国内有数の温泉地=神奈川県箱根町。2028年をめどに、「宿泊税」の導入を目指す考えを明らかにしました。背景に何があるのか、観光客はどう感じるのか、取材しました。
箱根の温泉郷。雨となったきょうも、多くの観光客で賑わいを見せています。
こちらは創業99年の老舗旅館。
弥栄館 金子健二 支配人
「川と箱根の山がこちらから見えるお部屋となっております」
自慢は源泉掛け流しの温泉で、1日およそ50人の宿泊客のうち、8割が外国人観光客だといいます。
弥栄館 金子健二 支配人
「日本のお客さんより海外のお客さんは間違いなく増えています。1年先、2年先くらいの予約も段々ときています」
箱根町の人口は1万人あまり。一方、去年の観光客数はそのおよそ2000倍で、観光施設の維持やインフラ整備などにかかる費用が財政を圧迫。大きな課題として、町は新たな財源について議論してきました。
きょうの議会で勝俣町長は。
箱根町 勝俣浩行 町長
「新たな財源は宿泊税とし、令和10年(2028年)4月をめどに導入することを目指す」
2028年4月をめどに「宿泊税」の導入を目指し、具体的な検討を始めると明らかにしました。
「宿泊税」とは、宿泊客に一定の負担を求めるもので、これまでに京都市や福岡市など全国12の自治体が導入。
一方で、「入湯税」については、すでに箱根町でも温泉の利用客を対象に課税されています。
昭和から平成の初期にかけ、宿泊客のみが対象でしたが、時代とともに日帰り温泉が増えると、2001年からは日帰り客も対象となりました。
箱根町の入湯税は「目的税」で、使い道は観光に関わる費用にと決められていますが、「宿泊税」はどうなるのでしょうか。
箱根町 勝俣浩行 町長
「観光だけの目的税という考え方は、今のところもっていない」
勝俣町長は、使い道を自由に選択できる「普通税」の導入を視野に検討する考えを示しました。
観光客は。
観光客(80代)
「観光客の方が来てくださってるのに、またそれに税金かけるっておかしい」
観光客(20代)
「地元にも多少はお金を入れておいた方がもっと観光地として盛り上がるのかな」
「何でもかんでも税金じゃないですか。できれば払いたくない」
箱根で旅館を営む金子さんは、「観光のために使われる税金であってほしい」と訴えます。
弥栄館 金子健二 支配人
「(観光客が)駐車場が困らないとか、宿泊税ということで観光客にしっかりと使われるようなお金になれば良い」
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