皇族を増やすため、▼女性皇族が結婚後も皇室にとどまる案、▼旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案の2つがあがっています。どのような課題があるのでしょうか。
「万世一系」の皇位継承 最後の女性天皇は江戸時代
皇位の継承をめぐっては、「万世一系」という神武天皇から今の天皇陛下まで、2000年以上「一つの血筋」が続いてきたとされる考え方があります。
そして、その血筋とは、父方が天皇の血を引く「男系」を指します。
長い歴史の中で、推古天皇や持統天皇ら女性天皇も8人いますが、皆、父方が天皇の血筋である男系なのです。
ちなみに最後の女性天皇は、江戸時代の後桜町天皇。父親の後を継いで天皇になった弟が若くして亡くなったため、皇位を継ぎましたが、次の皇位は弟の息子に継承されたことで、男系の血筋がつながっていったのです。
そして、今のように男系の血筋であっても女性が天皇になれない仕組みとなったのは「皇室典範」が制定された明治22年のこと。
「男系の男子のみ」で皇位継承者数が減少
女性天皇に皇族ではない夫の血筋を継ぐ子どもが生まれることによって「皇統が他に移る」ことなどを警戒し、皇位を継承するのは「男系の男子のみ」と厳格化されたのです。
しかし、平成になって皇位継承者の数が減少するなかで、愛子さまが誕生されると、小泉政権時代には「女性天皇や、母方だけが天皇の血筋を引く女系天皇を容認する」という有識者会議の報告書がまとまり、法改正の機運も高まりました。
ただ、その後、悠仁さまの誕生を受け、女性天皇や女系天皇の議論は事実上「棚上げ」となってきたのです。
そんな中、現在の皇室を見ると、次世代の皇族は悠仁さま以外全員女性で、今の制度のままでは、結婚すると皇室を離れることになります。
そこで皇位継承を議論する前に「まずは皇族の数を維持しよう」という点に絞った議論が始まっているのです。
皇族維持のための「2つの案」 一方で“600年の壁”も
具体策は大きく2つ。
1つ目は「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」。
ただその場合、配偶者や女系となるその子どもも皇族とするのかについては、意見が割れています。
そして、2つ目が「旧宮家の男系男子を養子に迎える案」です。
「旧宮家」とは終戦直後に皇族の範囲が見直される中で皇籍を離脱した人たちで、現在その子孫で男系の血筋を引く未婚の男子が10人ほどいるとされているのです。
ただ、民間人として育った本人が皇室に入る意思があるかどうかの確認が必要なうえ、現在の天皇家との共通の祖先は600年前、室町時代の「後花園天皇の弟」にまで遡ることになり、血縁関係の遠さが指摘されています。
変わる世界の王室 日本の皇室の未来は?
日本が「男系男子による皇位継承」という難題に直面する中、海外の王室はどうなっているのでしょうか。
例えば日本の皇室と緊密な交流が続くイギリスでは、女王だけでなく「女系」の継承も認めているため、世界中に5753人もの王位継承権を持つ人がいるとされています。
さらに、継承順位については「男女を問わず一番上の子を優先する」ことになっています。
また、かつて日本と同様「男系男子のみ」で王位を継承してきたベルギーでは、1991年に世論を背景に、女性が王になれる制度に変わっています。
日本の皇室にまつわる「万世一系」の考え方が、この先、変わっていくこともあるのでしょうか。
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