
トランプ大統領の政治的立場を利用して、トランプファミリーが巨額の利益を上げているという噂が政権発足以来絶えることはないといわれてきた。その種の噂が現在のイランを巡る戦争でも湧き上がっている。戦争とファミリーの利益について議論した。
「大統領の決定に直接影響される出来事を巡って…大きな利益を得ている」
トランプ大統領の子どもたちがイラン攻撃を機に大きな利益を上げている疑いが取り沙汰されている。
長男トランプ・ジュニア氏と次男エリック・トランプ氏が関わるドローン企業『パワーアス社』は、イランから攻撃を受けている中東湾岸諸国にドローンの売り込みを画策しているという。
これが実現して、イランとの戦争が長引けば同企業の利益は計り知れない。
また、長男ジュニア氏が顧問を務める予測市場『ポリマーケット』では2月以降にできた複数のアカウントでイラン攻撃のタイミングに関する賭けが行われ、合計120万ドルの利益を得たとブルームバーグは報じた。
私人でありながらボランティアと称して和平交渉に参加している娘婿のクシュナー氏は、自身の投資会社『アフィニティ・パートナーズ』がサウジアラビアから20億ドルの投資を受けていて、他の中東湾岸諸国からも投資を募っているという。
三男のバロン・トランプ氏が兄たちと共同で設立した仮想通貨会社『ワールド・リバティ・フィナンシャル』の関連会社は、イランとの和平交渉の仲介国パキスタンと仮想通貨決済で提携したと伝えられる。
さらにトランプ氏自身も立場を利用して去年だけで少なくとも14億ドルの利益を得たとニューヨークタイムズは報じている。
アメリカ政府の利益相反などを調査・監視する非営利団体の代表に聞いた。
『CREW』 ドナルド・シャーマン代表
「トランプ氏の息子たちは、ワシントンD.C.にプライベートクラブを所有している。大統領としての父親の立場を利用して利益を得ているんだ。影響力を求める人がそこを訪れ、息子たちや政府高官と会うことができる仕組みになっている。特に問題なのは現在が戦争状態にある中で息子たちが(予測市場を通して)イランとの軍事衝突から利益を得ようとしている点だ。
ここ数か月の間にも戦争・イラン攻撃・停戦など大統領の決定に直接影響される出来事を巡って、その(自分たちの予測市場)プラットホームを利用して大きな利益を得ている例がみられる」
つまり攻撃や停戦のタイミングを賭けの対象にして、その胴元を息子たちがやり、賭けの結果は父親次第という図式…。八百長以外の何物でもない。
「南北戦争以来、大統領の公的職務とこれほど重大な個人的な金融上の利益相反を抱えた大統領は存在しない」
シャーマン代表によれば、政府の予算自体がトランプファミリーの利益につながる例もあるという。
『CREW』 ドナルド・シャーマン代表
「移民・関税執行局(=ICE)は、人材募集に約1億ドルを支出した。その募集広告を『トゥルース・ソーシャル』(トランプ氏は設立した企業が運営するSNS)に出稿している。これはトランプ政権が政策推進のためにトランプのビジネスに資金を支出している明確な例だ」
トランプファミリーの蓄財は、1期目より巧妙で大胆になっているとシャーマン氏は指摘する。
『CREW』 ドナルド・シャーマン代表
「第1期では不動産が中心で、比較的追跡可能だった。だからトランプブランドの取り引きや外国政府の支出が把握できた。しかし、現在は退任後に設立したメディア企業への投資や仮想通貨事業への資金の流れなど、誰が資金を提供しているのか追跡がはるかに困難になっている…」
こうした事態にブッシュ政権時代、ホワイトハウスで主席倫理弁護士を務めたペインター教授は。
『ミネソタ大学ロースクール』 リチャード・ペインター教授
「南北戦争以来、大統領の公的職務とこれほど重大な個人的な金融上の利益相反を抱えた大統領は存在しない…」
昔は大統領になるような立場の人は奴隷制の元で大規模なプランテーションを所有していて、それが問題になっていたが、南北戦争以降それもなくなった。
しかし、そういう大統領がいなくなったためか立場を利用して家族が儲けることを法的に規制する法律がない。
『ミネソタ大学ロースクール』 リチャード・ペインター教授
「残念ながら大統領や副大統領その他の公職者が、自発的に自制することに頼らざるを得ない。自分の子どものビジネスに利益をもたらす可能性のある案件から距離を取る必要がある…」
「アメリカの腐敗した文化の中でトランプの黒い花が咲き誇っている」
トランプファミリーのお金儲けにはあきれるばかりだが、中東問題に詳しい高橋和夫名誉教授によれば、トランプファミリーに限った話ではないという。
『放送大学』 高橋和夫 名誉教授
「今の議会自体が…、民主党の有力議員も含め株取引で大変な利益を上げてるといわれている人が大勢いる。ですから米国民の議会への信頼度は10%とかとんでもなく低いんですよ。アメリカの政界全体が腐敗していて、トランプさんはそれを一掃するんだってワシントンに乗り込んで、さらに輪をかけたってこと…。アメリカの腐敗した文化の中でトランプの黒い花が咲き誇っている…そういうことですかね」
“ワシントンはそんなにお金で動くところなんですか”という問いに対してアメリカ政治に詳しい小谷教授は言う。
『明海大学』 小谷哲男 教授
「もともとそうですよね。そうなんですけれどトランプファミリーが、最大限に活用している…。
(そもそも)トランプ氏が大統領を目指したのは…。一番の目的は“トランプブランドの確立”なんです。トランプというブランドをできるだけ大きくするというのが政治をやっている理由ですので…(―――儲けるため?)そうです。それが2期目になって目に見えるようになってきただけ…」
(BS-TBS『報道1930』 4月27日放送より)
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