きょう、日本経済を引っ張る経済3団体の新年祝賀会が開かれました。物価高に賃上げ、私たちの生活は今年はどうなっていくのか、企業のトップに聞きました。
ホラン千秋キャスター
「現在、経済3団体による新年の祝賀会が行われています。今年の賃金・物価はどうなるのか、企業のトップに聞きます」
まず、いちばん気になるお金の話。今年の賃上げについて、札を上げてもらいました。
DeNA 南場智子 会長
「前向きですよね。一律の賃上げというよりは、張り切った人が報われる社会にしていきたい。業績を上げた人、実力のある人、あるいはこれから新しく求められるスキルを持っている人に大胆に報いることが重要」
三井不動産 植田俊 社長
「5%以上の(賃上げ)、25年度は目指していこうと」
サントリーHD 新浪剛史 社長
「前向きなんですよ。まず去年(7%)は上げること。ただ『以上』にするかは組合との交渉。ただ、私たちはまずこう言っておいて、組合を通ってどうなるか」
三井住友銀行 福留朗裕 頭取
「当然、前向きに考えていきたいですし、やはり長い目で見ると、人材の確保育成に四苦八苦する時代が目の前に迫ってますので」
人手不足が賃上げを促しそうですが、それを上回るペースで上がっているのが物価です。各社、消費者にどう値上げを受け入れてもらうのかが、課題だと話します。
ローソン 竹増貞信 社長
「単純に値上げをしていくのではなく、新しい価値をその商品に本当に付加して客に提供できるかにかかっている」
日本マクドナルドホールディングス 日色保 社長
「価格に見合う、またそれを超えるサービス、または商品を提供し続ける。早くサービスをするとか、コンビニエンスの要素を磨いていかないと、それで値段を上げてしまって客が離れてしまうということになってしまうので。本当にそこに尽きる」
ただし、ここにも大きな問題が…
日本マクドナルドホールディングス 日色保 社長
「利益面では、いまの水準の円安が続くと非常に厳しい」
きょうも半年ぶりの水準まで進んだ歴史的な円安。これは業種によって捉え方が違うようです。
ANAホールディングス 芝田浩二 社長
「行き過ぎだと思う。アウトバウンド需要にかげりが出てくる。日本から外に出ていこうという意欲が下がる。日本の国力を考えた時に、日本人が世界を見る目がだんだん閉ざされていく。これは大きなデメリット」
西武ホールディングス 西山隆一郎 社長
「インバウンドのお客さまがすごく増えている。インバウンドのお客さまは、価格への許容度がかなり高い。円安というのもある。日本人と外国人、外国人が35%だったが、今はもう50%くらい」
日本航空 鳥取三津子 社長
「もっと円高になっても、あまりインバウンド客の数は減らないのではないか」
大和証券グループ本社 荻野明彦 社長
「年内に日銀が利上げを2回くらいはするだろう。年後半にかけては円高の方向にうつっていく。140円台というのも見えてくる」
そのうえで、今年の平均株価の予想は?
大和証券グループ本社 荻野明彦 社長
「『45,000円』。強気のつもりだったが、みなさんの色々な意見を聞いていると、強気の中心くらい」
企業の経営トップから多く聞かれた今年の大きなリスク要因が、2週間後に迫ったトランプ大統領の誕生です。
三井不動産 植田俊 社長
「正直言って『読めない』というのが、偽らざる言い方。大国のエゴであったり、自国第一主義であったり、秩序ない世界というものが現実味を帯びてくるということに対して非常に危惧」
ただし、同時に多くのトップが口にした言葉もあります。
ホラン千秋キャスター
「『付加価値』というワードを挙げる経営者の方々が、きょうすごい多い印象」
ローソン 竹増貞信 社長
「今年も、例えばトランプさんも、もうすぐ大統領就任されて、いろんな変化が想定されている。実はこの変化をポジティブに捉えることができるかどうか、変化があるから付加価値が生まれてくる。そういうふうにも考えてます」
例年以上に不透明な状況を抱える今年の日本経済。時代の変化をどう捉えるのかが大きな鍵となりそうです。
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