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金利引き上げ“顧客争奪戦” 預金の金利1%超も、「投資」から「預金」の時代? 賢く増やすには【Nスタ解説】

経済
2025-03-13 21:13

日銀の政策金利引き上げにともない、メガバンクをはじめとする各銀行が次々と“金利”の引き上げに踏み切っています。顧客争奪戦が激化するなか、“新しい形”の銀行も登場しています。


【写真で見る】「アトリエ」に「オリーブ」…銀行の“新しい形”はどこが違う?


金利引き上げで“顧客争奪戦” 預金の金利1%超も

上村彩子キャスター:
日銀の政策金利引き上げに伴い、銀行預金の金利も相次ぎ上がっています。


大手3大メガバンクである三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行は、普通預金の金利を0.1%から0.2%に引き上げました(三井住友銀行は3月17日から)。

2024年3月時点でメガバンク3行の普通預金の金利は0.001%だったので、今回の引き上げに伴い、実に200倍になります。


では、普通預金100万円預けた場合で違いを見てみましょう。金利が0.001%だと1年間の利息は10円ですが、金利が0.2%だと1年間の利息は2000円ということで(税引き前)、やはり大きく差が出てきます。


井上貴博キャスター:
預金についてはプラスですが、住宅ローンについては負担が増えるので、一長一短というところですね。


経済評論家 加谷珪一さん:
金利が上がるということは、お金を貸している人、投資をしている人は収入が増えます。逆にお金を借りている人、住宅ローンを組んでいる人などは金利が上がった分、たくさん利子を払わなければいけません。貸す人、借りる人で損得が分かれるということだと思います。


上村キャスター:
金利のある世界となり、銀行では顧客の争奪戦が繰り広げられています。

普通預金だけでなく、定期預金の金利も上昇しているということです。店舗がいらない、そして人件費がかからないネットバンクが中心になりますが、1年ものの定期預金の金利(税引き前)を見てみましょう。


●ソニー銀行:年0.8%(3月末まで)
●auじぶん銀行:年1.0%(新規対象)
●オリックス銀行:年1.0%(新規対象)
●UI銀行:年1.1%(新規対象、3月末まで)


サッカー成績で金利上乗せ? ユニークなキャンペーン

上村キャスター:
そして、ユニークなキャンペーンで顧客獲得を目指すものもありました。


山口県の西京銀行のキャンペーンでは、新規口座を開設し、3月末の時点で預金残高が100万円以上の方に5万円を贈呈。好評につき、前倒しで終了となりました。

また、広島銀行ではサッカークラブ「サンフレッチェ広島」の成績に応じ、定期預金の金利を上乗せするということです(3月末まで)。たとえばJリーグや天皇杯など、仮に3大タイトルをすべて獲得したときは2.0%上乗せするということで、広島の方は応援にも力が入るかもしれません。


では、今後はどうなるのでしょうか。加谷さんは「日銀は追加で金利を上げていく方向なので、銀行の金利は今後も上がる可能性がある。“3年もの”定期預金を組むのは、様子を見てからでもいいのでは」と話しています。


井上キャスター:
銀行の金利ばかりを見ていると「上がってきたな」と思いますが、物価上昇率を見ると「もっと上がっているしな…」となります。いろいろな数字を見比べないといけませんね。


スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
キャンペーンがどんどん豊富になってきて、ネット銀行、地方銀行、メガバンクと、私たちが知り得るものはたくさんありすぎます。

ただ、最近思うのは、メガバンクのサービスはよくなっていますよね。すごく親切に教えてくれるようになっています。あれは、いろいろなサービスで顧客の取り合いになっているからだったのでしょうか。


ホラン千秋キャスター:
今まではあまり考えずにメガバンクに預けていましたが、いろいろな数字が出てくるので、違うところに預けてみようかと考えるきっかけにもなります。

でも、どこにどうするかというのは、キャンペーンが出揃って落ち着いてから決めたほうがよさそうでしょうか?


経済評論家 加谷珪一さん:
日銀はまだ金利を上げていく方向性で、物価もまだ上がっているため、専門家の多くは、まだ金利は上がると予想しています。

今3年ものの定期預金を組んでしまうよりは、もう少し金利が上がってから組んだほうが得かもしれません。先読みをしながら考えて様子見して、あまり焦らないほうがいいのではないかと私は思います。


井上キャスター:
広島の地銀の特殊性みたいなものは、すごく応援したくなりますね。


経済評論家 加谷珪一さん:
こういうものはいいですよね。


預金と投資の割合はどれくらい? 経済評論家に聞くと…

上村キャスター:
預金の金利アップにより、最近は投資をする方も増えてきましたが、もっと預金をする時代になりうるのでしょうか。


加谷さんは「お金の使い道に合わせて投資と預金の使い分けを」とオススメしています。

投資はやはり“元本割れ”のリスクがあるため、余剰資金を活用したほうがいいとのことですが、リターンも大きいのが投資の特徴です。

一方、預金は“元本割れ”のリスクがないため、子どもの教育費などにあてるといいそうです。しかし、こちらにもデメリットがあり、インフレには間に合わない可能性があるとのことです。


井上キャスター:
自分自身がそうでしたが、ゼロ金利政策のときなどは特に“ゼロリスク”を求めてしまっていたところがあります。

でも、リスクがゼロなんてことはないですし、どう分散させて、どう自己責任でやっていくかというところで、いい勉強ができたと思います。


経済評論家 加谷珪一さん:
今までは考える選択肢がなかったので、思考放棄するしかなかったのですが、これからはいい意味で「どうしようか」と迷える時代です。

投資はリスクがある代わりにリターンが大きく、預金はそんなに儲からないけれども安全。どちらのほうが自分のライフスタイルに合っているかということも含めて、いろいろ考えるきっかけになるのではないでしょうか。


ホランキャスター:
年代によっても攻めるのか守るのかは違うと思いますが、プロの意見が気になります。加谷さんはだいたい、どのくらいの比率で預金と投資を行っていますか?


経済評論家 加谷珪一さん:
私は投資の比率が結構高めで、預金と投資を4対6ぐらいに分けています。コツコツとお金を貯め、それを毎年毎年の投資に回してきました。一生懸命働いて、節約もして、毎年一定額の余剰資金を作って、コツコツと長い期間をかけて。


ホラン千秋キャスター:
ギリギリのお金を使って投資してはいけないということですね。


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<プロフィール>
加谷珪一さん
経済評論家
元日経BP記者 著書に「貧乏国ニッポン」
中央省庁などへのコンサルティング業務も

田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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