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スノーボード男子ハーフパイプW杯(日本時間23日、カナダ・カルガリー)を制し、3シーズン連続の種目別優勝を決めた平野流佳(22、INPEX)が24日に帰国し、インタビュー取材に応じた。
全5試合のW杯で2月1日の第4戦アスペン大会と第5戦のカルガリー大会で連勝。後半の2試合で逆転し、シーズンの総合優勝ともいえる種目別優勝が決まった。
3連覇達成ついて平野は「W杯初戦で5位と出遅れてしまったが後半戦で巻き返せてよかった。W杯の中には五輪選考の大会もあったので、結果を出せてうれしいというよりも安心したという気持ちが強い」と振り返った。
安定した力を出せたのは過去2シーズンの連覇が大きいという平野。「北京五輪(22年)までは2本目までミスしていたら、3本目を滑る時、また転倒するかもというマイナス思考があった。でも今はそういう思いがない」と話し、結果を残してきたことで自分のライディングに自信を持つことができ、良いイメージで滑れているという。
北京オリンピック™では平野歩夢が世界初の大技・トリプルコークをみせて金メダルを獲得。あれから3年、今はトリプルコークを飛べなければ勝てない時代と言われ、平野流佳も今年完全にマスターし、2つのW杯でしっかり決めている。
自身も「北京五輪後に一番成長したところ」と語るが、回転系の技全盛時代ではあるものの、その流れに少し変化を感じ、「スタイル要素をジャッジが最近見ていると思う」と平野は言う。
平野流佳の場合はルーティンの一番最初に見せる「スイッチバックサイドダブルコーク1080」という縦に2回転・横にも3回転するこだわりの技があり、「最初グラブを持って回すときよりも回転を速くして、1回転したところで反って1回止まる。目線も一回止まるのでリップにいる人の顔もハッキリと見える。今年からやり始めました」とさらなる高みへ挑戦し続ける平野。
今後は3月には世界選手権、そして来年2026年にはミラノ・コルティナ五輪が控える中、平野は「世界選手権が今年一番大きい大会なので、W杯に満足せずに良いルーティンをしたい」と意気込み、五輪については「北京の時は上手くいかなかったので(12位)、ミラノ・コルティナにかける思いは強い。北京の時に3本こけたバックダブルを今年の大会では一回もこけてないので成長しているなと感じる」と自信をのぞかせた。
「もっと高難度の技が出てくると思うのでそれに負けないように、自分だけしかできない技だったりスタイルを出す技をやっていきたい」
W杯初Vの冨田せな「やっと調子が戻ってきた」
そして、北京五輪の銅メダリスト・冨田せな(25・宇佐美SC)も帰国。最終戦のカルガリー大会でW杯初優勝を飾った冨田は「色々な人にW杯の優勝は初めてだったんだって言われたんですけど、今季成績を残せてなかった分、勝ちたかった気持ちもあったし、自分のできることをやっての優勝だったので良かった」と安堵した。
3月の世界選手権は、冨田にとって3大会連続の五輪の切符がかかる。
「ここで内定を貰えるのが一番だけど、やっと調子が戻ってきたところなので、世界選手権の前にある全日本選手権、スノーリーグ(ショーン・ホワイトが創設した新大会)で調子を上げつつ世界選手権でいい結果を残せたらいい」
日本女子で初のメダルを掴んだ北京五輪から3年、次のミラノへの戦いを見据える。FISフリースタイル・スノーボード世界選手権はスイスのエンガディンで開催され、ハーフパイプ種目の男女優勝者は、ミラノ・コルティナ冬季五輪の内定が決まる。
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