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「消滅可能性自治体」千葉県は首都圏で最多 熊谷俊人氏・小倉正行氏・黒川敦彦氏・立花孝志氏 「高齢化」「人口減少」問題について聞いた【千葉県知事選挙2025】

国内
2025-03-15 06:00

3月16日(日)に投票日が迫る千葉県知事選挙を前に、千葉県が直面する人口減少問題について解説します。2024年に民間の有識者グループ「人口戦略会議」が「消滅可能性自治体」に千葉県の22市町村が該当するという分析を発表しました。これは首都圏で最多の自治体数だということです。各候補者はこの問題にどう向き合うのでしょうか。


【写真で見る】千葉県で「消滅可能性自治体」とされた市・町は?


「消滅可能性自治体」に千葉県の22市町が該当

「人口戦略会議」は、人口から見た全国の地方自治体の「持続可能性」について分析を行い、「20~39 歳の女性人口」が 2020 年から 2050 年までの 30 年間で 50%以上減少する可能性のある自治体を「消滅可能性自治体」と定義しています。


千葉県では、銚子、勝浦、富津、八街、南房総、匝瑳、香取、山武、いすみの9市と、栄、神埼、多古、東庄、九十九里、芝山、横芝光、白子、長柄、長南、大多喜、御宿、鋸南の13町が「消滅可能性自治体」と判断されました。22の自治体が該当するのは、首都圏では最多です。


「人口減少」問題 背景にあるものとは

たとえば銚子市が調査した2022年には、20歳~39歳の女性の人口は4,093人で、市の全体の人口の約7.2%にとどまりました。


こうした「人口減少」問題の背景について、「ちばぎん総合研究所」の関谷美由紀研究員は


▼「自然減」(出生数よりも死亡数が上回る状態)が年々止まらない
▼「高齢化」のみならず「高齢者がいなくなっていっている」状態が続いている
と指摘します。


さらに、自治体は
▼公務員も確保できない「人手不足」
▼学校など公的施設の更新ができない「設備の老朽化」
▼福祉にまわす予算で手一杯となる「予算の困窮」
という“三重苦”に直面しているということです。


千葉の「消滅可能性自治体」が抱える3つの課題と新知事に求めること

該当した自治体に取材をすると、主に3つの点で課題や、新たな知事に求めたいテーマが見えてきました。


【人口減少の課題】
「教育施設のハード面(特にトイレ)の整備が十分ではない。市立学校にも支援を」(勝浦市・照川市長)
「婚姻数を増やす政策を県単位でもう少し広く行うことを期待したい」(南房総市担当者)
「成田空港の3本目の滑走路の整備が進捗しており、敷地にかかる地区住民の移転により、転出する住民が多いことが想定」(芝山町担当者)


【雇用の課題】
「基幹産業である農業、漁業、水産業、醤油醸造業、観光業などの人材不足」(銚子市・越川市長)
「看護師の養成学校はあるが、東京のほうが賃金が高く流れてしまう」(南房総市担当者)


【インフラの課題】
「半島性からの脱却をしたい。県に旗を振ってやってもらいたい」(鋸南町・白石町長)
「広域幹線道路網の整備促進を(国道356号バイパスや国道126号八木拡幅の早期整備)」(銚子市・越川市長)


「ちばぎん総合研究所」の関谷研究員は、「人手不足」の対応が県に求められていることの一つと説明します。また、こうした自治体間をつなぐ「横の連携」をし、たとえば自治体運営になっている路線バスの充実なども県にできることの一つといいます。さらに、千葉の魅力を県外に発信し「移住促進」や「婚活支援」をすることで多くの世代に住んでもらうことが重要としています。


4人の候補者の考えは?

JNNでは「消滅可能性自治体」に千葉県内の22市町村が該当していることに対する課題・取り組みの展望について各候補者にアンケートを行いました。回答の全文を記載します。


熊谷俊人候補(現職・無所属)
「『消滅可能性自治体』に該当する市町村にあっても、人口減少は住民の年齢構成や産業の集積状況、就労場所、交通アクセス、生活利便性など様々な要因が影響するものであり、地域によって大きく状況が異なるものと認識している。これまでも、半島性の克服に向け交通ネットワークの強化を図るとともに、豊かな自然環境や農林水産物、観光資源など、様々な特性や魅力を生かした地域振興や、子育て支援や医療・介護の充実など暮らしやすい環境づくりに取り組んできたところである。引き続き、これらの取組をさらに進めるとともに、千葉で暮らすことの魅力発信や移住、2地域居住の促進により様々な人を呼び込み、各地域の活力の維持向上につなげていくよう、市町村と密接に連携をしながら取り組んで行く。」


小倉正行候補(新人・無所属)
「医療・福祉・教育の充実を基本とした少子・高齢化対策、農林漁業などの地場産業への支援策の拡充、県内企業の9割をしめる中小企業への振興策の強化を図り、県内の何処に住んでも安心して暮らせる環境づくりをすすめます。」


黒川敦彦候補(新人・諸派 政治団体「つばさの党」代表)
「消滅しないためには、後ろ向きな対策ではなく、千葉のいいところを活用する。いすみ市のオーガニック給食、サーフィンの九十九里浜、自然に満ちた匝瑳市、横光芝町など、可能性を秘めている。千葉の波は世界一だ。私はサーフィンもやるので、一宮、片貝などの千葉の海に魅了された1人である。自然に囲まれた生活をしながら、東京にも近いという地の利を活かすべき。千葉独自のブランドを強化すべきであり、富裕層ほど自然な生活を求めている。サテライトオフィスでIT化し、リモートワーク移住で成功した徳島県の神山町のように、千葉は都市✖️自然の新しい文化を牽引すればよい。」


立花孝志候補(新人・諸派 政治団体「NHKから国民を守る党」党首)
「千葉県は、北西部は人口集積と併せ都市的土地利用が進み、湾岸部では臨海工業地帯が形成される等、これら地域等の様々な特性を踏まえる必要がある。それぞれの地域特性を活かしながら、様々な企業や優秀な人材が千葉県に引っ越したいと思えるような、常識にとらわれない目玉施策をどんどん発案・実行していきたい。」


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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