
テレビ局には番組を観た視聴者から様々な声が寄せられる。TBSテレビの「視聴者センター」(カスタマーサクセス室所属)は、こうした声を集約し番組制作の現場にフィードバックさせるのが仕事だ。担当者が寄せられた“声”の一端を紹介する。
3月になり、暖かい日差しとともに本格的な春の訪れを感じるようになりました。
この時期の風物詩と言えば桃の節句。昨年もこちらで取り上げた「ひな人形」について、今年もご指摘をいただきました。
「『お内裏様とお雛様に扮して』というナレーションがありましたが、『おびな』と『めびな』は2体でお内裏様です」(70歳以上 男性)
ご指摘の通りです。昨年もお伝えしたように、TBSもガイドラインで、「お内裏様は男女(『おびな』と『めびな』)一対のひな人形のことです。『おびな』のみ、『めびな』のみを指して使うことはできません」としています。
そうはいっても、多くの方が幼い頃から親しんだ童謡「うれしいひなまつり」の歌詞「おだいりさまとおひなさま~」は、わかっていてもつい習慣となって出てしまいがちです。気をつけたいものです。
さて、イベントの多かった2月をふりかえると、やはり注目はミラノ・コルティナ冬季オリンピックでした。
日本は過去最多のメダルを獲得する快挙で、放送にも大きな関心が寄せられました。視聴者の皆様からも、テレビ中継での競技観戦や、情報番組の特集を見た感想など、たくさんのご意見が寄せられました。
特に、多くの番組で取り上げていたフィギュアスケート、中でもペアについて触れたご意見が多かった印象です。
「フィギュアスケートペアについて詳しい放送がありうれしかったです。ペアで日本がこんなに盛り上がったことはなかったと思います」(60代 女性)
「2人の演技に感動して涙しながら特集を見ました、放送ありがとうございます」(70歳以上 男性)
また、日本が勝った競技だけではなく、残念ながら負けてしまったカーリングについても取り上げてほしい、歴史のあるノルディック複合スキーについても掘り下げて伝えてほしいなど、より多くの競技を扱ってほしいといったご要望も届きました。
さらに、開催地の歴史や文化といった面に興味を持たれた方からは、開催地域を取り上げた『世界遺産』に好意的な意見が寄せられました。
「オリンピックについてとりあげる番組はたくさんありますが、開催地コルティナ・ダンペッツォをこのように深掘りして特集してくれた番組はありませんでした。よい放送をありがとうございました」(70歳以上 男性)
一方で、オリンピックの競技映像については、画面に表示される情報、テロップをめぐり、考えさせられるご意見もいただきました。
競技映像にはもともと入っている情報がありますが、さらに番組等で情報を入れたり、見ているスタジオの出演者の顔がワイプで入ったりすることについて、「画面の右上と右横に出ているテロップ表示や、左上のワイプはなくていいのでは」「スーパーが競技にかかってしまって見づらい」「情報が多くて何をみればよいのかわからなくなる」といったご意見がときおり寄せられました。
また、“日本人選手の出場まであと何人”という情報が表示されることについては、「他の国の選手を待ち時間のように伝えることには違和感がある」といったご指摘もいただきました。
いずれも率直で参考になるご意見です。一方、このような励みになるご意見もいただきました。
「前はスポーツに興味がなかったのに、大谷翔平選手に興味を持ってTBSで野球中継を見ました。リアルタイムで解説用語の表示があり、ルールを知らなくても楽しめたので、いつのまにか野球が好きになっていました。今回のオリンピックでも、知らない競技を見てみようという気持ちになり、気づけば熱狂していました。今後も学んで楽しめる中継を続けてほしいです」(20代 男性)
このようなご意見をいただけることは、現場にとっては本当にうれしいことです。
熱戦の2週間、現場はどのように伝えるか、熟慮を重ねて取り組んでいました。厳しいご意見ももちろん、いただいた声はすべて共有し、今後の放送に活かしていきます。
〈執筆者略歴〉
浜崎 由佳(はまざき・ゆか)
1995年TBS 入社。
ラジオ局、報道局、事業局などを経て、編成考査局。現在カスタマーサクセス室長。
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。
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