まもなく始まるトランプ政権との関税交渉。ポイントの1つが「自動車」です。トランプ大統領は「日本の規制がアメリカ車の販売を妨げている」と主張していますが、なぜ売れないのか?本当の理由を探りました。
赤沢経済再生担当大臣
「言うべきことは言うということと、あとは信頼関係を築く」
“トランプ関税”の交渉を担う赤沢大臣は、あすの出発を前に、自民党の「対策本部」の会議に参加。出席議員から相次いだのは、農業分野への影響を懸念する声です。
ホワイトハウス レビット報道官(3月11日)
「日本はコメに700%の関税をかけている」
政府は、コメなどの農産物の市場開放などを求めてくるとみられます。さらに、トランプ氏がこだわるのが…。
トランプ大統領(7日)
「我々は日本でまったく車を売っていない。ゼロに近い。一方で、日本はアメリカに何百万台もの車を売っている」
日本はアメリカ車に関税をかけていませんが、アメリカ側は関税以外の“壁”が存在すると主張しています。一体、その壁とは?
「輸入してから1年近く経つんですけど、未だに登録できない」
1980年代から90年代にかけてブームとなった“アメ車”。多くの若者を魅了しました。しかし去年、日本で売れた輸入車(新車)のうち、アメ車は全体の7%ほど。なぜ、アメ車は売れないのか?
埼玉県内にある輸入車専門店。50台以上のアメ車を扱っています。
スカイオート 村上周平 社長
「ピックアップが特徴で、日本にはないサイズ感」
およそ30年、アメ車を販売する村上さん。販売を難しくしている“壁”は確かにあると話します。
こちらの車。このままでは日本の道路では走れません。
スカイオート 村上周平 社長
「ウインカーが赤いんですよ、これも駄目なんです。オレンジにする必要がある」
日本の安全基準にあわせるため、ウインカーは赤ではなくオレンジに。シートベルトの警告灯もつける必要があります。さらに、騒音や排ガスのテストなどが必要で、1台200万円のコストがかかることも。アメリカ側は、こうした日本の安全基準などが“非関税障壁”としてアメ車の販売を妨げていると主張しています。
一方で、それ以外の問題もあるとの指摘も。
大手自動車メーカー関係者
「ニーズが日本人に合っていないだけでは」
日本の車検を通ったアメ車に乗せてもらいました。
スカイオート 村上周平 社長
「V8サウンドに乗りたくて乗っている方って結構多いと思うので、日本車では味わえない感覚と言うんでしょうか」
この車はディーゼル車。燃費性能はいい方ですが、リッター7キロ。日本のハイブリッド車では20キロ超えはあたりまえです。また、日本の狭い道では…。
スカイオート 村上周平 社長
「日本車だと、すって回れるところでも、アメ車だと前なんかもギリギリで入っていかないといけない。運転技術が必要なところはあります」
車幅や小回りの良さも重要です。
本格的に始まる日米交渉。赤沢大臣は、無理難題をふっかけるアメリカに対峙することはできるのでしょうか。
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