韓国ではきょう、「人生を左右する」とも言われる大学入試の統一試験・修能が実施されました。韓国では、メロディが頭から離れない曲は「スヌン禁止曲」と呼ばれ、受験生が避ける風潮があります。今年はどういった曲が注目されたのでしょうか?
記者
「ソウル市内の試験会場には、受験生たちが続々と向かっています」
韓国できょう行われた「大学修学能力試験」、通称「修能」。今年は52万人あまりが出願しています。
学歴社会の韓国では、大学入試が人生を左右するとも言われ、遅刻しそうな受験生を警察がパトカーで送り届ける、毎年おなじみの光景が見られました。
受験生
「修能は人生のすべてではないが、学生としての重要な山場なので、ちゃんとやるという気持ちでやりたい」
なかにはこんな声も。
受験生
「1か月前から音楽を全く聴いていなかった。耳に残ると思って」
今年の受験生にとって気がかりとなる曲の一つにあがっているのが、韓国のガールズグループ、BLACKPINKのメンバー・ロゼさんと世界的な人気歌手、ブルーノ・マーズさんが歌った「APT.」。
繰り返される歌詞とメロディが話題となり、ミュージックビデオは公開から1か月もたたないうちにYouTubeでの再生回数が3億回を突破する大ヒットとなっています。韓国でのSNSの反応を見ると…
SNS(韓国)
「試験まで残りわずかなのに、こんな曲を出すなんて」
「聞くのが嫌だ…これも“スヌン禁止曲”だ!」
実は、韓国のネット上では例年、歌詞とメロディの印象が強い曲は頭から離れず、勉強や試験に集中できなくなるという理由で「スヌン禁止曲」と呼ばれ、受験生が避ける風潮があります。
すでに大学生となったソウルの若者に受験当時のことを振り返ってもらうと。
ソウルの大学生
「周りで歌う生徒がいたら、(ほかの生徒が)歌うなとずっと言っていました」
「集中できない時、急に(曲を)思い出しました」
この時期、受験生の音楽への向き合い方について心理学の専門家は。
壇国大学校 イム・ミョンホ教授
「自分の心が一番安らかになる音楽でも、運動でもやってみるのが良い。ところが、受験生たちは(精神的に)非常に脆くなっている。当分避けた方が良い」
韓国で例年おなじみとなっている「スヌン禁止曲」。今ではフレーズを繰り返す曲があると、「これはスヌン禁止曲では?」と人々の間で話題になるそうです。
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