ネパールと中国の国境地帯で発生した大規模な土石流。
死者は約480人、行方不明者は1500人以上にのぼっていて、日本人5人の安否もわからないままです。
安否不明の日本人5人の氏名公表 国境付近を移動中に巻き込まれたか
発生から28日で丸2日となるなか、現地では今も懸命な救助活動が続けられています。
土砂の中から泥まみれになって救出される人や、救助隊とともにぬかるみから出ようとする人など助け出された被災者の様子も見られます。
国境から100キロほど離れた首都カトマンズでは…
村橋佑一郎記者
「首都カトマンズの病院には、被災地で救助されたけが人などが次々と運び込まれていて、家族や親族が行方不明になっている人たちが確認に訪れています」
病院では、夫が行方不明になっている女性や、柱に貼られた入院している人の名前の一覧を確認する親族らの姿が見られました。
この土石流では、日本人5人の安否もわかっていません。
ネパール観光局が公開した「連絡が取れない人のリスト」には日本人とみられる「ヤマモト・トシタカさん」、「ヤマモト・カナコさん」ら同じ名字の男性3人、女性2人のあわせて5人の名前が掲載されています。
JNNはこのリストの名前と一致する5人に観光ツアーを手配したという、ネパールの旅行会社の担当者に話を聞きました。
ーードライバーも5人と一緒にいた?
旅行会社の担当者
「はい」
ーー全員が行方不明に?
「はい、全員が行方不明になりました」
日本人5人の観光ツアーを手配したという旅行会社は、「5人は幼い子どもを含む家族」だと話していました。
旅行会社の担当者
「彼らは家族だと思います。彼らは中国側から入った。そして私たちは国境で彼らを迎え、カトマンズのホテルまで連れていく予定だった」
国境付近を移動中に巻き込まれてしまった可能性があり、ネパール人の運転手も行方が分かっていないということです。
死者480人超 行方不明者1500人以上に… 大規模被害の原因は?
なぜ、土石流は発生したのか。
現場周辺の衛星画像を解析した、東京大学の渡邉英徳教授は「氷河が広範囲で崩壊、土壌がむき出しになっている」と指摘。これが土石流の発生源との見方を示していて、気候変動が影響した可能性もあります。
JNNのクルーが被害が大きかった国境から50キロほど離れた村に入ると…
村橋記者
「この先、道路が完全に土砂で飲み込まれてしまって、先に入れないようになっています。今、重機を使って撤去作業・捜索活動が行われていますが、地元ではかなり大きなマーケットがあったということで、多くの住民が土石流に巻き込まれて、命を落としたということです」
土砂に埋まった建物や壊滅的な被害を受けた市場などもあり、土石流がいかに大規模なものだったのかを物語っています。
友人が行方不明
「私の友人も橋の近くに住んでいました。彼は家族を助けようとして、子どもたちを連れ出すことには成功したのですが、母親を助けに戻った時に被害に遭ったと聞いています」
この土砂崩れでネパール側の死者は477人、中国側の死者は5人で、行方不明者はあわせて1500人以上にのぼっています。
被災地ではいまも救助活動が続いていますが、崩落した氷河や土砂が上流部で川をせき止めている可能性があり、二次的な災害の恐れも指摘されています。
中国・チベット自治区に隣接しているネパールのラスワ郡では鉄砲水が発生し、川沿いの集落が壊滅的な被害を受けています。
再び災害が発生するおそれも 水位上昇の川周辺を規制
村橋佑一郎記者:
ネパールのヌワコットという地区にあるネパール軍の活動拠点に来ています。ここには、救助された人たちが運び込まれ、一時的な手当てなどが行われています。
ここから5キロほど進んだところにあるトリシュリ川でも氾濫が起きました。川沿いの地域を取材すると、土石流の被害がいかに広範囲に及んでいるのかが分かります。
当時は3~4メートルの高さまで水位が上昇し、建物の1階部分が土砂に埋もれ、泥水が2階部分にまで達しているところもありました。
また、地元の人たちでにぎわう市場も壊滅的な被害を受け、地元住民によると、死者・行方不明者は100人を超えるということです。
市場にいた人たちは急激な濁流で逃げる間もなく、流されてしまったとみられます。
ーー救助活動が続くなかでさらなる被害のおそれも出ているようですね。
村橋記者:
中国当局は、土石流の影響で、水がせき止められてできた自然のダムが決壊するリスクが高いと発表しました。
そして、ネパール警察はさきほど、「すでに決壊が起きた」と発表し、被災地での救助活動を一部中断し、住民らへ避難を呼びかけました。
取材したトリシュリ川でも水位が再び上昇しているとして、警察官が周辺の道路を規制し、車に引き返すよう促していました。
被害の全容がみえないなかで、再び災害がおきるおそれがあり、現地では緊張と不安が高まっています。
被害のあった「ラスワ郡」 ヒマラヤ山脈への玄関口として観光客が集まる場所
山内あゆキャスター:
今回、被害が大きかったネパールのラスワ郡は、大変美しいところです。
ヒマラヤ山脈への登山やトレッキングの玄関口として知られ、世界中から観光客が集まる場所です。特に夏は花がきれいということでたくさんの人が訪れています。
今回、連絡の取れない観光客は27日時点で、34か国、537人にのぼり、このうち5人が日本人とのことです。
インド人の観光客が178人と多いですが、ヒンドゥー教や仏教の巡礼の入口となっていることが要因とされています。
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