日経平均株価は、13日も最高値を更新し、4万3000円台で取引を終えました。景気の上向きを感じてもおかしくない数字ですが、実際はどうなんでしょうか。(「news23」8月13日の放送より)
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日経平均2日連続で最高値更新 「儲かった」一方、「ピンとこない」
13日、日経平均株価の終値は4万3274円と、2日連続で最高値を更新。都内にある証券会社では「売却」「投資」そんな言葉が飛び交っていました。
「相場も良くなってきたので、どうですか、新しくご投資とか」
「2900円で1000株、売却できています」
株価上昇の要因は、9月にアメリカで利下げされるとの期待が高まったこと。さらに、トランプ関税を巡って日米間のズレが解消されたとの見方も株価を押し上げました。
投資家はどう受け止めているのでしょうか。
個人投資家の男性は、“楽観視はできない”としつつも…
個人投資家
「結構上がりました、儲かりましたね。10%以上は上がっています」
個人投資家
「10%~20%は(利益)出てるかな。最高値が連日続くと、景気がよくなっているのかと嬉しくなる」
「儲かった」との声がある一方で...
会社員の女性
「ピンとこないというのが正直なところです。自分の生活に直接どう影響するのだろう」
会社員の男性
「お付き合いのある会社も取引してても出し渋ったり。あまりよくなったなとは感じていない」
「給料は上がらない」や「企業の業績は変わってない」などの意見も。
会社員の男性
「株価が上がったら景気がいい、これから不安がなく生活できるという方はほとんどいない。物価が上がったり、給与がそれなりに上がらない、不安を抱えている方の方が多い」
株価はまだ上がる?専門家「最高値更新は違和感」「過熱感がある」
小川彩佳キャスター:
まさに実感と株価との乖離がずっと続いている感覚がありますが、株価はまだ上がり続けるのでしょうか。
23ジャーナリスト 片山薫経済部筆頭デスク:
「上がり続ける」と強く言う人はあまりいません。
今回はトランプ関税の影響もあり、企業の業績はそれほど良くない、あるいは少し悪くなるという見通しを出している企業の方が多いので、いきなり上がることはないのではないかというのが専門家の見方です。
実際に、第一生命経済研究所の熊野英生氏は「最高値更新は違和感」と発言したり、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅治氏は「(相場に)過熱感がある」と指摘しています。
トラウデン直美さん:
「違和感」「過熱感」を感じていたり、景気が良くなっている実感もなかったりするなか、当然、一気に下落するリスクもありますよね。
片山デスク:
急落・暴落への恐怖感は今、市場にはありませんが、やはりトランプ大統領次第というところです。トランプ大統領が次に何をしてくるのか、その一手で大きく変わっていくというのはあります。
トランプ関税の不透明感が和らいだかというと、エコノミストは「霧は晴れてない」と発言するので、見通しが良くなったという安心感もないようです。
トラウデン直美さん:
喜べる状況ではないということですね。
小川キャスター:
こうした数字を実際に目にすると、株をやっていない方は、ここで「投資に乗り出してみよう」「NISAをやってみよう」と関心を持つ方もいるかもしれません。
片山デスク:
今「新NISA」を始めることについて、第一生命経済研究所の熊野英生氏は「今だけ買うのはおすすめしない」と言います。
今、利益が出ている方は1年前から積み立ててきて、2割ほど利益が出てきた方が多いのではないかと見られています。
これまで株価が低かった時もコツコツ買い続けた方の結果なので、いきなり“今だけやろう”と焦って始めるのは気を付けた方がいい。あくまで余裕のある範囲で長期を見て積み立てていった方がいいというアドバイスでした。
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<プロフィール>
片山薫
23ジャーナリスト 経済部筆頭デスク
財務省や経産省・農水省などを担当
トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行
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