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秋の行楽シーズンに潜む“食中毒のワナ” 食中毒対策を専門家&管理栄養士がW解説【ひるおび】

総合
2024-10-16 16:15

2019年~2023年の食中毒の月別発生件数では10月が1年間で最も多くなっています。
涼しくなる季節ですが、なぜ食中毒が増えるのでしょうか?
管理栄養士の渥美まゆ美氏、東北大学大学院 教授の小坂健氏に聞きました。


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なぜ秋に食中毒が多い?

秋の行楽シーズンになるとキャンプやピクニックなど屋外での食事が増えます。
また、秋の味覚には寄生虫や自然毒が多く潜んでいます。


東北大学大学院教授 小坂健氏:
涼しくなっても油断は禁物。気温20℃以下になるまで菌は増殖します。


恵俊彰:
気温が20℃以上だと菌が出てくるということでしょうか?


東北大学大学院教授 小坂健氏:
温度が上がると増殖しやすいということはあると思います。ただ菌によっては、もっと気温が上がらないと増殖しにくい菌もあるので一概には言えないのですが、涼しくなってくると細菌性の食中毒は基本的には減ってきますね。


キャンプの注意点

ポイント(1) 食材を持っていく時
クーラーボックスに食材を入れる際、食材はそれぞれビニール袋に入れ、まず肉類・魚介類を底に入れます。その上に保冷剤、そしてその上にその他の野菜やきのこ類を入れるのが最適です。


管理栄養士 渥美まゆ美氏:
ドリップ(汁)が出やすい肉や魚介類を底に入れた方がいいです。
理想を言えば、野菜などと肉類・魚介類は別々のクーラーボックスにした方がいいです。


ポイント(2) 食材を焼く時


東北大学大学院教授 小坂健氏:
カンピロバクターに注意しなければいけません。
特にカンピロバクターは鶏肉に多い菌です。



Q.鶏肉を焼く場合はどちらがいい?【1】焼いてから切る【2】切ってから焼く


管理栄養士 渥美まゆ美氏:
小さい肉の方が火を通しやすいので、【2】切ってから焼く方が安全です。要はしっかりと火を通す事がポイントになってきますので、生焼けになるリスクを考えたときに大きいまま焼くよりは、下処理をしてサッと焼ける方がいいということです。


東北大学大学院教授 小坂健氏:
切るときにまな板や包丁から野菜とかに菌が汚染される可能性がありますので、気を付けていただきたいです。トングも生の肉を焼く時と、自分が食べるモノを触るときは別にした方がいいですね。


ポイント(3) 食べる時


焼けたらすぐに食べる。
焼けたまま長時間放置していると、菌が増殖する可能性も。食べる時に再度加熱する。


◆カレーライスの場合
カレーの材料となる肉や魚介類、野菜には食中毒の原因となる「ウェルシュ菌」が付着しています。


恵俊彰:
ではどうしたらいいんでしょうか?


管理栄養士 渥美まゆ美氏:
キャンプの際のカレーは、作ったその日に食べる。翌日カレーはNG。
キャンプ場ですと一番菌が増加しやすい温度帯で長時間置くことが多いので、なるべくその日のうちに食べましょう。
ご家庭で食べる場合は、しっかりとすぐに冷やして小分けにして冷蔵・冷凍していただけば菌がそこまで増殖しないです。食中毒の報告も多いので、とにかくすぐに冷やすことが大事です。


恵俊彰:
ウェルシュ菌に関しては火を通すだけではダメということ?


東北大学大学院教授 小坂健氏:
ウェルシュ菌が死なない場合もあるということです。きちんとかき混ぜながら加熱をすることが大事です。


〇農林水産省のホームページ「楽しく健康な食生活のために」によると…


ウェルシュ菌は、100℃で1時間の加熱にも耐える熱に強い芽胞を作ります。
そのため、加熱と「常温での放置」を繰り返すことは避けて下さい。


安心して楽しむためのポイントは、次の通りです。
・調理の際や食事の前には必ず手を洗いましょう。
・保存する場合は、底の浅い容器等に一度に食べられる量を小分けして、冷蔵庫で保存(10℃以下)しましょう。
・保存した料理を食べる際には、なべ底までしっかりかき混ぜながら再加熱(60℃10分以上)しましょう。


ピクニックでの注意点

Q.サンドイッチの具で食中毒のリスクが低いものは次のうちどれでしょう?
たまごサンド・ハムレタスサンド・ツナサンド


A.たまごサンド
野菜から水分が出やすいので、この場合は火が入っているたまごサンドが一番リスクが低くなります。
※注意 半熟卵の場合はリスクが高くなります


管理栄養士 渥美まゆ美氏:
ポイントは水分。作るときにしっかり水分を取ればリスクは減らせる。
大事なことは手をきれいにして菌を付けないということと、なるべく水気の少ないものにすることです。


管理栄養士渥美まゆ美さんがオススメする「キング・オブ・サンドイッチ」は・・・
「カツサンド」と「厚焼き玉子サンド」です


管理栄養士 渥美まゆ美氏:
とんかつ自体に下味をつけると、ソースがなくてもよいのでさらにリスクは減ります。
大切なのは、作ったらなるべく早く食べることです。
時間が経てばそれだけ食中毒のリスクは増えます。


アニサキスに要注意

都内のスーパー「アキダイ」ではこのような対策をしているそうです。


▼目視で確認
▼ブラックライトで確認
▼一部商品は24時間以上冷凍してから販売
▼ポップで注意喚起


消費者ができる対策としては、◆内臓を生で食べない◆目視でアニサキスがいないか確認する、ということです。
事業者ができる対策としては、70℃以上または60℃以上で1分加熱。-20℃で24時間以上冷凍することです。


食中毒予防の3原則

小坂教授によると、食中毒対策の原則は以下の3つ。
〔1〕食べ物に細菌を「付けない」
〔2〕食べ物に付着した細菌を「増やさない」
〔3〕細菌を「やっつける」


(ひるおび2024年10月14日放送より)
==========
<プロフィール>
小坂健氏
東北大学大学院 教授
元国立感染症研究所・主任研究官
内閣府食品安全委員会専門委員


渥美まゆ美氏
管理栄養士 冷凍弁当などの監修を行なう
著書に『同時に3品作りおき 朝つめるだけ弁当188』


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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