクに話してもらおう」


イーロン・マスク氏
「私は自分のことを地味な技術サポートと呼んでいます」


地味どころか、政府の無駄を削減する「政府効率化省(DOGE)」を率い、大なたを振るっているマスク氏。 このタイミングでトランプ氏が初めての閣議を開いたことには理由があるといいます。


アメリカ政治に詳しい 明海大学 小谷哲男教授
「自分はマスク氏に対して政府の縮小を命じているので、他の閣僚たちもそれに従うようにというメッセージを出したのだと思う」


「先週何した?」メールで混乱も

その背景にあるのが、マスク氏のXに投稿されたポストです。


イーロン・マスク氏(22日の投稿)
「大統領の指示に従い、連邦政府職員全員にまもなくメールが送信されます。返答がない場合は辞任とみなします」


このポストの約2時間後、 ある政府機関の職員に 実際に送られたメールがこれです。


【先週は何をした?】


「先週達成したことを 5つ箇条書きにせよ」という内容。 2日後までに返信するよう記されていました。 匿名を条件に書面で取材に応じた保健衛生関連の職員。 このメールアドレスからは1か月ほど前からメールが来るようになったといいます。


保健衛生関連 政府機関職員
「およそ役人の業務メールに見えないフォーマットで、変な時間に送ってきます。最初の頃は怪し過ぎてフィッシング詐欺かと思ってレポート(報告)してしまいました」


この職員によると、マスク氏側から 「先週何したメール」が届くと、 所属機関から「返信するな」、「返信しろ」 、「やっぱり返信するな」と指示が二転三転。結果、返信しなくてよいという結論になったそうです。


保健衛生関連 政府機関職員
「政府効率化省は省庁に話を通さずに、いきなりこういうことをするので、毎回混乱が起きます。 職員としては直属機関の指示に従うのが筋ですので、私は返信してません


閣僚に「イーロンに不満なら追い出す」

200万人以上いる政府職員のうち、およそ半数から返信があったという「先週何した」メール。職員に回答しないよう求めている省庁もある中、そのトップたちが集まる閣議でトランプ氏は…


トランプ大統領
「イーロンに不満を持っている人はいるか?もしいるならここから追い出すぞ。不満を持っている人はいるか?」


イーロン・マスク氏
「あのメールは業績評価と誤解されたかもしれないが、実際は脈拍チェックだ。脈はありますか?」


マスク氏は、職員名簿の中には既に死亡した人や架空の人物がいる可能性があるので、その確認のためのメールだったとしています。


イーロン・マスク氏
「必要不可欠な仕事をしていて、うまくこなしている人を雇用し続けたい。しかしその仕事が 不可欠でなかったり、うまくこなせていない場合は当然、公務員として給与を受け取るべきではない


トランプ大統領
「まだ応答していない100万人は危ないということを付け加えたい。彼らは応答していない、存在しないのかもしれない。私たちは存在しない人たちにお金を払っているのかもしれない」


一方で、政府効率化省の技術系職員ら21人が一斉に辞職。「自らのスキルを政府の中核システムなどを危険にさらしたり、重要な公共サービスを解体したりするために使うつもりはない」とし、マスク氏の強引な手法に抗議の意思を示したかたちです。


アメリカ政治に詳しい 明海大学 小谷哲男教授
「連邦政府は、公共の利益のために活動を行っている。人員・予算が削減されると国民が必要とするサービスが十分に供給できない。結果的にアメリカ国民が一番損をするということになりかねない」


いつ解雇されるかわからない状況に、 政府機関の職員は…


保健衛生関連の職員
「みんな愚痴を言い合いながらも、粛々と自分の仕事をしています。自分が消されても被害が 少ないように、上司にデータを預けたり対策はしてます。雑に切られる恐怖に晒されている公務員たちは日々誇りを持って真面目に働いている人たちなんです」


このところ、メディアとの対決姿勢を強めているトランプ大統領。 自身のSNSにこう投稿しました。


トランプ大統領
「いわゆる『匿名』『オフレコ』を用いたフェイクの本や記事がある。大半は存在しないだろう」


メディアなどへの不満をもらしたトランプ氏。今後メディアなどに対し訴えを起こし 「匿名の情報源が存在するか明らかにする」考えを示しています。


イーロン・マスク氏の役割とは

小川彩佳キャスター:
匿名によって得られた貴重な証言が数多くありますが、そうした匿名報道にトランプ氏は矛先を向けました。マスク氏も日に日に存在感が増していますよね。


データサイエンティスト 宮田裕章氏:
チェーンソーを振り回したり、パワハラ的なメールを送ったりというコミュニケーションスタイルは、全く共感できません。しかし、それを冷笑に付すことは簡単ですが、注目すべきこともあると思います。

どんな組織も成熟していく中で、やはり無駄は出てきます。しかし組織の中にいると、なかなか手をつけられない。トランプ氏の今回の政策は、「関税の強化」と「無駄の削減」を掲げています。組織の中からできない無駄の削減を、あえて外側にいるマスク氏にやらせて、どう実現するのか、または実現できないかも含めて今後注目していく必要があると思います。


===============
〈プロフィール〉
宮田裕章さん
データサイエンティスト
慶応大学医学部教授
科学を駆使して社会変革に挑む


スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】
【検証】「布団の上に毛布」が暖かい説 毛布は布団の「上」か「下」か 毛布の正しい使い方【Nスタ解説】


情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

人気記事

ページの先頭へ