全国で火災による死者が相次いでいます。命と財産を守るため、カギとなる初期消火。火災が起きると、自動的に自ら消火するシート型のものなど、“次世代型消火器”が続々登場しています。
市議宅でも火災 長女(12)が行方不明
2月11日未明の住宅地に響く緊迫した声。1階の通気口から吹き出す炎があっという間に燃え広がります。
消防隊員
「分かります?」
2月11日午前1時半すぎ、神奈川県厚木市のアパートで「1階が燃えて火と煙が見える」と近くに住む男性から119番通報がありました。
記者
「アパートの中にあったものでしょうか。完全に焦げてしまっていて、原形をとどめていません」
この火事でアパートの1階と2階の合わせて2部屋が全焼。1階の部屋で一人暮らしをしていた篠村政樹さん(81)が死亡しました。
大阪府大東市では、午前1時半すぎ、住宅から火が出ていると近所の人から通報がありました。
この火事で木造住宅が全焼。焼け跡から1人の遺体がみつかりました。
この家には大東市議会議員の女性と3人の子どもが暮らしていて、このうち12歳の長女の行方がわからなくなっているということです。
“放水いらず” 自動的に消火するシートを壁に
全国で相次ぐ火事。いざというときのためにどう備えるべきなのでしょうか。
いま、最新技術による次世代の消火器が開発されています。
建物火災の実験映像では、煙が噴き出し、わずか15秒ほどで消火されました。放水はされていません。
その秘密は、壁に貼られていた薄いシート状のものです。
「K/SMOKE PANEL」といい、300℃を超えると自動的にガス状の消火剤が放出される仕組みで、無人でもスピーディーに消火できます。
シート状のため、駅や学校、バスや電車など様々な場所に設置可能だということです。
また、身近な火災が起きたときに必要なものといえば…
街の人
「消火器は賃貸で備え付けられているものがある」
街の人
「(消火器は)2個ありますね。(家と)倉庫の方にもある。手の届くところに置こうと」
あまり火元を汚さない“次世代型の消火器”
初期消火で重要となる消火器ですが、重かったり、場所や使い方を知らなかったりする人もいます。
そんな中、軽くて使いやすいだけじゃない次世代型の消火器具が世界45か国以上で販売され、注目されています。
それが棒のような消火器具「ファイヤーショーカスティック」です。
一般的な消火器を使ったときの映像では、安全ピンを抜いて火に向けて構えると、消火剤が勢いよく噴き出し、部屋の中は真っ白になってしまいました。
「ファイヤーショーカスティック」は、火元をあまり汚さずに消火できるのが特徴です。
メーカーによると、一般的な消火器が粉末や薬剤を使うのに対し、「ファイヤーショーカスティック」は人体に害のないガスを使用しているということです。
さらに噴射する時間は、一般的な消火器が約15秒に対し、「ファイヤーショーカスティック」は約7倍の100秒です。
非常に軽くコンパクトなので、キャンプなど様々なシーンで活用できるそうです。
街の人
「粉じゃないんですね、便利」
街の人
「白くもならないし、あとが楽ですね」
「ファイヤーショーカスティック」は、製造業、飲食店、神社、国の重要文化財など、幅広い場所で購入されているということです。
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