
歯の治療をするだけでなく、様々なサービスを提供する歯医者が増えています。中には、“推し活感覚”で通える「萌え歯医者」なるものも。
【写真を見る】診察室で「推し活」?お腹に「犬」が乗ってくれる?生き残りをかけ進化する歯医者【THE TIME,】
子どもの虫歯減で歯医者が“戦国時代”
今やコンビニよりも多い6万6000軒まで増えているという歯医者ですが、一方で「倒産・休廃業・解散」は、2024年に145件と過去最多を更新しました。
(※「倒産」は負債1000万円以上の法的整理が対象/帝国データバンクより)
理由の一つは、子どもの虫歯の減少。
虫歯ができる前にフッ素塗布をする予防歯科が一般化したため、
小学生の虫歯統計でも【1990年度:90.3%】⇒【2019年度:44.8%】と20年で半減しているのです。(※文科省「学校保健統計調査」より)
まさに戦国時代に突入している歯科業界。利用者を確保するために、「フレンチ×歯医者」や「アミューズメント×歯医者」など、あの手この手で差別化を図っています。
犬で「不安を取り除く」歯医者
『パレットデンタルクリニック』(茨城・守谷市)が、子どもの患者に足を運んでもらうために導入したのは、【セラピー犬】。
診療台に寝転ぶと、お腹のあたりにちょこんと乗って寄り添ってくれるサービスです。
看板犬の「ちにた」(イングリッシュ・コッカー・スパニエル)を抱えながら治療を終えた男の子は「ちにちゃんがいるほうがいい」とニッコリ。
男の子の母親:
「いつも治療してもらう時に、叫んだりとか、なかなか進まなくて。ワンちゃんがいてくれるおかげで、少しづつ不安が取り除かれて平気になってきた」
他にも、顔がこわばり不安そうだった男の子が、犬の前足をギュッと握ってなんとか我慢。泣かずに治療を終えることができました。
院にセラピー犬を導入した・鈴木伸江歯科医:
「ワンちゃんを触りながら温かさを感じるし、体の上に乗るので子どもも動けなくなるんですよ。うまく治療ができています」
訓練されたセラピー犬は、トイプードルやアメリカン・コッカー・スパニエルなど6頭が活躍。「小さい犬が良い子もいれば、大きい犬が良い子もいる」とのことから、様々な犬種にしているといいます。
THE TIME,マーケティング部の新名真愛部員も治療を受けてみると、小さなトイプードルがおしりを向けてお腹の上に。ちなみに、これは犬が心を開いている証拠なんだとか。
新名部員:
「さっきまでドキドキが止まらなかったんですけど、じんわりあったかい感じがして落ち着いてきた」
小さなおしりに両手を添えたまま、ほどなくして治療は終了。「終わり?嘘みたいに安らいで、全然怖くなかった」とセラピー犬効果にビックリの様子でした。
診察室に「トレーニングジム」
『渋谷デンタルオフィス』(東京・渋谷区)では、診療室の一角に【パーソナルトレーニングジム】を併設。
様々な筋トレができる本格的なマシンがあり、専属トレーナーがマンツーマンで指導もしてくれます。
豊川竜多院長:
「トレーニングと口のメンテナンスはすごく似ていて、どちらも健康をゴールにしている。“トレーニングついでにクリーニング”を目的としている」
「健康な体があってこその歯の美しさ」という信念の元、この形が完成したとのこと。
患者さんも「以前は半年に1回程度だったけど、ジムがあるので週1回来るようになり歯の治療も進んだ」と話し、通うハードルが下がるメリットもあるようです。
推し活感覚で通える「萌え歯医者」
新名部員:
「え~メイドさんがいます。なんで歯医者にメイドさんが?」
東京・秋葉原にある『アキバ歯科』では、歯科衛生士が「メイド服」で接客。
院内では「自分の好きな名前」で呼んでもらえて、「推しの歯科衛生士」まで指名することができる【萌え歯医者】なのです。
歯科衛生士メイド・ももねちゃんに「ほとんど出血しないね。すごいと思う」と声をかけられた女性患者も「うん」と答え、リラックスムードです。
女性患者:
「元々歯医者さんに行くのが、すごい緊張していた。それが今は全くなくて、“推し活の感覚”で来た方が気持ちが楽」
「萌え歯医者」にした理由は、やはり危機感からと話すのは、湯川譲治院長。「差別化を図る結果で、今まで来てくれなかった人が来てくれる。何とかして患者さんを確保することが重要だと思う」
生き残りをかけ、進化する歯医者。今後はどんなサービスが生まれてくるのでしょうか?
(THE TIME,2025年3月10日放送より)
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