海外ではどのように対策しているのでしょうか。偽情報やフェイクニュースに「騙されにくい社会」を作るドイツの取り組みです。
【写真で見る】SNSの偽情報を見分けるポイント 実際にAI生成されたものを見てみると…
“涙の訴え”は偽物 ドイツのフェイク対策
記者
「いま、SNS上のデマやフェイクニュースが拡散されていないか、確認作業が行われています」
SNS上で拡散されているウクライナの兵士とされる動画。涙ながらに「ウクライナの兵士は戦争を望んでいない」と訴えています。
「これらは全てAIによって生成されたものです。ウクライナ兵の実際のヘルメットが、このヘルメットとは違うものだと分かりました」
彼らはドイツの公共放送「ARD」の「ファクトファインダー」と呼ばれる専門チーム。SNS上のフェイクニュースや、政治家による事実と異なる発言などを分析し、市民に発信しています。
そして、事実かどうかの確認=ファクトチェックが必ず行われるのが、選挙です。
ファクトチェックは「民主主義を守るもの」 対談や党首討論会でも…
去年2月に行われた総選挙では、「移民排斥」などを掲げる極右政党が躍進し、社会の分断が鮮明になりました。選挙の直前にSNS上で行われた極右政党の共同代表とアメリカの実業家、イーロン・マスク氏との対談では、「ファクトファインダー」は次々と間違いを指摘しました。
極右政党「AfD」 ワイデル共同代表
「ほかの既成政党はどれも移民を大量に受け入れ、犯罪率が急上昇しています」
ARDのファクトファインダー ジッゲルコフさん
「2021年はコロナ禍の影響で犯罪件数は非常に低かった。過去2年間だけではなく、より長い期間の状況を見ると、犯罪率は実際に低下していることが分かります」
マスク氏の発言についても…
イーロン・マスク氏
「現在、ドイツ首相の最有力候補であり、世論調査でも最も支持率が高いアリス・ワイデルとの対談へようこそ」
ARDのファクトファインダー ジッゲルコフさん
「彼女の人気について言えば、世論調査では彼女は5番目に過ぎませんでした」
選挙直前に行われる党首討論会でも厳しいファクトチェックが行われます。
中道右派「キリスト教民主・社会同盟」 メルツ党首(現首相)
「働く能力があるにもかかわらず働いていない人々は、将来、生活保護金は受け取れなくなるでしょう。その数は180万人にも上ります」
この180万人には、幼児を抱える一人親や重度の障がい者なども含まれていて、実際に労働を拒否している人は1万6000人しかいないことを情報源と共に掲載しました。
ARDのファクトファインダー ジッゲルコフさん
「ポピュリスト的な人たちは好きなことを何でも主張します。複雑な問題をそのまま描くよりも、誇張して白黒はっきりと表現した方がはるかに簡単だからです」
かつて、ナチスがプロパガンダを利用した過去をもつドイツ。ファクトチェックは「民主主義を守るもの」として社会に浸透しています。
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