来月から本格的に始まる就職活動。“売り手市場”を背景に各企業が“あの手この手”で優秀な人材の獲得に乗り出しています。
【写真で見る】“世代間格差”がある賃上げ 就職氷河期世代は…
各企業で相次ぐ初任給引き上げ 「最高40万円」も
高柳光希キャスター:
ここ数年、賃金のベースアップの流れが続いています。
▼ノジマ
一般入社「34万4000円」
ノジマのアルバイト経験が1年以上あり、その中でも優秀な人に対しては「最高40万円」
▼ファーストリテイリング
海外転勤がある社員は昨年と比べて4万円UPの「37万円」
▼第一生命HD
総合職は昨年よりも約1万9000円UPの「35万4000円」
賃金上昇の流れは、大企業だけではなく中小企業にも波及しています。
帝国データバンクの調査では、大企業や中小・小規模企業を含む1541社のうち67.5%が「初任給を引き上げる」と回答しました。引き上げ額は「9462円(平均)」と1万円に迫る勢いです。
そして、初任給の具体的な金額についてですが、30万円以上の割合は、前年度の1.7%から2.7%に。25万円~30万円未満の割合は、前年度の11.4%から17.8%にアップしています。
星浩さん:
いまマクロ的に見ると、大企業を中心に600兆円の内部留保を持っているんです。それを吐き出してもらうのは当然なんですが、おそらく、これでもまだ物価高に追いつかないという状況があるので、さらに上げてもらわないと、物価高を克服するまでにはいかないというのが現状だと思います。
初任給はなぜ高い?引き上げるための“原資”はどこから?
高柳キャスター:
人手を確保するのが課題となっているわけですが、初任給を上げる理由として、新卒の確保、定着をまずは優先させるということです。
若者世代は人口が少なくなっているところに対して求人が多くなっている。転職しやすいということもあります。若者世代からすると、売り手市場になるわけです。
では、企業はどのようなところから初任給の“原資”を持ってきているのかというと、それは中高年の世代からです。
中高年世代は人口も多いうえに年齢も高いので、求人が少なく転職しにくいという面もあることから、賃上げを抑えても簡単には辞められないということです。
賃金UPの世代間に“格差” マイナスの世代も…
具体的に、それぞれの世代でどのくらい賃金が上がっているのかを見ていきます。(※第一生命経済研究所 熊野英生・首席エコノミスト調べ)
▼20代
20~24歳:15.8%
25~29歳:14.4%
▼30代
30~34歳:13.0%
35~39歳:10.4%
▼40代
40~44歳:8.4%
45~49歳:5.0%
▼50代
50~54歳:−1.3%
55~59歳:6.5%
出水麻衣キャスター:
50代に向かう私自身、働き始めてからデフレの時代が続いていたので、少しずつ給料が上がっていけば贅沢ができると思っていました。でも今は物価高があるんですよね。
山形純菜キャスター:
就職活動をする中で、給料は一番分かりやすい指標ですからね。
「不遇すぎる」就職氷河期世代とは?お金以外でも“不公平感”
高柳キャスター:
そもそも“就職氷河期世代”と呼ばれるのは、どのような世代なのでしょうか。みずほリサーチ&テクノロジーズ・主席エコノミストの酒井才介氏によると…
不遇(1)
学生時代は人口が多いので、入試の競争率が高い
不遇(2)
20代は不景気で、就職が困難になり非正規雇用も増加
不遇(3)
30代でも不景気が続き、給料が上がらず
不遇(4)
40代になると給料がUPするかと思いきや、年功序列の崩落が始まる
不遇(5)
50代では若者の初任給UPで、賃金UPが見込めず
街の声も伺ってきました。
30代 会社員
「私の給料がそれに応じて上がっているかと言われれば、そうではないので」
47歳 会社員(就職氷河期世代)
「不公平感を感じるときもあります」
お金以外の面での不公平感を感じることもあるといいます。
47歳 会社員(就職氷河期世代)
「社内の環境というんですか。私たちの時は『かわりはいくらでもいるんだよ』とぞんざいな扱いをされていたのが、今は大切に大切に」
就職氷河期世代の給料の上がり具合は、どうだったのでしょうか。
48歳 会社員(就職氷河期世代)
「ゆるやかですね。物価の上昇とは見合ってなかった」
初任給だけが上昇し、世代間で給料の逆転現象が起こっていることについては…
60代 弁護士
「今年入る人だけ初任給増やしても、去年、2年前、3年前に入った人は不満に思わないのかな」
40代 会社員
「(新入社員のほうが給料が高い)それはヤキモキする。先輩なのに給料低いってなると、そこはギクシャク。お前の方がもらってるやんって」
就職氷河期世代の賃金を上げるには?
高柳キャスター:
企業の人事担当者を対象に募集した「2026年卒 採用川柳・短歌」では、中堅・ベテランの嘆きが入賞しています。
▼優秀賞(東京都・がんも3号さん)
「積み上げた 俺の処遇を 一瞬で またぎ越えてく 爆上げ初任給」
みずほリサーチ&テクノロジーズ・主席エコノミストの酒井才介氏によると、「人材不足・人材余りが二極化。不足している職種・分野のスキルを身につけるなど、自分を磨くことが大事」だといいます。
例えばIT人材。AI活用やその応用スキルなどを身につけておくと、転職市場においても有利に働けるということなのかもしれません。
出水キャスター:
今、政府の後押しで、スキルなどの学び直しに対して「教育訓練給付制度」というものがあります。後払いで補填してくれるような制度もあるので、こういったものを上手く活用して、中高年世代も自分の身を守っていくということですね。
星浩さん:
AIの普及で、単純な事務職の需要が減少していくといわれています。
特殊技能を持ったり、場を和らげる才能を持ったりするなど、これからどうやって手に職をつけていくかが、サラリーマンにとって生き残る秘訣だと思いますね。
山形キャスター:
入社しても安心せず、「リスキリング」ですね。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年
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