ハンタウイルスの集団感染が疑われているクルーズ船「MVホンディウス号」。これまで3人が死亡し、治療のため下船する人も出ています。本来はネズミからヒトに感染するウイルスですが、WHOが「ヒトからヒトへの感染が起きた可能性がある」と発表。船が次に、どこに入港するのかが焦点となっています。
航海中 ハンタウイルス“集団感染”か 遺体はそのまま船内に…
海上で停めおかれていたクルーズ船に救いの手がさしのべられました。ボートには防護服姿の人たちが…
6日、ハンタウイルスに感染した疑いのある乗組員2人と乗客1人が下船しました。オランダの病院で治療を受ける予定です。
ハンタウイルスによる集団感染の疑いが出ているクルーズ船「MVホンディウス号」。1か月ほどの航海で少なくとも8人の患者が確認され、そのうち3人が死亡しています。
WHO=世界保健機関などによると、1人目はオランダ人の70歳の男性で発熱や下痢などの症状が出た後、4月11日に船内で死亡。その妻も船内で不調を訴えて下船しましたが、容態が悪化し、死亡しました。
3人目はドイツ人で5月2日に船内で亡くなっています。遺体は今も船に残されたままです。
WHO担当者(スイス・ジュネーブ / 5日)
「夫婦や同室の乗客など、極めて濃厚な接触者の間において、ヒトからヒトへの感染がいくつか起きている可能性があると考えています」
ハンタウイルスはネズミなど、げっ歯類のフンや尿への接触で感染しますが、まれにヒトからヒトへの感染が起こることが分かっています。
乗客・乗員約150人の中に日本人が1人いますが、現時点で感染は確認されていないそうです。
「まれにヒト・ヒト感染の可能性も」日本で流行のリスクは?
自然や野生動物との触れ合いが楽しめるクルーズツアー。大西洋を縦断しながら野鳥を観察したり、ペンギンやアザラシの楽園として知られる南極近くの島を訪れたり、アルゼンチンを出発し、35日間かけてカーボベルデに向かう行程でした。
ネズミ類が多く生息する島もあり、WHOはそこで感染した可能性があると発表。ただ、最初に死亡した夫婦については、発症時期が早いことから乗船前から感染していた可能性があるとみています。
ヒトからヒトへの感染がまれに起こるのは、ハンタウイルスの「アンデス株」で、死亡した女性と現在治療中の男性からこのアンデス株が検出されたといいます。
症状は発熱や咳、嘔吐や下痢を伴うことも。急速に悪化すると呼吸不全を起こして死亡することがあります。
大阪大学医学部 忽那賢志教授
「肺に強く炎症が起こるタイプは重症度が高くて、10%台あるいは50%近くの人が死亡したという報告もある。今のところは有効な治療薬はない」
潜伏期間は2週間以上と長いのが特徴です。感染症に詳しい忽那教授は、現時点では日本国内に持ち込まれるリスクは低いとした上で…
大阪大学医学部 忽那賢志教授
「これからクルーズ船の中で感染者が増えてくるとか、既に上陸している人とか、最初の症例に関連して、船以外で感染した人がたくさん出てくるようであれば注意が必要」
下船した乗客が感染 船の行先“受け入れ拒否”も?
すでに下船した乗客の感染も明らかになっています。スイス政府によると、乗客だった男性の感染が分かり、現在治療を受けているということです。
クルーズ船はいつ、どこに上陸するのか。スペイン政府はカナリア諸島での受け入れを発表しました。乗客らに検査と治療を行い、各国への帰国の手続きを進めることにしています。
ただ、カナリア諸島の首長は受け入れを拒否していて、クルーズ船の行き先が焦点になっています。
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