企業の福利厚生のひとつで、一人当たり月額3500円の「食事補助」があります。
その補助金の引き上げの機運が今、高まっているようです。
【写真を見る】「もう最高」社員が大絶賛 有名企業の社員食堂 驚きのメニュー
「食事補助」に引き上げの動き
出水麻衣キャスター:
「食事補助」とは、企業が社員食堂などで従業員1人あたり月額3500円まで食事代をサポートしてくれる制度です。(月額3500円が非課税限度額)
例えば食費(月)8000円の場合、▼会社負担3500円、▼従業員負担4500円になります。
今回、経済産業省は1984年以来据え置かれている非課税限度額の見直しを行う方向で動いているということです。
ある調査によると、社員食堂を導入している企業の割合は2809社のうち、24%程度にとどまっているそうです。(全国10人以上の企業/労働政策研究・研修機構<2020年>)
そんななか、お得で驚きの食事を提供する企業がありました。
非課税枠拡大で“分厚いステーキ”の提供回数増える?
東京・千代田区にあるLINEヤフーの社員食堂のメニューを見ると…
・国産黒毛和牛のステーキ~アンチョビとマスタードの香味ソース~(スープ・ご飯付/685円)
・タイ人シェフ特製!スペシャルプレート ガパオ炒め&グリーンカレー(525円)
・サラダ(100円)
従業員にバリエーション豊かなメニューをよりお得に楽しんでほしいと、社食経営に「食事補助」を充てています。
LINEヤフー グッドコンディションサポート部 長谷川由紀さん
「(食事補助の)見直しはとてもポジティブな変化だと考えていて、黒毛和牛の登場が非課税枠が拡大することで回数が増やせるんじゃないか」
化粧品や健康食品を手がけるファンケルの社員食堂ではお昼時になると長い行列ができていました。
会社として、美と健康を掲げているファンケルでは「社員の健康面は社食から」ということで、日替わりでタンパク質豊富な『カジキの竜田揚げ定食』など3種類のメニューが350円で食べられるというのです。
ファンケル 人材開発部 和田聡美課長
「価格の面で他との差はかなり大きいので、ちゃんとお昼ご飯を食べようというところに繋がっているかなと思います」
非課税限度額の引き上げで健康志向、さらにお得に
井上貴博キャスター:
私も社員食堂にはお世話になっています。福利厚生としてはとても魅力的ですが、一方で社食を導入できない企業が圧倒的に多いので、そこへの手当てなどが必要なのではないかと思います。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今回、経産省は本格的に見直しに動いています。大企業の賃上げ優遇の税制はもう進んできたので、次は「食事補助」への税優遇に振り向けるという案も検討されているようです。
出水キャスター:
実現性もかなり高いようです。今回、紹介したLINEヤフーの社員食堂ではサラダ以外にも、1日の摂取目標量のフルーツを100円で提供しているということです。
今回、経産省は足元の物価上昇の状況等を踏まえ、2026年度の税制改正で『食事補助』の非課税限度額の引き上げを要望しました。
実際、この引き上げが行われた場合、経済評論家の加谷珪一さんは「食材など質のいいものを使って健康志向になっていくのではないか」、さらに可能性が高いのは「同じものを使って値段を安くする」といいます。
つまり、お得な社食が、さらに懐にやさしい形で社員の皆さんにお届けできるということです。「実現できたらいいな」という声が多いのは納得ですね。
井上キャスター:
学生も就職先を決める上での一つのポイントになると思います。
出水キャスター:
今、リモートワークを採用している企業が多いなか、やはり会社に来てみんなと交わって話すことでイノベーションや新しいアイディアが生まれることもあるので、社食は一つの大きなインセンティブになるということです。
デリバリーやチケット付与も 多様化する社食
そんななか、社食も多様化しているようです。
・置き型:専用の冷蔵庫を設置 いつでも利用可能
・宅配型:休憩時間などに合わせてお弁当デリバリー
・チケット型:チケットなどを付与し、提携する店で使用可能
この税制改正ですが、2026年度から実施が可能になるかどうか議論が進められているということです。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
大企業だけが優遇される可能性もあるので、例えば地域やコミュニティに社食を開放するなど、知恵を絞る必要はあると思います。
社食を設置できない中小企業もチケット制を導入するなど、やろうと思えばできますよね。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年
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