44人が死亡した東京・歌舞伎町のビル火災からきょうで25年。当時、階段などに置かれた荷物が避難や救助の妨げになりましたが、この問題は今なお続いていて、遺族は安全への意識を高めてほしいと訴えています。
2001年9月1日未明、新宿・歌舞伎町の雑居ビルで発生した火災。
3階の麻雀ゲーム店や4階の飲食店にいた従業員や客などあわせて44人が死亡しました。
火災で20代の娘2人を亡くした植田安子さん(74)。2人と対面した時のことを、今でも鮮明に覚えています。
20代の娘2人を亡くす 植田安子さん
「本当に下の子は眠るように、今にも起きてきそうな顔で、本当に綺麗な顔だったと思うの。でもお姉ちゃんの場合は焼死だったものだから」
再発防止の願いをこめて、今年、44人の犠牲者を悼んで4400羽の千羽鶴を折りました。
20代の娘2人を亡くす 植田安子さん
「ブルー系の折り紙を折っていたりすると、『お姉ちゃんが好きな色だな、こういう服を持っていたな』と思う」
25年前の火災で避難や救助の妨げとなったのが、階段や通路に置かれた荷物でした。当時、現場で救助活動を行った東京消防庁の隊員は…
当時救助にあたる 東京消防庁 川越貴史さん
「2階から3階に通じる階段部分には、更衣ロッカーやカラーボックス、ごみ袋などが階段の体をなしていない状態で置かれていて」
この火災をきっかけに消防法が改正され、消防の立ち入り検査の権限が拡大されたほか、悪質な違反をした企業への罰則が強化されました。
東京消防庁新宿署 「機動査察隊」隊員
「階段や通路に対する立ち入り検査は365日24時間体制で、事前連絡を行わずに毎日実施しています」
しかし、扉の前に通路をふさぐように置かれた段ボールや傘立て。先月、東京消防庁が新宿区の雑居ビルに立ち入り検査を行った際に撮影された写真です。ほかにも複数のビルで階段や通路に置かれた荷物が確認されました。
都内の繁華街で避難通路に荷物を置くなどの「違反」が確認された建物は毎年2割ほどあり、ほぼ横ばいの状況が続いています。
きのう、火災現場の跡地には千羽鶴を供える植田さんの姿がありました。植田さんは、ビルのオーナーや経営者らにもっと安全への意識を高めてほしいと願っています。
20代の娘2人を亡くす 植田安子さん
「たしかに利益は大事よ。でも、それ以上に大事なのは人の命。経営者がちゃんとした自覚を持たない限りは無理だと思う。そうじゃないと、同じニュースの繰り返しだもん」
25年たった今も出火原因はわかっておらず、警視庁は失火と放火の両面で捜査しています。
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