
封鎖が続くホルムズ海峡。この影響が、身近な観光地にも影を落としています。いま観光地では何が起きているのか、日本三景の一つ「松島」を取材しました。
“ホルムズ封鎖”GWにも影響 「日本三景」も燃料高騰で…
年間300万人が訪れる宮城県を代表する観光地「松島」。260余りの島々が織り成す景観は日本三景のひとつとして知られ、京都・天橋立、広島・宮島と並んで外国人観光客にも高い人気を誇ります。
八百八島と称される絶景を遊覧船で間近に楽しむのが、松島観光の目玉。
およそ50分の船旅、大人ひとり1500円から。通常、1日8本ある遊覧船は、毎回ほぼ満席になるほどの賑わいを見せます。
台湾から来たガイド
「(台湾からの)ツアーは毎回、松島に来ます。定番です。いま仙台から台湾への直行便は毎日混んでいる。今回来る時の飛行機がほぼ満員でした」
一方で燃料高騰が、その舵取りを狂わせています。
松島島巡り観光船企業組合 佐藤将希船⻑
「(月に)大体5〜600万円くらいの経費は増えるような感じ」
燃料は重油、政府からの補助金は出ていますが、それでも中東情勢が緊迫する前と比べて、1リットル当たり30円以上も割高に。
佐藤将希船⻑船
「今後の情勢次第では便数を減らしたり、少し船舶の使用を制限しようかなと。エンジンを吹かさないとかゆっくり回るとか...」
――燃費を良くするような?
佐藤将希船⻑船
「そうですね。1リットル、10リットルとかでも節約できればという思いでやっている」
さらに、燃料高騰の暗い影は老舗旅館にも。
小松館好風亭では湯沸かしに電気と重油を併用しているといいますが光熱費はこれまでより3割ほど上昇。さらに食材をはじめ、アメニティの数々、浴衣のクリーニング代も値上がりしています。
小松館好風亭 小松篤司社長
「非常に心配ですね。値段が上がるだけではなくていま地元の販売店からは重油そのものが入荷がないという話もされてしまい。お湯を使う量も減らさなければならないとか、そういうところまで行ってしまうと、おもてなしをしたくてもできないようなことになってしまうという心配もある」
ホルムズ危機で航空燃料が… 減便でインバウンドに影響も
そんな中、観光業界を震撼させるニュースが世界を駆け巡りました。
ドイツのルフトハンザ航空が、10月まで2万便もの減便を行うというのです。ジェット燃料の価格高騰に加え、入手困難になったのがその理由です。
飛行機に使われるジェット燃料は、原油から10%ほどしか取れません。その上、凍結防止などの面倒な処理が必要で、今は利益率の高い軽油やガソリンなどの精製が優先されているというのです。
航空機の減便・運休の波は、ヨーロッパのみならずアジア・アメリカにも広がっています。そして、この事態が過去最高を更新し続ける日本のインバウンド需要にブレーキをかける恐れも。
2024年、松島では外国人宿泊客が過去最高となり、遊覧船のりばには外国人観光客が溢れていました。
今回の取材でも、アジアからの観光客が多く見られました。しかし、航空会社の世界的な減便が続けば、こうした賑わいに水をさす恐れが。
佐藤将希船⻑船
「まだ今のところ円安で来ていただいている部分はあると思うけど、世界情勢の今後はどうなるか分からないので、飛行機が飛ばないとか、危機感持って心配している」
小松篤司社長
「少しずつ(インバウンドが)増えてきて盛り上がってきたところで外国のお客様が減ってしまうとなると私どもにとっては非常に残念ですね」
まだまだ出口の見えない“ホルムズ危機”。IEA(国際エネルギー機関)の事務局⻑は、こう危機感を露わにします。
IEA(国際エネルギー機関) ファティ・ビロル事務局長
「ヨーロッパのジェット燃料の残量は、せいぜい6週間分くらいしかありません。我々はいま『史上最大のエネルギー危機』に直面しています」
史上最大のエネルギー危機が、回復基調にあった日本の観光業を揺るがし始めています。
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