アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領が、日本時間あす早朝、首脳会談を行います。会場となるアメリカ・アラスカ州の空軍基地前から中継です。
3年前にロシアがウクライナを侵攻して以降、初めてとなるアメリカとロシアの大統領による対面での首脳会談が、あす、こちらのアメリカ軍基地で開かれます。
軍事侵攻を行っている国のリーダーを自国に招くという、「トランプ流」の異例の首脳会談となります。
トランプ大統領は会談をあすに控え、「この戦争は一番簡単に解決できると考えていたが、実際には最も難しいものだった」と語りました。大統領選中に「24時間以内に戦いを終わらせる」と公言してきましたが、思い通りにいかない現状を認めたかたちです。
大きな誤算だったのは、第一次政権時代に付き合いを深めたプーチン大統領が停戦協議に真剣に応じなかったことです。第二次政権の発足以降、米ロ関係は概ねプーチン氏の狙い通りに進んできたと言えます。
こうしたなかで、プーチン氏をアメリカに招くという歩み寄りにより実現した首脳会談で、停戦につながる何らかの進展をトランプ氏が得られるのかが、あすの会談の焦点となっています。
今月8日までに停戦に応じなければ、ロシアに追加制裁を科す考えを示していたトランプ大統領。こうしたなか、設定された今回の首脳会談について、専門家はこう評価します。
明海大学 小谷哲男 教授
「まずは交渉を通じて、プーチン大統領の本音をさぐることを目指していると思う」
トランプ氏は会談を翌日に控え、「成功しない可能性も25%ある」と予防線も張っていますが…。
明海大学 小谷哲男 教授
「(アメリカの)ウィットコフ特使は、おそらくプーチン大統領の(首脳会談の)メッセージをかなり好意的に受け取っていて、それをトランプ大統領にそのまま直接伝えた。(トランプ大統領は)その後、ホワイトハウスの中での検討や、ゼレンスキー大統領含めたヨーロッパ各国首脳との話し合いの中で、これはそう簡単にいく話ではないということに気づいたのだと思う」
一方、プーチン大統領は、首脳会談に向けた会議でトランプ氏の仲介努力を高く評価。今後の米ロ間の核軍縮をめぐる合意にも前向きな姿勢を示しています。これにトランプ氏はどう応じるのか。
明海大学 小谷哲男 教授
「プーチン大統領がこの問題を持ち出すことで、ウクライナの問題でアメリカ側から譲歩を引き出そうとしていることは明らかなので、プーチン大統領の狙い通りにトランプ大統領が動く可能性はそれほど高くはないと思う」
ただ、1対1の会談で「プーチン氏がトランプ氏を丸め込む可能性は否定できない」とも指摘します。
明海大学 小谷哲男 教授
「トランプ大統領がプーチン大統領を信用して、ウクライナを犠牲にするような形で話をまとめ上げる可能性も、わずかではあるけれどもまだ残ってるとは思う」
アメリカ トランプ大統領
「良い会談になるだろうが、もっと重要なのは2回目の会談だ。プーチン大統領とゼレンスキー大統領に加え、ヨーロッパの首脳も参加するかもしれない」
トランプ氏が意欲を示す、ウクライナのゼレンスキー大統領を交えた会談は実現するのか…。
明海大学 小谷哲男 教授
「プーチン大統領としては、かなり受け入れることが難しいことだと思う」
そのうえで、プーチン氏の狙いについて、こう指摘しました。
明海大学 小谷哲男 教授
「今、東部でかなり戦線、ロシアは拡大しているので、戦場でよりロシアが有利な立場に立てるまで時間稼ぎをしたい」
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