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「アメリカはAI開発を抑圧」米中首脳会談を前に中国が抱く不信感 習近平氏の外交ブレーンが明かすトランプ政権との対話への期待

海外
2026-09-24 06:00

9月24日アメリカ・ワシントンで米中首脳会談が行われる。今年5月に北京で開かれた会談以来、約4か月ぶりにトランプ大統領と習近平国家主席が対面する。今回の会談で中国が重視することとは何か?主導権争いが激化するAIをめぐり米中はどのような意見を交わすのか?


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中国外務省のアドバイザーを務め対米政策決定に影響力を持つ復旦大学国際問題研究院の呉心伯院長に話を聞いた。
(インタビューは9月15日に実施しました)


※全3部の1本目(1部2部3部


5月の米中首脳会談「過去10年間で最も成功した会談」

――今年5月の米中首脳会談をどのように総括していますか?


呉心伯 院長 
今年5月に行われた米中首脳会談は過去10年間で最も成功した会談でした。


1つ目の理由は、習近平国家主席とトランプ大統領の個人的な友情が強固になったからです。2人は長年会っていませんでしたが、約10時間一緒に過ごし、多くのことを話し合いました。私は国賓晩餐会に出席しましたが、習氏とトランプ氏は絶えず会話を交わし、非常に親密なやり取りをしていて、心から楽しんでいる様子がうかがえました。


2つ目の理由は双方が「建設的・戦略的で安定した関係」の構築という共通の目標に合意したからです。


第一次トランプ政権では「戦略的競争」という概念が提唱され、両国関係に多くの衝突をもたらしました。今回、アメリカ側が「戦略的安定」という概念を提示し、中国側が「建設的」という言葉を加え、「建設的・戦略的で安定した関係」と呼ばれるようになりました。これは、ここ10年近くで初めて両国が共通の目標に合意したことになります。特に「安定」という点が極めて重要です。


3つ目の理由は両国首脳が、経済・法執行・外交・軍事など多くの分野で成果が得られるよう政策を推進したためです。


5月の会談は今年の両国関係にとって良いスタートとなりました。


――まもなく行われる米中首脳会談のポイントはなんでしょうか?


呉心伯 院長 
最大の焦点は双方が「建設的・戦略的で安定した関係」の構築という共通の目標に向かうことができるかどうかです。


例えば、経済・貿易関係をどう改善するか、軍の交流・人的交流などの分野で実務的な協力をどのように強化するか。中東や朝鮮半島など、多国間問題における双方の調整も強化する必要があります。


したがって、今回の訪問は過去の流れを、未来へ繋ぐ重要な訪問となります。


AI先進国の米中「意見交換や協力がリスク管理上重要」

――米中が開発競争を繰り広げるAIですが、一部のアメリカ企業からは「AI開発競争が人類の滅亡を招く可能性がある」という声が上がっています。一方、トランプ大統領は中国に対する優位性を維持すべきだと主張しています。


呉心伯 院長
中国はAI技術の応用や商業化の推進は経済発展を促し、人類に恩恵をもたらすと考えていますが、同時に多くのリスクをもたらす可能性があることも認識しています。現時点では知られていないリスクや、制御が極めて困難なリスクもあります。


中国は以前からこの問題を理解しており、AIに関する国際的な仕組みづくりで協力をすべきだと提唱してきました。そこで上海に「世界AI協力機構」を設立し、他国と協力してこの問題に対処したいと考えています。


世界でAIの技術が最も進んでいるのは中国とアメリカです。両国がAIのリスクの特定や対応について良好な意見交換を行い、協力をすることは、リスク管理上非常に重要だと思います。


「中国のAI開発を抑圧」開発競争激化するAI アメリカの対応に不信感も

呉心伯 院長
しかし、私が多少懸念しているのは、アメリカが最先端AI半導体の対中輸出を制限し、中国のAI開発を抑圧しながら、一方ではリスクについて対話が必要だと訴えている点です。


アメリカの狙いが何なのか、中国ははっきりと分かっていません。


アメリカ国内には意見の相違があります。例えば、AI企業トップの中には開発のペースを落とすべきだと言う人もいれば、トランプ氏は開発を進めなければならないと述べています。ですから、現在のアメリカの方針は明確ではないのです。


もし中国とアメリカが対話をすれば、彼らの考えをより理解できるかもしれません。今回の首脳会談でもAIが話題になるのではないでしょうか。


――今回の首脳会談を通して両国はAIの分野でどのような関係性を築いていくことになると考えますか?


呉心伯 院長 
双方が対話推進の仕組みを作ることで合意する可能性が高いと思います。AIをめぐる初の会談ですぐに成果を得ることはできないと思いますが、重要なのは仕組みを確立することです。


バイデン政権時代、両国の政府間にはAIの対話の仕組みが存在していましたが、トランプ氏の就任後は継続されませんでした。これを復活させることができるのか、期待しています。


=====
呉心伯 氏
復旦大学国際問題研究院 院長
復旦大学アメリカ研究センター 所長
中国外務省のアドバイザーを務めるなど
中国の対米政策決定に影響力を持つ


聞き手 JNN北京支局 松尾一志


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