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コンゴ川を進む“死のボート”バージ 人々の生活を支える河川の交通 アフリカ・コンゴ民主共和国【World Report】

海外
2025-02-11 23:30

アフリカ中部・コンゴ民主共和国で、重要なインフラとなっている巨大なボートだが、沈没事故が相次ぎ、毎年多くの死者が出る事態となっている。


豊富な鉱物資源を有するコンゴ民主共和国 

日本から1万2000kmのアフリカ・コンゴ民主共和国。

2050年には、アフリカの人口は24億人を超え、世界人口の4分の1にのぼると予測されている。なかでもコンゴ民主共和国は8位にランクインし、人口の急成長が見込まれている。

人口800万人の首都・キンシャサ。公用語はフランス語だが、多くの人々が現地の言葉・リンガラ語で会話をしていた。

コバルト、金、ダイヤモンドなど豊富な鉱物資源を有するが、近隣諸国との紛争や武装勢力による争いで国土は荒廃し、経済も破綻。人口の7割以上が1日あたり2.15ドル未満の生活を余儀なくされている。


河川の交通が盛ん「コンゴ川」 大きな鉄の塊をつないだバージ

コンゴ川は、かつての国名「ザイール」の語源にもなった大河で、アマゾン川に続き、世界第2の流域面積を誇る。

アフリカの心臓部に位置しており、大陸を大きく蛇行しながら大西洋へそそぐ。水産資源が豊富で、流域では多くの人々が漁をしながら生活している。

2024年11月、典型的な熱帯雨林気候で、私たちの取材も天候に大きく左右された。

首都キンシャサから上流は川幅が広く、東部の主要都市キサンガニまで大型船による河川の交通が盛んで国民の生活にとって欠かせないインフラとなっている。

その移動手段のひとつにバージがある。バージとは動力のない大きな鉄の塊。これが2台、3台と繋がれ、最後尾からエンジンのついたボートで押すことで、移動する「巨大な船」となる。バージは、2本のワイヤーだけで接続される。

サンダルを履いた乗組員は 慣れた手つきでバージをくくりつける。2基のエンジンが鳴り響く船室では、エンジニアは整備にあたっている。

船長と副船長は息を合わせ、最後尾の操舵室からスロットルを操作し、舵を切っている。月明かりを頼りに船は進む。

船体は全長200mにおよび、操舵室から先頭は見えないため、乗組員がバージの貨物の上に立ち、船長に合図を送っていた。


沈没事故が相次ぐ「死のボート」 出航前、必ず祈り

バージは、悪天候や機材トラブル、過積載による沈没事故が相次ぐ。「死のボート」とも呼ばれるバージの乗組員たちは、安全に目的地に辿り着くよう、出航前、必ず祈りをささげる

このバージの束は物資や人々を乗せて 1700kmの距離を数週間かけて進む。

バージには、さまざまな目的を抱えた人々が乗り合わせる。

市民にとって移動手段はほかになく、何週間、何か月もこの鉄板の上で生活をしながら、目的地に向かう。長い時間をかけて、最終地点キサンガニを目指し、バージは東に進んでいく。

コンゴ民主共和国の国旗は、平和を象徴する水色。国家のために殉じた者の血を表す赤、豊かさを表す黄色、そして、星は国の輝かしい未来を象徴している。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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