アメリカのトランプ大統領が日本時間の23日午後8時すぎ、SNSでイランの発電所などへの攻撃を「5日間延期する」と表明しました。トランプ氏はこの2日間、イランと「非常に良い、生産的な協議を行ってきた」とも明かした一方で、攻撃の延期は「協議の成功が条件」としていて、攻撃に踏み切る可能性に含みを持たせています。
トランプ氏「攻撃を5日間延期」“心変わり”はマーケット意識か
トランプ大統領(23日、自身のSNSより)
「この2日間、アメリカとイランは、両国の敵対関係の完全かつ全面的な解消に向けて、非常に良い、生産的な協議を行ってきた」
「イランの発電所とエネルギー施設への攻撃を5日間延期するよう、国防総省に指示した」
日本時間の23日午後8時ごろ、トランプ大統領が突然、イランの発電所などへの攻撃を5日間延期するよう指示したと表明しました。
アメリカとイランの協議に進展はあったのか、それとも別の何かがトランプ氏を“心変わり”させたのか。
そもそもトランプ氏は、先週末もイランに圧力をかけていて、“ホルムズ海峡を開放しなければ、イランの発電所を壊滅させる”と迫っていました。
トランプ大統領(21日、自身のSNSより)
「48時間以内にホルムズ海峡を完全に開放しない場合、イランの発電所を攻撃し壊滅させる」
メッセージの投稿時間から計算すると、タイムリミットは日本時間の24日午前8時44分。
なぜトランプ氏はこのタイミングで、発電所などへの攻撃を延期するよう指示したのか。専門家は…
明海大学 小谷哲男 教授
「トランプ氏は常にマーケットを意識しているので、大胆な行動をとる時は週末を狙うことが多い。マーケットが開く前に成果を出して、ポジティブな反応を得たいというのがある」
「週末の48時間を期限にして、その間にイランと交渉が進んだと言っている。週明け、マーケットが開くときに、それがポジティブに作用することを狙った可能性はある」
イランでは死者1500人超、核施設にも攻撃
イランへの攻撃が始まってから3週間。現地では大勢の市民や子どもたちが命を奪われていて、死者はイラン全土で1500人を超えています。
瓦礫の下から見つかったのは、動かなくなった子どもの足。住宅だった場所からはもう1人の子どもの遺体。そして理容師だった父親の遺体も見つかったということです。
先週末、イランは住宅や港、そして核施設も攻撃を受けました。
イラン側によると、攻撃されたのは中部・ナタンズにあるウラン濃縮施設。被害の詳細は不明ですが、イラン側は「放射能漏れは確認されていない」としています。
攻撃をしたのはアメリカとみられ、イランは核拡散防止条約に違反する攻撃だと非難。今度はイラン側が、核関連施設の近くにあるイスラエルの都市など2か所を攻撃しました。
イランメディア
「ナタンズの核施設への攻撃に対する報復だ」
IAEA(国際原子力機関)によると、核関連施設の被害は確認されていませんが、イスラエルメディアはそれぞれの攻撃を合わせて約200人がけがをしたと報道。ネタニヤフ首相は今後も攻撃を続ける考えを示していました。
イスラエル ネタニヤフ首相の声明
「すべての前線で敵を撃ち続ける決意を固めた」
さらにトランプ氏が、48時間以内にホルムズ海峡を完全に開放するよう迫ったことで、情勢は一層緊迫化。
イラン側は強く反発していました。
イラン軍
「発電所に関するアメリカの脅迫が実行されたら、ホルムズ海峡は完全に封鎖される」
「実のある交渉ができるか」不透明さ増すイラン情勢
互いに強い言葉で警告し合う中で、トランプ氏が発表した発電所などへの攻撃延期。
ただトランプ氏は攻撃の延期について、「進行中の協議の成功を条件とする」とも書き込んでいて、イランとの協議が決裂すれば、攻撃に踏み切る可能性にも含みを持たせています。
明海大学 小谷哲男 教授
「これもトランプ氏なりの取り引き。引き続きイラン側に譲歩を求めることで、さらなる譲歩をひきだそうとしている」
こうした中、イランメディアは当局者の話として、「トランプとの直接的・間接的なつながりは一切ない。我々が中東のすべての発電所を標的にすると伝えたところ、彼は引き下がった」などと報じ、アメリカと協議があったことを否定しました。
明海大学 小谷哲男 教授
「お互いに望んでいるものにかなり開きがあるので、この先、停戦交渉が始まるとしても、まとめるのは簡単ではない。5日間の猶予が生まれたが、それがいつ崩れてもおかしくない」
「なによりイラン側の体制。最高指導者が殺害されて、その後の体制がどうなっているのか、実際はよくわからない。今の状態でアメリカとイランで実のある交渉ができるかは不透明」
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