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フジテレビ会長・社長辞任…“フルオープン”やり直し会見に日枝相談役の姿なし トラブルは“特殊な案件”…中居氏起用継続「完全に間違ったとは言い切れない」【news23】

経済
2025-01-28 16:27

中居正広さんと女性のトラブルをめぐるフジテレビのやり直し会見が行われました。フジテレビ社員の関与はあったのか?なぜ、問題発覚後も中居さんを起用し続けたのか?“フルオープン”とされた会見で相次ぐ質問にどう答えたのでしょうか。


【画像で見る】フジテレビ本社に入った日枝氏(27日正午すぎ)


フジテレビ“やり直し会見”紛糾 中居氏トラブルは「特殊案件」

司会
「個人の特定につながりますので、すみません、ご配慮ください」

記者
「いやそれは…」

司会 
「それを最大限尊重してやっておりますので」

記者
「会見がぬるすぎる!」


問題発覚後、テレビカメラを入れての初めてのフジテレビの会見。紛糾する場面も。

記者
「プライバシーや人権を隠れ蓑にして、真相を隠したがっているように見える」

フジテレビ 港浩一社長
「そういう気持ちはありません」

中居正広さんの女性トラブルに「社員が関与していた」などと報じられたフジテレビ。トラブルそのものについてはこう表現しました。


フジテレビ 港浩一社長
「本件は人権侵害が行われた可能性のある事案」

記者
「どういう人権侵害だった?」

フジテレビ 港浩一社長
「人権侵害の疑いがあるというふうに」

記者
「どういう疑いですか?刑事上じゃない限り人権侵害の疑いって出てこないと思うが」


フジテレビ港浩一社長
「それはプライベートなセンシティブな出来事の中で、女性側がどういう気持ちになってしまったのかを含めて、人権侵害の疑いがあると思って対応している。いわば特殊な案件として進めてきたのが現実」

“特殊な案件”だという中居さんと女性のトラブル。

記者
「特殊っていうのは、加害者が中居正広という国民的スターだったから、そっちを守ろうということで特殊だったってことでは」

フジテレビ 港浩一社長
「そういう気持ちはありません」

記者
「そういう気持ちだったんじゃないか?」

フジテレビ 港浩一社長
「そういう気持ちはありません」

2人の間に何が起きたのか、プライバシーを理由に明言を避け続けました


トラブル後も中居氏起用 「完全に間違ったと言い切れない」

会見では新たな事実も明らかになりました。


フジテレビ 港浩一社長
「中居氏に番組終了を告知したのは2024年11月


中居さんと女性のトラブルが起きたのは2023年6月。その2か月前には、中居さんと松本人志さんとの番組がスタートしていました。トラブルを把握しながらも番組を継続した理由については…

フジテレビ 上野陽一 広報局長
「開始からまもなく唐突に終了することで憶測を呼ぶことを憂慮し、当初番組を中止するような大きな動きを作ることを控えたいという考えがあった」

その後2024年1月に松本さんが芸能活動休止を発表したことで番組を降板し、「だれかtoなかい」にリニューアル。1月に番組休止が発表されるまで、中居さんを起用し続けていました。

記者
「松本さんが性加害疑惑の報道で番組から降りたが、そのときに番組をやめる判断はできたのでは」

フジテレビ 港浩一社長
早い判断ができたかもしれないと今は振り返ると思います。事案が発生してから番組終了のタイミングはいつも少人数で考えて探っていた。そのときは女性のコンディションがそんなに良くない状況。動きがあることがどういう刺激になってしまうのか、本当にはかりかねる状況で、ずっと判断が難しいことだった。2024年の夏に女性が仕事を離れると、体調も回復してきたということがあって、正式に番組の終了に踏み出した」


週刊誌報道が出る前の2024年11月に、中居さん側に番組終了を伝えたといいます。ただ、12月のスポーツ特番にも中居さんを起用していました。


記者
「被害者女性からすれば(特番への起用は)むしろショックでは」

フジテレビ 港浩一社長
「スポーツ番組のスタッフは事案を知らないからキャスティングをしたということになる。中居氏の番組がそういう中で逆に増えてしまったことが起きたということも含めて、我々が続けていた対応は本当に正しかったのかどうかというのは、こういうことも含めて第三者委員会になると思うが、ちょっと今でも違ったかなというふうに反省をしている」
「続けたことがもし間違ってたならば…」

記者
「間違ったとは思っていない?」

フジテレビ 港浩一社長
「判断が難しかった期間だった。完全に間違ってたと言い切れない部分もある。でも私の責任」


フジ社員「関与なし」 通信履歴“消去”の可能性も?

また、関与を報じられた社員については…


フジテレビ 上野陽一広報局長
「社員AはスマートフォンのショートメッセージやLINE等の履歴も提出した。当該食事会が行われたとされる日の前後のやり取りを確認したが、社員Aと中居氏あるいは女性とのやり取りにおいて、当該食事会への社員Aの関与をうかがわせる内容は確認できなかった。報道後、中居氏に対しても複数回の聞き取りを行いましたが、中居氏は『社員Aは当該食事会に関わっていない』と話した

“通信履歴などからA氏はトラブルが起きたきっかけの食事会には関与していない”としましたが…。

記者
履歴は後で消すこともできるが、それを信用できるのは?」

フジテレビ 港浩一社長
「履歴を消すというような余裕のある調べ方ではなかった」

記者
「社内で噂が広がって『やばい』と思えば履歴を消す。それができなかったと確信をもって言えるのか」


フジテレビ 港浩一社長
「それはちょっと私言いすぎたかも。私は特定日に当該社員の関与はないと思っている」

記者
「女性のヒアリングなしに断定できるのか。その質問には答えてない」

フジテレビ 港浩一社長
「それも含めて第三者委員会で答えが出ると思う」


「社員としてがく然」フジテレビ記者も会見で追及 

2023年6月に起きた中居さんのトラブルをいつ知ったのか問われると…


フジテレビ 嘉納修治会長
「週刊誌報道の12月下旬」

フジ・メディアHD 金光修社長
「私も2024年の12月の週刊誌報道で知った」


港社長以外は2024年12月の週刊誌報道、または週刊誌記者の取材を受けて知ったといいます。これに疑問を呈したのが…

「フジテレビ社会部の勝又と申します」

フジテレビ記者の質問の矛先は、フジテレビ・遠藤龍之介副会長。


フジテレビ記者
「私、社員として愕然としたんですけど、公表する・しないは色んな判断があったと思う。少なくともコンプライアンスのトップであり、副会長という上役である遠藤副会長にお話をされなかった・共有していなかったということに、非常に不可解だなと思うんですけども」

フジテレビ 遠藤龍之介副会長
「やはり共有すべき問題だったというふうに思います。女性のメンタルを考えながら、この人に知らせる、この人に伝えるよ。そういう理由も述べながら広げていくということは、簡単ではないが可能であったと思う」


日枝氏の姿なし「企業風土の礎を作っている」

フジテレビ社員からも厳しい声が上がった会見。一連の問題を受け、フジテレビは嘉納修治会長と港浩一社長が1月27日付けで辞任することを発表しました。

新たな社長には、「ドラゴンボール」や「ちびまる子ちゃん」などの人気アニメを手がけてきたフジ・メディア・ホールディングスの清水賢治専務取締役が就任するということです。


フジテレビ 清水賢治次期社長
「魔法の薬はない。日々、ひとつずつ着実に策を実行していくこと。日々の信頼を少しずつ取り戻していくことを地道に誠実にやっていくことに尽きる」

社長・会長を一新し、信頼回復に取り組むことになるフジテレビ。ただ、記者からは…

記者
「日枝さんを辞めさせる発想はないのか」

会見中、 頻繁に質問が飛んだのが、日枝久相談役についてです。


1月27日正午すぎ、フジテレビ本社に入った日枝氏。フジテレビの労働組合は先週、2度にわたり意見書を提出し、日枝氏に会見出席を求めてきましたが、結局、会見に日枝氏の姿はありませんでした

記者
「なぜ日枝久相談役がいない?」

フジテレビ 遠藤龍之介副会長
「この会見自体がフジテレビの問題なので、会長・社長以下で対応している」


1988年に社長に就任し、2001年には会長につくなど、フジテレビの黄金時代を作り上げた日枝氏。安倍元総理らとゴルフを楽しむなど、政財界とも親交がある実力者です。

現在はフジサンケイグループの代表を務める傍ら、フジテレビやホールディングスの相談役にも就任していて、影響力を持ち続けているとされています。

会見では日枝氏について…


フジ・メディアHD 金光修社長
「この企業風土の礎を作っているということに関しては間違いないと思う」

“企業風土の礎”を作ったと影響を認めたものの、今回の件について「日枝氏に相談はしていない」と説明しました。

記者
「この結果になっているのに、日枝氏は何ら責任をとらないのでしょうか?」
「なんで逃げるんだよ!」

会見中、日枝氏の進退についての明言はありませんでした。


「女性のプライバシー」を言い訳に? 会見に対する社内の声は

“やり直し会見”を受け、今夜、フジテレビ内で働く人からは…


フジテレビ内で働く人
「社内では各局の放送を流して、みんな会見を見ながら仕事をしていた。プライバシーで話せないのも理解できるけど、納得のいく説明かと言われると微妙な所だった」

フジテレビ関係者 
「『オープンな記者会見をします』というのと、『オープンに全部話します』というのは違うと思うし、難しいなと」


フジテレビ内で働く人
「やっと今仕事に慣れてきたと思ってきたところだったので、最悪仕事がなくなったりすると困る」

一方、メディアのジェンダー問題に詳しい専門家は…

宮崎公立大学 四方由美教授
「これまでの対応のまずさに、女性の人権を守るためであったと、被害女性のことを理由にしている印象も否めなかった。視聴者も女性のプライバシーを何でもかんでも聞きたいということでは全くないと思う。対応がどうであったかを聞きたいところなのに『女性のプライバシー、人権のために対応できませんでした』という答えが引っかかる」


長時間にわたるフジテレビ会見 港社長「中居氏に怒りある」

小川彩佳キャスター:
「女性のプライバシー」という言葉が多く飛び交った会見でした。もちろん最大限尊重されるべきはプライバシーだと思うんですが、その言葉を盾にして先送りしたり、目をつぶってきた問題はなかっただろうかと。ある種、言い訳のように響いてしまった場面もあったように思います。藤森さんは会見場に行っていましたね。

藤森祥平キャスター:
ようやくフルオープンで、全ての質問に応じるスタンスで会見が続いていましたが、大きな局面を打開するような、新たな事実が次々と出てくるという感じではありませんでした。信頼回復に向けた思い切った改革や、今後に繋がるような期待感は、残念ながら今回の時点ではあまり伝わってこなかったという印象です。

会見で新たにわかったことです。


食事会でフジテレビ社員の関与があったかに関して、
【2023年6月 当該食事会】 
フジテレビ社員の関与確認できず
【2023年5月 中居氏宅のバーベキュー】
フジテレビ社員が女性を誘う
という言及がありました。


女性アナウンサーの接待について、フジテレビの港浩一社長によると、
女性アナウンサー同席の食事会はあった
▼上位の立場の人間が誘ったときに気が進まなかった人もいたのではないか
ということです。

「中居氏という国民的スターだったから守ろうとしたのではないか」という質問について、港社長は「そういう気持ちはありません。中居氏への怒りはあると取ってくださって結構です」と答えました。

私が気になったのはこの「怒り」です。中居さんに対する怒りがある中で番組出演をずっと続けた形になりました。「(被害にあったことを)誰にも知られないようにして女性に職場復帰してほしい」という願いを最優先に考えていたはずなのに、女性が職場に戻ってこられる環境を整えるどころか、「中居さんの出演をやめることが刺激になってしまう」という理由で降板を見送ったとなると、「どちらを守ったのかな?」という疑問符がつきますよね。


AIエンジニア 安野貴博さん:
言いたいことが2つあります。1つ目は、フジテレビは今回の会見をもっと良くできただろうと思います。社としてできることをやりきっていないという印象です。例えば、日枝さんに関する批判や質問が絶対に来るとわかっているので、筋論としてフジテレビの問題だとしても、日枝さんを出した方が「これから社を変えていく」というメッセージが強く出たと思います。それができなかったのが残念です。

もう1つは、「中居さんが悪い・フジテレビが悪い」で終わらせていい問題ではないと思います。これはフジテレビだけではなく、メディア全体の文化・風土の問題ではないか。メディア業界は、人と人との権力勾配、権力の違いがすごく大きな業界なので、パワハラ・セクハラ文化が広がりやすいと思っています。

私の妻も以前在籍していた出版業界の会社でハラスメントの被害に遭って大変悩んでいたことがあります。そのような姿を見てきたので、今回の事案を機に、本当に業界全体として変わってほしいです。

小川キャスター:
風土という点でいうと、昔のやり方を引きずってきたところがあると。会見で「時代に合わせてアップデートしていかなければならない」という幹部の言葉がありました。ただしこれは時代の問題でもなく、その時々で苦しんだり傷ついたりして泣き寝入りしてきた当事者がいるかもしれないという認識の上で、業界全体で構造的な問題がなかったかを点検していくべきだと思います。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
本来テレビを含めメディアはタレントや芸能事務所をちゃんとグリップしなくちゃいけない。ところが段々とタレントの影響力が強くなって、もう抑えが効かなくなり、それがジャニーズ事件にも出てきました。

今回フジテレビ側の説明では「女性の人権を軽く見ていた」と言っていますが、反対に何を重く見てたかといえば視聴率儲け主義だということです。それによって結局、中居さんにはまともな事情聴取をせず番組を継続させていく、ということになりました。そういう体質を変えない限り、またこういう問題が起きます。


強い影響力 日枝氏なぜ不在?

藤森キャスター:
本当に全体として何とかしなければいけない。会見の中では人事の動きがあり、社長も交代するということでした。

会見の最大の注目点は、日枝氏が出席するかどうかでしたが、しませんでした。日枝氏はそれぞれの取締役の相談役を務めているという存在です。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
日枝さんは形式的には代表権がないので、今回の会見にでなくていいというけど、実質的にはものすごい絶大な権限を持っています。例えば、ときの総理大臣との関係をフジグループへの影響力にも使っていたということです。
影響力は大きいけど責任は取らなくていい。これは政治の世界でよく「二重構造」、「闇将軍」と言われる非常に不健全な形です。この不健全な体質を直さない限り、フジテレビは再生できないと思います。

小川キャスター:
日枝代表は今何を思うのでしょうか?フジテレビの対応は適切だったのか、第三者委員会は3月末をめどに調査報告書を提出するということです。

==========
<プロフィール>
星浩 さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

安野貴博 さん
AIエンジニア SF作家
去年の都知事選で5位
デジタルで政治変革を目指す


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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