「中国に支配されているパナマ運河を取り戻す」。アメリカのトランプ大統領が中米・パナマに対応を迫っています。アメリカと中国の間で揺れるパナマはどのような選択をするのか、大統領に直撃しました。
大西洋と太平洋を結ぶパナマ運河。
記者
「コンテナ船がゆっくりと狭い水路を進んでいます」
世界の海上貿易の5%を支え、日本も世界で3位の使用国となるなど、経済を支えています。この大動脈をめぐって、いま大きな問題が…
記者
「あちらに見えるのがパナマ運河の太平洋側の港、バルボア港です。香港に拠点を置く企業が管理をしていて、トランプ大統領が問題視をしています」
アメリカのトランプ政権は、有事の際に中国が運河の両端の港を封鎖するおそれがあるなどと、強い警戒と不満を示しています。
アメリカ トランプ大統領
「中国が運河を運営している。我々は運河を取り戻す。さもないと、大変なことが起こる」
ルビオ国務長官が、きょう未明まで初の外遊先としてパナマを訪問。運河の現状を正さなければ「必要な措置を講じる」と迫りました。パナマ側は「中国は運河を管理していない」と反発しています。
パナマ市民
「トランプ大統領はうそを言っていて、国民はみな怒っています」
パナマの独立と運河の開通を支援し、歴史的にパナマで強い影響力を誇ってきたアメリカ。トランプ大統領はいま、なぜ運河問題を繰り返し主張するのか?その背景には、パナマで存在感を増す中国への警戒があるとの見方があります。
パナマは2017年に台湾との外交関係を絶ち、中国と国交を樹立。前後して、中国国営企業などがパナマ運河周辺の港湾事業に応札したほか、文化交流にも力を入れています。
パナマ市民
「中国文化はパナマに貢献しているので、国交樹立は良かったです」
地元の中国系テレビレポーター
「両国は見ての通り、この7年あまりで、より関係が深まりました」
専門家は、こうした中国の動きとアメリカの反応について…
パナマ大学 タピア教授
「中国は様々な方法を駆使してパナマ社会に浸透し、協力関係を発展させてきました。中国はパナマを中南米全体の要所としています。アメリカはパナマに、中国との関係を絶ち切らせたいのです」
JNNがムリーノ大統領に、アメリカと中国、どちらとの関係が大切か直接問うと…
パナマ ムリーノ大統領
「アメリカとは歴史的に特別な関係があります。一方、中国とは互いにどう向き合うべきか分かっていません。ですから、大切なのはアメリカとの関係で、中国ではありません」
パナマ政府は今後、トランプ政権とどのように向き合っていくのでしょうか。
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