E START

E START トップページ > 国内 > ニュース > 解散は総理の「専権事項」・”伝家の宝刀”? 根拠はあいまい“7条解散” 本当に「国民のため」?【サンデーモーニング】

解散は総理の「専権事項」・”伝家の宝刀”? 根拠はあいまい“7条解散” 本当に「国民のため」?【サンデーモーニング】

国内
2026-01-18 14:58

早期に解散する意向を示した高市総理。解散をめぐっては、常に総理の「専権事項」や「伝家の宝刀」だとされますが、その法的な根拠はどこにあるのでしょうか。


【写真を見る】解散は総理の「専権事項」・”伝家の宝刀”? 根拠はあいまい“7条解散” 本当に「国民のため」?【サンデーモーニング】


解散は総理の「専権事項」?

一気に、選挙戦モードに突入した永田町。19日、高市総理は「衆議院の解散」を正式に表明する見通しです。


真冬である2月の衆院選は、実に36年ぶり。雪国・青森では…


記者
「通常こちらの掲示板に選挙ポスターが設置されるのですが、その前には、私の身長に達するほどの雪が積み上げられています」


県内6千か所以上のポスター掲示板の設置をどうするのか、苦慮しているといいます。


前回、衆議院が解散されたのは2024年10月。それからわずか1年4か月での解散は「戦後最短」です。また突然の解散で、物価高対策への遅れを懸念する声が上がる中、衆院選にかかる経費は、700億円に達します。


そして、今回の解散は、高市総理が党執行部に相談せずに決めたといわれますが、与党内からは…


自民党 鈴木俊一 幹事長
「これは総理の『専権事項』だということになっている」

日本維新の会 吉村洋文 代表
「解散は総理の『専権事項』なので」


揃って口にしたのが、「解散は総理の『専権事項』」。総理にとって“伝家の宝刀”といわれますが、その根拠は実はあいまいです。


“憲法7条解散”は「国民のために」

衆議院の解散を定めているのは憲法69条。内閣不信任案が可決した場合、10日以内に内閣総辞職するか、衆議院を解散するかを定めています。


ところが、今回はそれには該当しません。そこで持ち出されるのが「天皇の国事行為」を定めた憲法7条。確かに7条には国事行為として「衆議院の解散」がありますが、憲法学者の木村草太教授は…


東京都立大学(憲法学) 木村草太 教授
「衆議院の解散権は実質的に誰が決めるのか、これは憲法に明確な規定はありません。7条自体は、誰がか決めた時に(天皇は)形式的な手続きをします、という規定であり『国民のためにやるんだ』ということが書いてある」


憲法7条では解散について、あくまで「内閣の助言と承認により、“国民のために”」行うことが定められているのです。


東京都立大学(憲法学) 木村草太 教授
「この7条から『いつでも好きなときに国会を解散できる』というふうには考えられていません。国民のため、公共の福祉を実現するために行使しなくてはならないというのが憲法上の原則」


このいわゆる「7条解散」が最初に行われたのは、1952年の吉田内閣。当時、この条文から解散ができるかどうかは大きな議論を呼びました。

そして、それ以降、戦後26回の解散のうち、22回が「7条解散」。しばしば「国民のため」ではなく、時の内閣の「自己都合」や、「党利党略」ではないかとの批判がつきまといます。


「解散権」海外では厳しい制限も…

海外では、どうなのでしょうか。
2025年2月、ドイツで行われた総選挙。「解散」に伴う総選挙は実に20年ぶりで、戦後わずか4回目。

ドイツではワイマール憲法時代、解散が乱発され、政治の混乱を招いた教訓から、現在は内閣不信任の場合にしか解散できないなど厳しい制限がかかります。また議院内閣制のお手本とされるイギリスでは...


東京都立大学(憲法学) 木村草太 教授
「イギリス国内でも一時期、議会の任期を固定して、(解散は)議会で3分の2の賛成があった場合に限るという法律が運用されたこともありました。(欧州では)解散権に何らかの制限を設ける、あるいは余程のことじゃないと行使してはいけないものだという前提で運用されることが一般的。日本のように好きなときにいつでも(解散)できるんだ、という軽い位置づけをするというのは、議院内閣制の中では例外的であると言われています」


日本では2024年10月に衆院選、2025年7月に参院選。そして、また2月に衆院選となると、毎年のように国政選挙が行われることになります。これに街の声は…


街の声
「本来はやっぱり任期4年ということで、任期を全うできるように選んでいるのが基本だと思うので」
「良いところも悪いところも膿を出して、それで4年で選挙になっていくっていうのが本当は望ましいんですけど…」


戦後、衆院議員の平均在職年数は2年9か月。実は、4年の任期を全うしたのは、1970年代のわずか1度しかありません。


今回も抜かれる総理の“伝家の宝刀”衆議院解散。木村教授は…


東京都立大学(憲法学) 木村草太 教授
「憲法の任期の規定というのは非常に重要で、これぐらいの期間がないと、まともな政策を組み立てられない、ということで作られている。ですから、4年というのは非常に重たい任期で、それを奪うというのは軽々しくやってはいけない。そういう意味で、好きなタイミングを選んで私利私略で選挙をしました、と見られてしまうと、(選挙)結果自体の正当性が薄れていくという点も大きな問題になります」


19日にも高市総理が表明する衆議院解散。早ければ、2月8日の投開票が予想されます。


「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】
【裁判詳細】女子大生2人焼死事故 両親「怒りでどうにかなってしまいそう」「遺体と対面し本当の絶望を知った」追突トラック運転の男「ぼーっとしていた」起訴内容認める 山口
「あんな微罪で死ぬことはないだろう…」逮捕直前にホテルで命を絶った新井将敬 衆院議員「この場に帰って来れないかもしれないけども、最後の言葉に嘘はありませんから」【平成事件史の舞台裏(28)】


情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

ページの先頭へ