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ナゼ?SNS時代に“手作り本”が人気…個人的な気持ちや趣味を綴る「ZINE」とは?【THE TIME,】

経済
2025-06-14 07:00

出版社ではなく“個人が作る”小冊子「ZINE」の人気が広がっています。SNS時代になぜアナログな冊子が流行るのか?


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“超個人的”冊子「ZINE」を作る人増加

東京・台東区のビルで開かれた「ZINE」の即売会。
2つのフロアに総勢600人以上が出店し、多くの客で賑わっています。


『ZINEフェス東京』主催者:
「初開催の2021年3月には出店74組だったので、かなり人数的にも増えている」


【ZINE】とは、MAGAZINEの“ZINE”が由来で、出版社などを通さず個人で作る【新しいジャンルの小冊子】のこと。
その内容は、自分で撮った写真をまとめたものや、アルミ弁当箱を集めたもの、古代ローマ料理を研究したものまで何でもアリです。


出店者・20代女性:
「恋人ができたらやりたいことをZINEという形にした。1月に失恋した時に“自分の恋愛に憧れている感情を認めてあげるため”に作品を作りたいなと」


<サイゼの間違い探しにチャレンジだ>など、写真と文章で綴られたZINEには恋人ができたら叶えたい赤裸々な妄想がずらり。超個人的な内容ですが一冊700円。


他にも「私がマッターホルンに登った日記」だというZINEを一冊500円で販売する人も。


出店者・20代女性:
「登頂の話を友達にしたら、勇気をもらったと言ってくれる人がいて。写真と、紙に文章書いてアプリでくっつけて制作期間は2、3カ月くらい」


スマホを使って簡単に編集できるようになったり、印刷所のサービスが充実したことが「ZINE作り」をはじめる人が増えた理由。


マッターホルン登頂日記を販売する女性は、100冊作成し3万5000円ほどかかったとのことですが、元はとれるのでしょうか?


出店者・20代女性:
「元はとれないかな(笑)。“励まされたとか言ってもらえたら嬉しいな”くらいの感じなので」


たくさん売れてほしい、というわけではなく“個人的な気持ちや趣味を形にする”ことにこそ意義があるようです。


あえて「一般人の本を買う」理由

では、SNSに投稿したりすることで“形にする”のとは、何が違うのでしょうか?


小動物ZINEを販売・男性:
「アーカイブというか、“残っていくことで達成感につながる”


写真集ZINEを販売・男性:
「デジタルの情報はすぐに過ぎてしまうけど、“ZINEは手に残り続けるし温かい”


そんなZINEは、手に取る人にとっても様々な魅力があるようです。


「人の日記とか、“なんでもない日常”が面白い」(20代女性)
「あんまり表に出さない“その人の個性が見えてくる”ところがいい」(20代男性)
「一つとして同じものがないから、“唯一無二の特別感”に心惹かれた」(20代女性)


書店にも続々「ZINE」コーナー

実は、大手書店も「ZINE」に注目。


即売会で名刺を配り「店に置かせてもらいたい」と声をかけていたのは、『有隣堂』キュービックプラザ新横浜店の石田店長です。


有隣堂では、2024年9月に大阪の店舗でZINEの取り扱いを開始したところ、たちまち売り上げの約10%を維持する看板コーナーに。そこで横浜の新店舗でもZINEを置くことにしたのだといいます。


石田店⻑:
「書店の売り上げが近年減少している中で“新しいジャンルの拡大”になる」


『蔦屋書店』でも、広島店で常時約200タイトルが並ぶ専用コーナーを設置するほか、全国6店舗でZINEの取り扱いを開始。
『ジュンク堂書店』や『三省堂書店』でも取り扱いを始めています。


「出版のプロ」も趣味で参戦

「ZINE作り」に魅了されているのは一般の人だけではありません。


『新潮社』に勤める篠田奈々さん(プロモーション部・38)、長谷川真由さん(文庫編集部・42)、楠瀬啓之さん(「波」編集長・58)。


3人は年齢も部署もバラバラですが、一緒にZINEの即売会に行った際『自分たちも作ってみたい』と意気投合。「サークル感覚の趣味」としてこれまで5冊を制作したとのことですが、仕事とは違う魅力があると話します。


長谷川さん:
“とことん自分の好きに振り切れる”。会社だと色んな会議を経てやっているが、私がいいって思ったら突き進める。それで本が出るゴールまでいける」


楠瀬さん:
「興味あるものを“もうちょっと深堀したい”。それがきれいに組まれて印刷されて紙に出てくる。ノートでええやんっていう(笑)。でも、こっちのほうが満足度が高い」


自由に自分の世界を広げたい。そんな心任せな一冊が、作り手だけでなく買い手の心もつかんでいます。


(THE TIME,2025年6月12日放送より)


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